お願いする制度ではなく、市町村の義務として書かれている
給食費や学用品代の負担が重い。学校に言い出しにくい——そう感じる方は多いはずです。ところが法律は、市町村に対して「必要な援助を与えなければならない」と書いています。令和6年度で約117万人が対象になっています。制度の骨格を、文部科学省の記載で確かめます。
法律にどう書かれているか
文部科学省の就学援助ポータルサイトから、原文を引きます。
学校教育法第19条において、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」とされています。
「与えなければならない」です。市町村の義務として書かれています。お願いして恵んでもらう制度ではありません。
対象は2種類
文部科学省は、対象者を2つに分けています。
就学援助の対象者(文部科学省・原文)
| 区分 | 内容 | 人数(令和6年度) |
|---|---|---|
| a. 要保護者 | 生活保護法第6条第2項に規定する要保護者 | 約8万人 |
| b. 準要保護者 | 市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める者 【認定基準は各市町村が規定】 | 約109万人 |
出典:文部科学省「就学援助制度について」。
2つ目の「準要保護者」が本題です。生活保護を受けていなくても、「それに準ずる程度に困窮している」と市町村教育委員会が認めれば対象になります。
準要保護が109万人
数字を並べると、制度の実態が見えます。
2つの区分の人数
| 区分 | 人数 | 割合の目安 |
|---|---|---|
| 要保護者(生活保護) | 約8万人 | 全体の1割にも満たない |
| 準要保護者 | 約109万人 | 全体の9割超 |
| 合計 | 約117万人 | — |
出典:文部科学省(令和6年度)。準要保護者が要保護者の13倍以上います。つまりこの制度を使っている人の大半は、生活保護を受けていない世帯です。
「生活保護を受けていないから対象外だろう」という思い込みが、いちばん取りこぼしを生みます。
なぜ市町村で違うのか
就学援助を調べると、市によって基準も金額もバラバラだと気づきます。その理由が文部科学省のページに書かれています。
準要保護者に対する就学援助については、三位一体の改革により、平成17年度より国の補助を廃止し、税源移譲・地方財政措置を行い、各市町村が単独で実施しています。
平成17年度に、国の補助が廃止されました。それ以降、準要保護の部分は各市町村が単独でやっています。だから認定基準も支給額も市町村ごとに決まります。
要保護と準要保護で、国の関わり方が違う
| 国の補助 | |
|---|---|
| 要保護者 | 国が補助(補助率1/2・予算の範囲内) 令和8年度予算額 約5億円 |
| 準要保護者 | 平成17年度に国の補助を廃止。各市町村が単独で実施 |
出典:文部科学省「就学援助制度について」。だから「隣の市の情報」はそのまま当てはまりません。
他の市のページを読んで諦めないでください。基準は自分の市町村のものを見る必要があります。→ 対象になるかどうか
何にお金が出るのか
文部科学省が挙げている補助対象品目は14あります。給食費や学用品費だけではありません。
補助の対象になる品目(文部科学省・原文)
| 品目 | |
|---|---|
| 学用品費 | |
| 体育実技用具費 | |
| 新入学児童生徒学用品費等 | |
| 通学用品費 | |
| 通学費 | |
| 修学旅行費 | |
| 校外活動費 | |
| 医療費 | |
| 学校給食費 | |
| クラブ活動費 | |
| 生徒会費 | |
| PTA会費 | |
| 卒業アルバム代等 | |
| オンライン学習通信費 |
出典:文部科学省「就学援助制度について」の要保護児童生徒援助費補助金の補助対象品目。これは国の補助の対象品目です。準要保護者に対して実際にどの費目が支給されるかは市町村によって異なります。
PTA会費、卒業アルバム代、オンライン学習通信費まで入っています。「学校で払うお金」のほとんどが並んでいる、と考えてよい範囲です。→ 何にお金が出るのか
入学や進学で出費が重なるとき、家にあるものを見直す
着物や骨董、古い家具などは買い取りの対象になることがあります。出張査定に対応しています。
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どこに申し込むか
文部科学省は、問い合わせ先についてこう書いています。
認定基準や援助費目など、各市町村において制度の詳細は異なりますので、お住まいの市町村にお問い合わせください。
聞く先
| 先 | 扱うこと |
|---|---|
| 通っている学校 | 申請書の配布・受け取り。多くの市町村が学校経由で配っています |
| 市町村の教育委員会 | 認定基準・支給額・申請の時期 |
| 市町村の子育て担当課 | ほかの支援と合わせて相談できることがある |
学校に相談することが申請の入り口になっている市町村が多くあります。ただし窓口の置き方は市町村によって異なります。
入学時や年度初めに、学校から全員に案内が配られる市町村があります。受け取った記憶がなくても、学校に聞けば分かります。
自分の市町村の状況を調べる
文部科学省は、市町村別の実施状況を公表しています。
文部科学省では、実行計画に基づき、要保護及び準要保護児童生徒数、就学援助実施状況(制度の周知方法、入学前支給の実施状況等)について調査を実施しています。
「制度の周知方法」「入学前支給の実施状況」まで調べて公表されています。令和4年度から令和7年度まで、年度ごとの市町村別実施状況が文部科学省のサイトにあります。
調べる順序
- お住まいの市町村のサイトで「就学援助」を検索する
- 見つからなければ「就学奨励」「就学援助費」でも探す
- 認定基準(所得の目安)を確認する
- 支給される費目を確認する
- 申請の時期と締切を確認する
- 文部科学省の市町村別実施状況で入学前支給の有無を見る
- 分からなければ学校か教育委員会に電話する
確認の順序
就学援助を考えたら
- 生活保護を受けていなくても対象になりうると知っておく(準要保護 109万人)
- お住まいの市町村の認定基準を確認する(他市の基準で判断しない)
- 支給される費目を確認する(14品目が国の補助対象)
- 申請の時期を確認する(年度初めが多い)
- 入学前支給があるかを確認する
- 学校または教育委員会に相談する
→ 市町村の義務として定められている/対象になるかどうか/何にお金が出るのか/入学前にもらえる場合がある/申請の仕方と時期/認定されなかったとき
確認に使った一次情報
- 文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm
- 文部科学省「就学援助の実施状況」(市町村別実施状況を年度ごとに公表)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/1412177_00003.htm
- 文部科学省「就学援助のお問合せ先」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/1414943_00003.htm
よくある疑問
生活保護を受けていませんが対象になりますか。
学校に知られるのが心配です。
持ち家があると対象外ですか。
いつ申請すればよいですか。
私立の学校でも対象ですか。
外国籍でも申請できますか。
就学援助の制度ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。