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片づけより先に、お金の管理をどうするかが来ることがある

実家を片づけていると、未開封の請求書や、覚えのない契約書が出てきます。そこで初めて「親のお金の管理が回っていない」と気づく方が多くいます。制度は2つあり、どちらを使うかは「親がいま、契約の内容を判断できるか」で決まります。そして片方には、後から取り返せない申請期限があります。ここを整理します。

本ページは制度の一般的な整理です。利用料・助成額・申請期限は市区町村ごとに異なります。実際の手続きは、お住まいの市区町村の社会福祉協議会・地域包括支援センター・区市役所の窓口にご確認ください。個別の法律判断は行いません。
このページの内容
  1. 2つの制度がある
  2. どちらを使うかの分かれ目
  3. 社協の日常生活自立支援事業
  4. 成年後見制度
  5. 後見人の報酬を助成する制度
  6. 申請期限が自治体で違う
  7. 状況ごとの考え方
  8. 片づけとの関係
  9. よくある取りこぼし
  10. よくある疑問

2つの制度がある

判断力が落ちてきた方のお金や契約を支える仕組みは、大きく2つに分かれます。

2つの制度の位置づけ

日常生活自立支援事業成年後見制度
やっているところ都道府県・指定都市の社会福祉協議会(窓口は市町村の社協)家庭裁判所が後見人等を選任する
始め方本人と社協の契約家庭裁判所への申立て
本人に必要な状態契約の内容について判断し得る能力があること判断能力が不十分・著しく不十分・欠く常況(3類型)
できることの範囲福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類等の預かりなど財産管理と身上保護の全般。法律行為の代理・取消
費用実施主体が定める利用料。初期相談と生活保護受給世帯は無料後見人等への報酬(家庭裁判所が決める)

厚生労働省は日常生活自立支援事業を「認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うもの」と説明しています。

どちらを使うかの分かれ目

選ぶ基準は「重いか軽いか」ではありません。本人が契約という行為を理解できるかどうかです。

厚生労働省は、日常生活自立支援事業の対象者を「判断能力が不十分な方」であり、かつ「本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる方」としています。

ここが決定的です。この事業は本人と社協の「契約」で始まるので、契約を理解できなくなった時点で、もう入口が閉じます。そうなると成年後見しか残りません。

判断力の状態と、そのとき使える制度
判断力の状態と、そのとき使える制度右に進むほど、使える制度が減ります契約を理解できる社協+後見契約の理解があやしい後見のみ(社協は要判定)契約を理解できない成年後見のみ

→ 図は横にスクロールできます

  1. 契約を理解できる通帳の置き場所を忘れる、払い忘れがある。それでも説明すれば「自分のためのサービスだ」と理解できる段階です。この時期にだけ、社協の日常生活自立支援事業を自分の意思で始められます。
  2. 契約の理解があやしい説明しても内容がその場で頭に残らない、日によって差が大きい段階です。社協が契約能力ありと判断できなければ、入口は閉じます。
  3. 契約を理解できない本人の意思で契約を結べない段階です。日常生活自立支援事業は契約が前提なので使えず、家庭裁判所への申立てだけが残ります。

厚生労働省は日常生活自立支援事業の対象者を「判断能力が不十分な方」であり、かつ「本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる方」としています。右に進むほど選べる制度が減るので、迷っている段階で社協に相談したほうが選択肢が多く残ります。

先に社協へ相談したほうがよい状態

  • 通帳や印鑑をどこに置いたか分からなくなることがある
  • 同じ請求書を何度も払ったり、逆に払い忘れたりする
  • 訪問販売や電話勧誘で契約してしまったことがある
  • でも、説明すれば「これは自分のためのサービスだ」と理解できる

最後の1行があるうちが、日常生活自立支援事業を使える時期です。「まだ大丈夫そうだから」と先送りにすると、この選択肢だけが先に消えます。

社協の日常生活自立支援事業

厚生労働省が挙げている援助の内容は次のとおりです。

援助の内容(厚生労働省の公表内容より)

区分内容
福祉サービスの利用援助どのサービスを使うか、手続きをどう進めるかの援助
苦情解決制度の利用援助サービスに問題があったときの申し出の援助
行政手続等の援助住宅改造、居住家屋の貸借、日常生活上の消費契約および住民票の届出等
日常的金銭管理日常生活費の管理
定期的な訪問訪問による生活変化の察知

実施主体は都道府県・指定都市の社会福祉協議会で、窓口業務等は市町村の社会福祉協議会等で行われます。

費用について、厚生労働省は「実施主体が定める利用料を利用者が負担します」としたうえで、「契約締結前の初期相談等に係る経費や生活保護受給世帯の利用料については、無料となっています」と明記しています。

相談する段階ではお金がかかりません。使うかどうかを決める前に、社協に状況を話してみることができます。

成年後見制度

契約を理解することが難しくなった場合は、家庭裁判所に申立てを行い、後見人等を選任してもらう形になります。財産管理の範囲が広く、法律行為の代理や取消もできます。

ここで多くの方が止まるのが「後見人への報酬」です。報酬は家庭裁判所が決めますが、親族が後見人にならない場合(専門職が選任される場合)は、毎月の報酬が発生し続けます。「その費用が出せないから使えない」という理由で、必要な人が制度に入れない——これを埋めるのが次の制度です。

後見人の報酬を助成する制度

成年後見制度利用支援事業といいます。市区町村が、資力の乏しい方について後見人等への報酬を助成する仕組みです。

報酬助成の例(大阪市・堺市の公表内容より)

項目大阪市堺市
在宅の場合の上限月額28,000円以内月額28,000円
施設入所の場合の上限月額18,000円以内月額18,000円
対象生活保護受給者またはそれに準じる方(要保護者)のうち、報酬の捻出が困難な方生活保護受給者/中国残留邦人等支援給付受給者/生活保護受給者に準ずる方(預貯金等が500,000円×世帯の構成員数以下)
申立費用申立てに必要な費用の一部または全部を市が負担助成対象は後見人等の報酬のみ。書類の取得費用は対象外
申請の期限家庭裁判所の報酬付与の審判から3か月以内審判から6か月以内
窓口区の保健福祉センター区役所地域福祉課・保健センター(郵送/直接/電子申請)

同じ大阪府内の隣接する市でも、対象の決め方も申請期限も違います。他市の数字をあてはめないでください。

申請期限が自治体で違う

いちばん取り返しがつかないのがここです。

大阪市は「家庭裁判所の報酬付与の審判から3ヶ月以内の申請が必要」、堺市は「家庭裁判所の報酬付与の審判から6カ月以内に申請する必要があります」としています。隣接する市で倍の差があります。

報酬付与の審判は、後見人が家庭裁判所に申立てて出るものです。家族が「そういう手続きがあった」と知らないまま数か月過ぎることがあります。後見人が専門職であれば手続きを把握していますが、親族が後見人になっている場合は、自分で期限を管理する必要があります。

まず自分の市区町村の期限が何か月かを、制度を使い始める前に確認してください。

状況ごとの考え方

親はまだ話が通じるが、通帳の管理が怪しい

日常生活自立支援事業が使える時期です。本人が契約内容を判断できることが条件なので、この段階で社協に相談してください。初期相談は無料です。

すでに契約の意味が理解できない

日常生活自立支援事業の対象から外れます。成年後見制度の検討になります。地域包括支援センターか市区町村の窓口が入口です。

後見人の報酬が払えるか不安

成年後見制度利用支援事業があります。大阪市・堺市はいずれも在宅月額28,000円・施設月額18,000円を上限としています。資力の要件があるので、まず窓口で対象になるかを確認してください。

親族が後見人になっている

報酬付与の審判のあと、助成の申請期限を自分で管理する必要があります。大阪市は3か月、堺市は6か月。お住まいの市区町村の期限を先に確認してください。

遠方に住んでいて、頻繁に通えない

日常生活自立支援事業には定期的な訪問による生活変化の察知が含まれます。離れて暮らす家族にとっては、この定期訪問自体に意味があります。

預貯金がそれなりにある

堺市は「500,000円×世帯の構成員数」以下を基準としています。これを超えると報酬助成の対象外になり得ますが、基準は自治体ごとに違います。

片づけとの関係

実家の片づけをしている方に、順序の話として1点だけ。

成年後見が始まると、本人の財産は後見人が管理します。家族が「これはもう要らないから」と処分することが、簡単にはできなくなります。とくに本人が住んでいた家(居住用不動産)の処分には、家庭裁判所の許可が必要とされています。

つまり「価値のあるものをどうするか」「何を残して何を手放すか」を家族で話しておくのは、判断力があるうちのほうが圧倒的に進めやすいということです。あとから「あれは売ってよかったのか」と揉めるのも、この順序を飛ばしたときに起きます。

価値があるかどうかだけ、先に見てもらう

何を残して何を手放すかは、金額が分かってからのほうが決めやすくなります。査定は無料で、その場で断ることもできます。

  • 査定は無料です
  • 出張査定に対応しています
  • 査定後に断ることもできます
掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

よくある取りこぼし

「まだ大丈夫」で先送りにする

日常生活自立支援事業は本人が契約内容を判断できることが条件です。判断力が落ちきると、この選択肢だけが先に消えます。

報酬助成の申請期限を知らない

大阪市は審判から3か月、堺市は6か月。自治体で違います。過ぎると助成を受けられません。

他市の金額をあてはめる

上限額も資力の基準も市区町村ごとに定められています。必ず自分の市区町村の公表内容で確認してください。

相談にお金がかかると思っている

厚生労働省は、契約締結前の初期相談等に係る経費と生活保護受給世帯の利用料は無料としています。

助成の対象が「報酬」だけだと知らない

堺市は、申請のために必要な書類の取得費用は給付対象にならないと明記しています。申立費用の扱いも自治体で違います。

後見が始まってから片づけを考える

本人の財産は後見人の管理下に入ります。居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要とされています。順序が逆になると動けません。

よくある疑問

日常生活自立支援事業はどこに相談しますか。

市町村の社会福祉協議会が窓口です。実施主体は都道府県・指定都市の社会福祉協議会で、窓口業務等は市町村の社会福祉協議会等で行われます。

どんなことをしてもらえますか。

福祉サービスの利用援助、苦情解決制度の利用援助、住宅改造・居住家屋の貸借・日常生活上の消費契約や住民票の届出等の行政手続に関する援助、日常生活費の管理、定期的な訪問による生活変化の察知です。

お金はかかりますか。

実施主体が定める利用料を利用者が負担します。ただし契約締結前の初期相談等に係る経費と、生活保護受給世帯の利用料は無料です。

親がもう判断できません。使えますか。

この事業は本人と社協の契約で始まり、契約の内容について判断し得る能力があることが条件です。難しい場合は成年後見制度の検討になります。

成年後見の報酬はいくらですか。

家庭裁判所が決めます。本ページでは金額を示しません。助成の上限額は大阪市・堺市とも在宅月額28,000円、施設入所月額18,000円です。

報酬助成は誰でも受けられますか。

資力の要件があります。堺市は生活保護受給者、中国残留邦人等支援給付受給者、および預貯金等が500,000円×世帯の構成員数以下の方を対象としています。

いつまでに申請しますか。

大阪市は家庭裁判所の報酬付与の審判から3か月以内、堺市は6か月以内です。自治体ごとに違うため、必ず確認してください。

申立ての費用も助成されますか。

大阪市は申立てに必要な費用の一部または全部を負担するとしています。堺市は助成対象を後見人等の報酬のみとし、書類の取得費用は対象外としています。

2つの制度は同時に使えますか。

併用の可否は状況により異なります。社会福祉協議会または市区町村の窓口でご確認ください。

後見人がつくと、実家の物は勝手に処分できなくなりますか。

本人の財産は後見人が管理します。とくに居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要とされています。片づけと売却の判断は、判断力があるうちに家族で話しておくほうが進めやすくなります。

遠方に住んでいます。

日常生活自立支援事業には定期的な訪問による生活変化の察知が含まれます。離れて暮らす場合はこの点が効きます。

まず何から始めればよいですか。

市町村の社会福祉協議会か、地域包括支援センターに現状を話すところからです。初期相談は無料です。

処分の前に確認すること片付けの進め方着物の価値はどこで決まるか

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一次情報の確認先

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