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2026年9月 民法および国土交通省のガイドラインにもとづいて整理しています

先に決まるのは金額ではなく、
誰が払うか

自分で業者を呼ぶ前に確認します。順番を間違えると、払わなくてよい費用を払うことになります。

606民法の修繕義務
3負担が決まる要素
1先に連絡する先

賃貸で虫やネズミが出たとき、多くの人はすぐに駆除業者を探します。しかし先に管理会社へ連絡したかどうかで、費用の扱いが変わることがあります。民法は「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定めています。建物側に原因があるなら、それは貸主の修繕の範囲に入りうるということです。

このページの内容
  1. 確認する順番
  2. 負担が決まる3つ
  3. 民法が定めていること
  4. どちらの負担になりやすいか
  5. 自分で頼む前に
  6. つまずくところ
  7. よくある疑問

確認する順番

虫・ネズミが出たときの順番

  1. ① 記録を残す見つけた日、場所、状況の写真。あとで説明するときの材料になります。
  2. ② 賃貸借契約書を読む修繕・費用負担・害虫駆除に関する記載があるかを見ます。
  3. ③ 管理会社(または貸主)に連絡する自分で頼む前です。ここが最も重要な分岐点になります。
  4. ④ 対応と負担者を確認する誰が業者を手配し、誰が払うのかを、できれば書面かメールで残します。
  5. ⑤ 対応がない場合の扱いを確認する民法には、貸主が相当の期間内に修繕をしないときの規定があります。
  6. ⑥ 再発防止まで話す駆除だけでは戻ります。侵入経路をどうするかまで含めて相談します。

③を飛ばして自分で業者を呼ぶと、「勝手に頼んだ費用」として扱われることがあります。急ぐ気持ちは分かりますが、連絡は先にしてください。連絡した記録が残っていること自体が、あとで効きます。

負担が決まる3つ

誰が払うかは、次の3つの組み合わせで決まります。金額の話はその後です。

この3つで決まる
この3つで決まるだから記録が要ります。発生の原因契約書の記載通知したかどうか

→ 図は横にスクロールできます

  1. 発生の原因建物の構造や設備によるものか、住み方によるものか。ここが最も大きい。
  2. 契約書の記載害虫駆除の負担について特約があるか。あるなら、その内容が有効かどうか。
  3. 通知したかどうか貸主に伝えたか。伝えた記録があるか。民法の規定はここを起点にしています。

①②③のどれか1つでは決まりません。3つを合わせて判断されます。

民法が定めていること

賃貸の修繕について、民法は次のように定めています。

賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

民法第606条第1項

読み方は2つに分かれます。①原則として、修繕は貸主の義務。②ただし借主に責任がある場合は別。害虫・害獣で言えば、建物の側に原因があるなら貸主、住み方に原因があるなら借主という方向で考えることになります。

貸主が動かない場合についても規定があります。

賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。二 急迫の事情があるとき。

民法第607条の2

ここが「先に連絡する」理由です。この条文は「通知したこと」を起点にしています。通知せずに自分で修繕した場合、この規定の形には当てはまりません。

費用については第608条が「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる」としています。ただし「賃貸人の負担に属する」ものであることが前提です。詳しくは民法の修繕義務で扱います。

駆除の相場と作業内容を調べておく

負担者が決まったあとの手配に使えます。費用・対応範囲は各社の公式サイトでご確認ください。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

どちらの負担になりやすいか

一律の答えはありません。ただし、原因の所在で方向は分かれます。

原因から考える

状況考え方
建物の構造上のすき間から侵入している建物側の問題として、貸主の修繕の範囲に入りうる
共用部(配管スペース・ゴミ置き場など)が発生源共用部の管理は貸主・管理組合の範囲
入居時からすでに発生していた入居前からの状態として、貸主に伝えるべき事項
生ゴミの放置など、住み方に原因がある借主の責めに帰すべき事由にあたりうる
借主が持ち込んだ物から発生した同上
原因がはっきりしないまず調査。管理会社に見てもらうところから

本表は民法第606条の「賃借人の責めに帰すべき事由」という区分にそった一般的な整理です。個別の判断は契約内容と事実関係によります。

「原因がはっきりしない」が実際には最も多い状態です。この場合も、まず管理会社に見てもらうところから始めます。原因を自分で断定しないでください。断定すると、そのまま負担が決まってしまうことがあります。

自分で頼む前に

先に業者を呼びたくなる場面はあります。その場合でも、次の3つはやっておいてください。

自分で頼む前にやること

民法第607条の2は「急迫の事情があるとき」も借主が修繕できる場合としてあげています。ただし「急迫」にあたるかどうかは、事実関係によります。本サイトでは個別の判断は示しません。判断に迷う場合は、消費生活センターまたは法律の専門家にご相談ください。

連絡の仕方と記録の残し方は管理会社への連絡にまとめています。

つまずくところ

連絡せずに自分で業者を呼ぶ

民法の規定は通知したことを起点にしています。あとで請求しにくくなります。

電話だけで済ませる

言った言わないになります。電話の後にメールでも送っておきます。

原因を自分で断定する

「自分のせいかもしれない」と先に言うと、そのまま負担が決まることがあります。まず見てもらいます。

駆除だけで終わらせる

侵入経路が残っていれば戻ります。再発防止まで話します。

記録を残さない

写真と日付が、あとで唯一の材料になります。

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目的から選ぶ

民法の中身を知りたい

民法の修繕義務で確認します。

契約書のどこを見るか

契約書の読み方で確認します。

管理会社にどう伝えるか

管理会社への連絡で確認します。

自分でどこまでやってよいか

自分でやる範囲で確認します。

退去のときどうなるか

退去時の扱いで確認します。

よくある疑問

賃貸で虫が出たら大家が払いますか。

一律には決まりません。民法は原則として賃貸人に修繕義務があるとしたうえで、賃借人の責めに帰すべき事由による場合は除くとしています。原因と契約内容によります。

先に自分で駆除業者を呼んでもよいですか。

呼べますが、費用の請求がしにくくなることがあります。民法の規定は、貸主への通知を起点にしています。

管理会社が対応してくれません。

民法第607条の2は、通知したにもかかわらず相当の期間内に修繕をしないときは賃借人が修繕できるとしています。個別の判断は専門家にご相談ください。

契約書に「害虫駆除は借主負担」とあります。

特約の有効性は内容によります。国土交通省のガイドラインは特約について3つの要件を示しています。契約書の読み方のページで扱います。

原因が分かりません。

自分で断定せず、まず管理会社に見てもらってください。断定すると負担が決まってしまうことがあります。

賃貸の害虫・害獣は誰の負担かガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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