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冷蔵庫は動き続けていない。だから早見表が当たらない

「定格150Wの冷蔵庫なら、1000Whのポータブル電源で約6時間」——この計算は大きく外れます。冷蔵庫の圧縮機は運転と停止を繰り返しており、定格消費電力で回り続けているわけではないからです。自分の冷蔵庫の数字から計算してください。

このページの内容
  1. 早見表がずれる4つの理由
  2. 年間消費電力量から出す
  3. 変換効率で目減りする分
  4. 起動電力という別の壁
  5. 停電時に実際にやること
  6. この計算でどう選ぶか
  7. よくある疑問

早見表がずれる4つの理由

「定格 × 時間」で計算すると外れる理由

要因何が起きるか向き
圧縮機の断続運転常時運転ではなく、庫内温度に応じて動いたり止まったりする実際の消費は定格より小さい
直流から交流への変換損失ポータブル電源の内部で電力の一部が熱になる使える分は表示容量より小さい
起動時の突入電力圧縮機が回り始める瞬間だけ、定格を大きく超える電力が要る定格出力が足りないと起動できない
外気温と開閉回数暑い日、扉を開ける回数が多いほど運転時間が伸びる夏の停電では消費が増える

上2つは逆向きに働きます。だから「定格×時間」も「表示容量÷定格」も、どちらも実態と合いません。

年間消費電力量から出す

冷蔵庫には「年間消費電力量(kWh/年)」が表示されています。これは断続運転を含めた実際の消費量にもとづく数値なので、こちらから計算するほうが実態に近づきます。

1日あたりの消費量を出す

③がおおよその平均消費です。定格消費電力よりかなり小さい数字になるのが普通です。

年間消費電力量は一定の測定条件のもとで出された値です。真夏の停電時、扉の開閉が増える状況では、これより大きくなります。余裕を見てください。

変換効率で目減りする分

ポータブル電源に表示されている容量(Wh)は、内部の蓄電池が持つ量です。そこから家電へ交流で供給するとき、変換の過程で一部が失われます。実際に使える量は表示容量より小さくなります。

動かせる時間の目安

④が目安です。ここからさらに、外気温・開閉回数・他の家電との併用で短くなります。

変換効率の値は事業者・機種によって異なります。公表されていればその値を、公表がなければ余裕を大きめに取ってください。「表示容量そのまま使える」という前提では計算しないでください。

容量と定格出力の仕様を確認する

容量(Wh)・定格出力(W)・瞬間最大出力は公式サイトに記載があります。計算した数字と照らして選んでください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

起動電力という別の壁

容量が足りていても、定格出力(W)が足りなければ、そもそも冷蔵庫は動きません。圧縮機はモーターなので、回り始める瞬間に定格運転時を大きく超える電力を必要とします。

容量と出力は別の話

指標単位何が決まるか足りないとどうなるか
容量Whどれだけの時間動かせるか途中で止まる
定格出力W何を動かせるかそもそも動かない
瞬間最大出力W起動時の突入に耐えられるか起動のたびに保護が働いて止まる
出力波形正弦波かどうかモーターや電子回路が正常に動くか動作が不安定になることがある

冷蔵庫のようにモーターを持つ機器では、容量よりも先に定格出力と瞬間最大出力を確認してください。

本体や取扱説明書に定格消費電力が書かれています。起動時に必要な電力はその数倍になることがあります。定格ぎりぎりの出力を選ばないでください。

停電時に実際にやること

順序

  1. ① まず扉を開けない冷気を逃がさなければ、しばらくは庫内温度を保てる。最初にやることは電源の確保ではなく、開けないこと。
  2. ② 復旧の見込みを確認する短時間で復旧するなら、つながずに待つほうが電力を温存できる。
  3. ③ つなぐ順番を決める冷蔵庫より先に、命に関わる機器(医療機器など)がある場合はそちらを優先する。
  4. ④ 冷蔵庫をつなぐ起動時の突入があるため、他の機器と同時に起動させない。
  5. ⑤ 残量を見ながら運転を区切る常時つなぎ続けるより、庫内が冷えたら止める運用のほうが長く保てる場合がある。
  6. ⑥ 冷凍室の中身から判断する解けはじめたものは、再冷凍せず早めに使う。
冷蔵庫より先に確認すべき機器があるかどうかを、平常時に決めておいてください。停電の最中に順番を考えることになると、その分だけ電力を失います。

この計算でどう選ぶか

計算結果からの読み方

目安時間が想定の停電時間を大きく上回る

容量は足りています。次は定格出力と瞬間最大出力が冷蔵庫の起動に耐えるかを確認してください。

目安時間が想定と同程度

余裕がありません。外気温が高い日や開閉が増える状況では届かない可能性があります。一段上の容量を検討してください。

目安時間が想定を下回る

冷蔵庫を常時つなぐ前提では足りません。運転を区切る運用にするか、容量を見直してください。

定格出力が冷蔵庫の定格消費電力に近い

起動できない可能性があります。容量ではなく出力の側で選び直してください。

よくある失敗

定格消費電力 × 時間 で計算する

冷蔵庫は断続運転です。年間消費電力量から1日あたりを出してください。

表示容量をそのまま使えると考える

変換の損失があります。使える量は表示より小さくなります。

容量だけ見て出力を見ない

定格出力・瞬間最大出力が足りないと、そもそも起動しません。

停電したらすぐ扉を開けて中を確認する

最初にやることは開けないことです。

複数の機器を同時に起動させる

起動時の突入が重なり、保護が働いて止まることがあります。

よくある疑問

よくある疑問

年間消費電力量がどこに書いてあるか分かりません。

本体の内側や背面の表示ラベル、取扱説明書、メーカーの製品ページに記載があります。省エネ性能を示すラベルにも記載されていることがあります。

ポータブル電源につないだまま充電もできますか。

充電しながら給電できる機種とできない機種があります。停電中は充電手段そのものが限られるため、太陽光パネルなどの手段があるかも合わせて確認してください。

冷凍室のものは何時間もちますか。

扉を開けなければ一定時間は保たれますが、庫内の量・外気温・断熱性能によって変わります。解けはじめたものは再冷凍せず、早めに使ってください。

車から給電する方法とどちらがよいですか。

車から取る場合、出力の上限と、車両側の取扱説明書に定められた使い方の範囲を確認してください。長時間の使用では換気と一酸化炭素の危険にも注意が要ります。

普段から満充電にしておくべきですか。

蓄電池は保管状態によって劣化のしかたが変わります。機種ごとに推奨される保管時の残量が示されていることがあるため、取扱説明書を確認してください。

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一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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