工事が終わっていても、払わなくてよい
「もう工事を始めたから解約できない」と言われた。消費者庁はこう書いています——役務が既に提供されている場合でも、その対価を支払う必要はありません。さらに建物が変えられていれば、無償で元に戻してもらえる。原文で確かめます。
期間は書面を受け取った日から8日
消費者庁の記載を原文で引きます。
訪問販売の際、消費者が契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。
「書面又は電磁的記録により」——電子メールやウェブフォームでもできます。2022年の法改正で電磁的記録による方法が加わりました。
起算日は「法律で決められた書面」
数え始めるのは契約した日ではなく、書面を受け取った日です。しかも「法律で決められた書面」です。
法第4条・第5条が定める記載事項は多く、そのどれかが欠けている書面は「法律で決められた書面」にあたらないと判断されることがあります。
書面に記載されなければならない事項(法第4条・第5条・主なもの)
| 事項 | |
|---|---|
| 1 | 商品(権利、役務)の種類 |
| 2 | 販売価格(役務の対価) |
| 3 | 代金(対価)の支払時期、方法 |
| 4 | 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期) |
| 5 | 契約の申込みの撤回(契約の解除)に関する事項 |
| 6 | 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人にあっては代表者の氏名 |
| 7 | 契約の申込み又は締結を担当した者の氏名 |
| 8 | 契約の申込み又は締結の年月日 |
| 9 | 商品名及び商品の商標又は製造業者名 |
| 10 | 商品の型式/商品の数量 |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。書面を受け取っていない、記載が欠けている場合は、その事実を消費生活センターに伝えてください。
書面をもらっていないなら、8日はまだ始まっていない可能性があります。「もう1か月経ったから」と諦める前に確認してください。
清算のルール
ここが、業者の説明といちばん食い違うところです。原文を引きます。
クーリング・オフを行った場合、消費者は、既に商品又は権利を受け取っている場合には、販売業者の負担によって、その商品を引き取ってもらうことや、権利を返還することができます。また、商品が使用されている場合や、役務が既に提供されている場合でも、その対価を支払う必要はありません。また、消費者は、損害賠償や違約金を支払う必要はなく、既に頭金等の対価を支払っている場合には、速やかにその金額を返してもらう
クーリング・オフしたときの清算
| 状況 | 消費者の負担 |
|---|---|
| 商品を受け取っている | 販売業者の負担で引き取ってもらえる(送料を払う必要がない) |
| 商品を使ってしまった | 対価を支払う必要はない |
| 工事が終わっている | 対価を支払う必要はない |
| 頭金を払っている | 速やかに返してもらえる |
| 違約金を請求された | 支払う必要はない |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。個別の事案でどう扱われるかは、消費生活センターにご確認ください。
無償で元に戻してもらえる
リフォーム工事で決定的に効くのが、この一文です。
土地又は建物その他の工作物の現状が変更されている場合には、無償で元に戻してもらうことができます。
屋根を剥がされた、外壁を塗られた、床下に何かを入れられた——それらは「工作物の現状の変更」にあたります。元に戻す費用を消費者が払う必要はない、と書かれています。
これは業者が「もう工事したから戻せない」と言う場面で、そのまま反論の根拠になります。ただし現実に元に戻せるかどうかは工事の内容によります。まず消費生活センターに相談し、その指示に従ってください。
訪問販売で高額な設備を勧められたとき、選択肢を先に知っておく
停電への備えは、据置きの設備でなくても取れる手段があります。容量と価格を自分で比べられます。
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- u
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- s
- h
- i
8日を過ぎても使える場合がある
消費者庁は、期間の経過後についても書いています。
なお、事業者が、クーリング・オフに関する事項につき事実と違うことを告げたり、威迫したりすることによって、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合には、上記期間を経過していても、消費者はクーリング・オフをすることができます
8日を過ぎても、なお使える場合
| 何があったか | 扱い |
|---|---|
| 「この工事はクーリング・オフできません」と言われた(事実と違う) | 期間を経過してもクーリング・オフできる |
| 威迫されて困惑し、言い出せなかった | 同上 |
| 法定の書面を受け取っていない | そもそも起算日が来ていない可能性 |
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」。これらに当たるかどうかの判断は消費生活センターが行います。言われた言葉と日付を記録して相談してください。
適用されない2つの場合
ただし、使うと商品価値がほとんどなくなる、いわゆる消耗品(いわゆる健康食品、化粧品等)を使ってしまった場合や、現金取引の場合であって代金又は対価の総額が3000円未満の場合には、クーリング・オフの規定が適用されませんので注意してください。
2つとも条件が重なっています。
適用されない場合の条件
| 条件 | |
|---|---|
| 消耗品 | 「使ってしまった場合」。使っていない分は扱いが変わることがある |
| 少額 | 「現金取引」かつ「総額3000円未満」。クレジットや後払いはこれにあたらない |
リフォーム工事はどちらにも当たりません。
出し方
消費者庁は、証拠の残し方について書いています。
クーリング・オフを行う際には、後々のトラブルを避けるためにも、書面の場合には特定記録郵便、書留、内容証明郵便等で行うことが薦められます。また、電磁的記録の場合には、例えば、電子メールであれば送信したメールを保存しておくこと、ウェブサイトのクーリング・オフ専用フォーム等であれば画面のスクリーンショットを残しておくことなど、証拠を保存しておくことが望ましいと考えられます。
出すまでの順序
- 契約書面の日付を確認する受け取った日を1日目として8日。書面が無ければその事実を記録。
- 消費生活センターに相談する出す前に相談できます。書き方も案内してもらえます。
- 書面か電磁的記録で出す書面なら特定記録郵便・書留・内容証明郵便。メールなら送信済みメールを保存。
- 証拠を残す郵便なら控えと受領の記録。フォームなら画面のスクリーンショット。
- クレジット契約があれば信販会社にも出す販売会社と信販会社の両方に必要になることがあります。センターで確認してください。
確認の順序
クーリング・オフを考えるとき
- 法定の書面を受け取った日を確認する
- 受け取っていない/記載が欠けているなら、その事実を記録する
- 8日を過ぎていても、事実と違うことを告げられていないかを思い出す
- 工事が始まっていても対価を払う必要はないと知っておく
- 建物が変えられていれば無償で元に戻してもらえる
- 出す前に消費者ホットライン188に相談する
- 出したら証拠を保存する
→ 家に来ていなくても訪問販売になる/点検商法の実態/工事が始まっていても取り消せる/8日を過ぎたあと/断り方と記録/窓口は2つある
確認に使った一次情報
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 訪問販売」https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
- 独立行政法人国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-」(2023年10月11日公表)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html
- 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいるダイヤル」https://www.chord.or.jp/
よくある疑問
業者に「工事したから解約できない」と言われました。
撤去費用を請求されました。
メールでクーリング・オフしてよいですか。
8日目が土日祝日です。
頭金を払ってしまいました。
クレジットで契約しました。
8日を過ぎてしまいました。
訪問販売と点検商法の法令ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
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