本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する法令・統計の記載は、消費者庁・独立行政法人国民生活センター・公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの公表内容にもとづきます。

店で契約しても、訪問販売になることがある

「お店で契約したからクーリング・オフはできない」と言われた。ところが消費者庁は、営業所で締結された契約でも訪問販売に該当する場合があると明記しています。路上で呼び止められて店に行った、目的を告げられずに呼び出された——そこに入り口があるかどうかで決まります。

本ページは特定商取引法の訪問販売に関する一般的な整理です。個別の契約がクーリング・オフや解除の対象になるかどうかは、契約の形態と事実関係によります。困っている場合は消費者ホットライン188(消費生活センター)にご相談ください。
このページの内容
  1. 消費者庁の定義
  2. 店で契約しても該当することがある
  3. 訪問販売にあたる形
  4. 適用除外(法第26条)
  5. 3000円未満は対象外
  6. 事業者に課されている3つのこと
  7. 「訪問購入」とは別の制度
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

消費者庁の定義

特定商取引法ガイドから、原文を引きます。

「訪問販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、営業所等以外の場所(例えば、消費者の自宅)で契約を締結等して行う商品、特定権利の販売又は役務の提供等のことをいいます。

そして対象の広さについて、こう書かれています。

特定商取引法における訪問販売、通信販売、電話勧誘販売に関する規定は、原則全ての商品・役務と特定権利について対象になります。

「原則全て」です。リフォーム工事も、屋根の修理も、浄水器も、布団も、対象に入ります。除外されるものが法第26条に列挙されている、という構造です。

店で契約しても該当することがある

ここがいちばん誤解されるところです。原文を引きます。

営業所等で締結された契約であっても、「訪問販売」に該当する場合があります。例えば、路上等営業所以外の場所で消費者を呼び止めて営業所等に同行させて契約を締結させる場合(いわゆるキャッチセールス)や、電話や郵便、SNS等で販売目的を明示せずに消費者を呼び出したり、「あなたは特別に選ばれました」等、他の者に比べて著しく有利な条件で契約できると消費者を誘って営業所等に呼び出したりして契約を締結させる場合(いわゆるアポイントメントセールス)がそれに当たります。

判断されるのは「どこで契約したか」ではなく「どうやって呼ばれたか」です。

契約した場所と、訪問販売にあたるか

どう始まったか契約した場所訪問販売か
自宅に業者が来た自宅
路上で呼び止められて店に行った店舗◎(キャッチセールス)
販売目的を告げられずに呼び出された店舗◎(アポイントメントセールス)
「あなたは特別に選ばれました」と呼び出された店舗◎(アポイントメントセールス)
自分で店を探して行った店舗

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」の記載から整理。個別の事案が該当するかどうかの判断は、消費生活センターにご確認ください。

訪問販売にあたる形

消費者庁は、展示販売についても書いています。

そのほか、喫茶店や路上での販売、またホテルや公民館を一時的に借りるなどして行われる展示販売のうち、期間、施設等からみて、店舗に類似するものとは認められないものも訪問販売に該当します。

公民館やホテルでの「展示会」「説明会」は、訪問販売になりえます。「会場で契約したから」は理由になりません。

適用除外(法第26条)

特定商取引法が適用されない場合が列挙されています。原文から主なものを引きます。

訪問販売の規定が適用されない場合(法第26条・主なもの)

場合備考
営業のため、又は営業として締結するもの事業者としての契約は対象外
海外にいる人に対する販売又は役務の提供
国、地方公共団体が行う販売又は役務の提供
特別法に基づく組合、公務員の職員団体、労働組合がそれぞれの組合員に対して行うもの
事業者がその従業員に対して行う販売又は役務の提供
株式会社以外が発行する新聞紙の販売
他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるもの例:金融商品取引業者が行う販売

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。1つ目の「営業のため」は、店舗や事務所の工事を頼んだ場合に問題になります。

いちばん効くのは1つ目です。自宅兼店舗の工事、個人事業主としての契約は「営業のため」に当たると判断される可能性があります。迷ったら消費生活センターに確認してください。

3000円未満は対象外

クーリング・オフの説明の中に、金額の線が引かれています。

現金取引の場合であって代金又は対価の総額が3000円未満の場合には、クーリング・オフの規定が適用されませんので注意してください。

条件は2つ重なっています。「現金取引」であること、かつ「総額3000円未満」であること。クレジットや後払いなら、金額にかかわらずこの除外にはあたりません。

もうひとつ、消耗品の除外があります。

使うと商品価値がほとんどなくなる、いわゆる消耗品(いわゆる健康食品、化粧品等)を使ってしまった場合

「使ってしまった場合」です。開封していない分については扱いが変わることがあります。

事業者に課されている3つのこと

訪問販売で事業者がしなければならないこと

条文内容
氏名等の明示法第3条勧誘に先立って、事業者の氏名(名称)/勧誘目的であること/商品(権利・役務)の種類を告げる
再勧誘の禁止等法第3条の2契約締結の意思がないことを示した相手に、その場で勧誘を続けることも、後で改めて勧誘することも禁止
書面の交付法第4条・第5条申込みを受けたとき/契約を締結したときに、法定の事項を記載した書面を渡す

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。書面の交付日がクーリング・オフの起算日になります。工事が始まっていても取り消せる

「勧誘に先立って」が2回出てきます。点検が終わってから会社名を名乗る、話が進んでから「実は工事の話で」と言う——この順序が守られていなければ、法第3条の話になります。

家の点検を自分から頼むなら、何をする会社かを先に確かめる

ハチの巣の駆除など、自分から依頼する場合は、作業内容と料金を事前に確認できます。

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「訪問購入」とは別の制度

紛らわしいので整理します。自宅に来た業者と契約する場面は同じでも、買うのか売るのかで法律の条文が変わります。

訪問販売と訪問購入

何をするか条文
訪問販売業者から買う(工事を頼む)特定商取引法 第2章(第2条〜第10条)
訪問購入業者に売る(貴金属・着物など)特定商取引法 第5章の2(第58条の4〜第58条の17)

クーリング・オフはどちらにもありますが、期間の起算や清算のルールが別の条文で定められています。売る側の話は 買取と訪問購入の法令ガイド にまとめています。

確認の順序

契約してしまったと気づいたら

家に来ていなくても訪問販売になる点検商法の実態工事が始まっていても取り消せる8日を過ぎたあと断り方と記録窓口は2つある

確認に使った一次情報

よくある疑問

お店で契約したのでクーリング・オフはできないと言われました。

消費者庁は「営業所等で締結された契約であっても、『訪問販売』に該当する場合があります」と明記しています。どうやってその店に行くことになったかを、消費生活センターに伝えてください。

公民館の説明会で契約しました。

消費者庁は「ホテルや公民館を一時的に借りるなどして行われる展示販売のうち、期間、施設等からみて、店舗に類似するものとは認められないもの」も訪問販売に該当すると書いています。

自宅兼事務所の工事です。

法第26条の「営業のため、又は営業として締結するもの」に当たる可能性があります。個別の判断は消費生活センターにご確認ください。

契約書をもらっていません。

書面の交付は法第4条・第5条で事業者に義務づけられています。交付されていない場合、クーリング・オフの期間の考え方が変わることがあります。その事実を相談時に必ず伝えてください。

3000円未満なら何もできませんか。

クーリング・オフの規定が適用されないだけで、不実告知による取消し(法第9条の3)などは別の話です。8日を過ぎたあと

電話で勧誘されて契約しました。

電話での勧誘は「電話勧誘販売」という別の類型で規制されています。こちらにもクーリング・オフがあります。消費生活センターに相談してください。

訪問販売と点検商法の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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