羽アリは、シロアリが姿を見せる唯一の機会
協会は群飛期について「シロアリが人前に姿を現す唯一の時期ですので、シロアリ発見の絶好のチャンスです」としています。見つけたときに慌てて掃除機で吸ってしまう人が多いのですが、数匹だけ残しておくと、種類の判別ができます。種類が分かると、対処の方向も変わります。
シロアリかクロアリか
協会は3点で見分けられるとしています。体の色ではありません。
見分けの3点(協会の記載)
| 部位 | クロアリ | シロアリ |
|---|---|---|
| 触角 | 「く」の字状 | 「真珠のネックレスのように数珠状」 |
| 翅 | 「前翅が後翅より大きい」 | 「4枚ともほぼ同じ大きさ・同じ形」 |
| 腰 | 「腰の部分が細くくびれています」 | 「くびれはなく寸胴」 |
翅は落ちていることがあります。触角と腰は、落ちた個体でも確認できます。
見つけたときにやること
- 数匹をセロハンテープで固定するか、透明の容器に入れて残す
- 写真を撮る(できれば拡大して、触角と腰が見える角度で)
- どこから出てきたかを記録する(部屋、窓、床、壁の位置)
- 日付と時間帯を記録する(種類の判別に使えます)
- 全部片付けてしまわない
「全部片付けてしまわない」が最も重要です。証拠がないと、業者に相談しても現地調査からやり直しになります。数匹残すだけで、話が早く進みます。
出た時期でわかること
協会は「群飛の時期や時刻に注意していれば、シロアリの種類の判別にも役立ちます」としたうえで、種類ごとの群飛期を示しています。
群飛の時期と時刻(協会の記載)
| 種類 | 時期 | 時刻 |
|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | 4〜5月(ただし沖縄2月、東北・北海道6月頃) | 昼間 |
| イエシロアリ | 6〜7月 | 夜(電灯に飛来) |
| アメリカカンザイシロアリ | 6〜9月に数回ずつ何度も | 昼間 |
| ダイコクシロアリ | 5〜8月 | 夜(少数ずつ電灯に集まる) |
地域によって時期がずれます。沖縄と北海道では2か月以上違います。
→ 図は横にスクロールできます
- 春の昼間に大量に出たヤマトシロアリの群飛期にあたります(地域により前後)。
- 初夏の夜、電灯に集まったイエシロアリの群飛期にあたります。
- 夏に何度も少しずつ出るアメリカカンザイシロアリの群飛は「数回ずつ何度も」とされています。
1回の観察で断定はできませんが、相談するときの材料になります。
「何度も少しずつ出る」場合は注意が必要です。アメリカカンザイシロアリは乾いた木材も加害する種で、地中とつながらずに建物の中で完結することがあります。協会は乾材シロアリの手がかりとして「乾材から乾燥した砂粒状の糞が排出されている場合」をあげています。
種類の判別を含めて現地で見てもらう
羽アリの現物と写真があると調査が早く進みます。対応範囲は各社の公式サイトでご確認ください。
- 費用・対応エリア・保証内容は各社公式サイトでご確認ください
- 施工方法と保証の範囲は業者により異なります
- 見積りの面積の数え方は業者により異なります
見つけたらどうするか
羽アリを見つけたときの順番
- ① 数匹残して、写真を撮る触角・腰が見える角度で。これが最も重要です。
- ② 出てきた場所を特定する窓から入ったのか、床や壁から出たのか。ここで意味が変わります。
- ③ 日付・時刻・天候をメモする種類の判別に使えます。
- ④ 残りを片付ける掃除機で吸って構いません。ただし全部ではなく、数匹は残します。
- ⑤ 殺虫剤を大量に撒かないその場の個体は減りますが、巣は残ります。かえって分散させることがあります。
- ⑥ 業者に連絡する写真と現物、出た場所と日時を伝えます。
⑤は誤解されやすいところです。羽アリは巣から飛び立った個体で、巣そのものは別の場所にあります。表に出たものを駆除しても、建物の中の状況は変わりません。
どこから出たかを見る
「窓の外から入ってきた」のか「建物の中から出てきた」のかで、意味がまったく違います。
出どころで変わること
窓や玄関から入ってきた
床の隙間、幅木、柱から出てきた
和室の畳の下、押入れから
浴室・洗面所まわり
出てきた場所の写真を撮っておいてください。あとで説明するときに、場所の特定が最も難しくなります。
羽アリ以外の手がかり
羽アリが出る時期は限られています。それ以外の時期にも、協会が示す手がかりがあります。
羽アリ以外の発見法(協会の記載)
| 手がかり | 内容 |
|---|---|
| 蟻道 | 「基礎や束石、土台などに蟻道がついていないか」 |
| 蟻土 | 「木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂を詰めたり、盛り上げたり」 |
| 食痕 | 「軟らかい早材を好んで食べ、硬い晩材を食べ残す」 |
| 空洞音 | 「ハンマーでたたくと空洞音がしたり、ドライバーでほじくると簡単に穴があきます」 |
| 建物の異常 | 「柱が下がったり、棟や軒の稜線が波を打ったり、ふすまや雨戸などの立てつけが悪くなったり」 |
| 乾材シロアリの糞 | 「乾材から乾燥した砂粒状の糞が排出されている場合」 |
点検の考え方は「シロアリ点検は何年ごとか」のページで扱っています。
定期的な点検の考え方は点検の頻度をご覧ください。
つまずくところ
全部掃除機で吸ってしまう
数匹残しておけば種類が判別できます。証拠がないと調査からやり直しになります。
色で判断する
協会があげているのは触角・翅・腰の3点です。体色ではありません。
殺虫剤を大量に撒く
表に出た個体は減りますが、巣は残ります。分散させることもあります。
出た場所を記録しない
窓から入ったのか中から出たのかで、意味がまったく違います。
時期を気にしない
協会は群飛の時期と時刻が種類の判別に役立つとしています。日付と時間をメモします。
よくある疑問
羽アリがシロアリか見分けられますか。
羽アリが出る時期はいつですか。
見つけたら殺虫剤を撒くべきですか。
窓から入ってきたようです。
羽アリが出ない時期に確認する方法は。
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一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。