本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する法令・統計の記載は、消費者庁・独立行政法人国民生活センター・公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの公表内容にもとづきます。

「近所で工事している」から、始まる

突然訪ねてきて、屋根を見て、写真を見せる。国民生活センターによれば、屋根工事の点検商法の相談は2018年度の約3倍になりました。そして契約した人の8割超が60歳以上です。公表されている数字と勧誘トークを、そのまま並べます。

本ページは特定商取引法の訪問販売に関する一般的な整理です。個別の契約がクーリング・オフや解除の対象になるかどうかは、契約の形態と事実関係によります。困っている場合は消費者ホットライン188(消費生活センター)にご相談ください。
このページの内容
  1. 国民生活センターが示した手口
  2. 相談件数は5年で約3倍
  3. 契約者の8割超が60歳以上
  4. 公表された相談事例
  5. 勧誘トークの4分類
  6. 「保険金で直せる」トーク
  7. 国民生活センターのアドバイス
  8. 離れて暮らす家族ができること
  9. 確認の順序
  10. 確認に使った一次情報
  11. よくある疑問

国民生活センターが示した手口

2023年10月11日に公表された注意喚起から、手口の説明を原文で引きます。

点検商法とは、「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と言って点検した後、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約をする手口です。

3段階になっています。

手口の3段階

段階何が起きるかこの時点でできること
1. 訪問「近所で行う工事の挨拶に来た」点検させない。法第3条により、勧誘目的を先に告げる義務がある
2. 点検「屋根瓦がずれているため点検してあげる」屋根に上がられると、こちらは何が起きたか確認できない
3. 不安をあおる「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」その場で契約しない。持ち帰って別の業者にも見てもらう

出典:国民生活センター(2023年10月11日公表)の手口の説明から整理。

いちばん止めやすいのは1段階目です。国民生活センターのアドバイスも「突然訪問してきた業者には安易に点検させないようにしましょう」から始まります。

相談件数は5年で約3倍

屋根工事の点検商法に関する相談件数(PIO-NET)

年度相談件数点検商法全体に占める割合
2018年度923件16.2%
2019年度1,157件20.1%
2020年度1,824件26.0%
2021年度2,352件31.6%
2022年度2,885件35.4%

出典:国民生活センター(2023年10月11日公表)。2018年度の約3倍。消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。

点検商法全体に占める屋根工事の割合も、16.2%から35.4%に上がっています。点検商法そのものが増えているうえに、その中で屋根が占める割合も増えている。

契約者の8割超が60歳以上

国民生活センターの記載です。

契約当事者の8割超が60歳以上で、特に高齢者に注意してほしいトラブルです。悪質な業者は巧妙なトークで消費者に近づき、本来消費者が望んでいない高額の屋根工事を契約させています。

この数字は、対策の向きを決めます。本人が調べて気をつける、では届きにくい。離れて暮らす家族が先に知っておく必要がある、ということです。離れて暮らす家族ができること

公表された相談事例

国民生活センターが公表した相談事例(原文)

事例
事例1「屋根瓦がずれているのが見えた」と来訪した業者との契約をクーリング・オフしたい。
事例2実家の父がずれた瓦の写真を見せられ修理工事の契約をしたがキャンセルできるか。
事例3屋根や外壁、床下等の修繕を次々と勧誘され契約した。
事例4「近所で工事している」と言うので点検を依頼したが、近所の工事はうそだった。
事例5ドローンで撮影したという写真を見せられ契約したが解約したい。

出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)。

事例4に注目してください。「近所で工事している」と言われて点検を依頼した——つまり自分から頼んだ形になっています。それでも、きっかけは向こうからの訪問です。

事例5のドローン撮影も、写真という「証拠」が出てくるので判断が難しくなります。その写真が自分の家のものかどうかを、その場で確かめる手段はありません。

勧誘トークの4分類

国民生活センターは、相談事例から勧誘トークを4つに分けています。見出しをそのまま引きます。

相談事例からみる勧誘トーク(国民生活センターの分類)

分類どの段階で出るか
訪問・点検のきっかけとなるトーク1段階目。「近所で工事の挨拶に」など
消費者の不安をあおるトーク3段階目。「ご近所に迷惑がかかる」など
消費者の負担が軽くなると思わせるトーク保険金・補助金・値引きの話
次々に違う工事やサービスを勧誘するトーク事例3。屋根の次に外壁、床下

出典:国民生活センター(2023年10月11日公表)の見出しから整理。個々のトーク内容は同センターの報告書本文に掲載されています。

4つ目は「次々販売」です。ここは特定商取引法の過量販売(法第9条の2)が関わります。契約から1年間、解除できる場合があります。8日を過ぎたあと

「保険金で直せる」トーク

国民生活センターは、アドバイスの中でこれを名指ししています。

保険金を利用できるというトークには気をつけましょう。

これが3つ目の分類「消費者の負担が軽くなると思わせるトーク」にあたります。「火災保険が使えるので実質無料」という話です。

保険金が支払われるかどうかを決めるのは保険会社であって、工事業者ではありません。支払われなかった場合に工事代金だけが残る、という形になりえます。契約書に「保険金が下りなかった場合」の記載があるかを確かめてください。

「ハチの巣がある」と言われたときも、同じ形になる

点検商法は屋根に限りません。自分から頼む場合は、作業内容と料金を事前に確認できます。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

国民生活センターのアドバイス

公表資料の「消費者へのアドバイス」を原文で引きます。

消費者へのアドバイス(国民生活センター)

4つ目に「等」が付いていることに注意してください。クーリング・オフの8日を過ぎていても、過量販売の解除(1年)や取消権が使える場合があります。8日を過ぎたあと

離れて暮らす家族ができること

契約者の8割超が60歳以上、という数字から逆算します。本人が調べる前に、家族が知っておくほうが早い。

家族が先にやっておけること

  1. 「点検させない」を1つだけ決めておく細かい知識より「突然来た人を屋根に上げない」の1つを共有するほうが残ります。
  2. 契約書が来たらすぐ見せてもらう約束をするクーリング・オフは書面を受け取った日から8日。気づくのが遅れると選択肢が減ります。
  3. 消費者ホットライン188を電話に登録しておく3桁の全国共通番号です。最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。
  4. 工事の相談先を先に決めておく住まいるダイヤル(国土交通大臣指定)という窓口もあります。→ 窓口は2つある
  5. 「近所で工事」と言われたら電話する、と伝えておくその場で判断させないことが目的です。

確認の順序

点検商法かもしれないと思ったら

家に来ていなくても訪問販売になる点検商法の実態工事が始まっていても取り消せる8日を過ぎたあと断り方と記録窓口は2つある

確認に使った一次情報

よくある疑問

もう工事が始まってしまいました。

消費者庁は、クーリング・オフをした場合「土地又は建物その他の工作物の現状が変更されている場合には、無償で元に戻してもらうことができます」と明記しています。→ 工事が始まっていても取り消せる

親が契約していました。本人以外が手続きできますか。

契約者本人の意思が必要になります。まず消費者ホットライン188に、家族から相談することはできます。

ドローンの写真を見せられました。

国民生活センターの相談事例5がこの形です。その写真が自宅のものであることを、その場で確認する手段はありません。持ち帰って別の業者にも見てもらってください。

点検を自分から依頼してしまいました。

相談事例4がこの形です。きっかけが業者の訪問であれば、訪問販売にあたる可能性があります。経緯を消費生活センターに伝えてください。

本当に屋根が傷んでいるかもしれません。

その可能性はあります。だからこそ、その業者以外にも見てもらってください。国民生活センターも「すぐに契約せず、十分に検討したうえで」と書いています。

屋根以外でも同じことが起きますか。

国民生活センターの数字では、屋根工事は点検商法全体の35.4%(2022年度)です。残りの6割超は屋根以外——外壁、床下、給湯器、分電盤などです。

訪問販売と点検商法の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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