本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する法令・基準の記載は、経済産業省・国土交通省・総務省消防庁・消費者庁・NITE・一般社団法人JBRC の公表資料にもとづきます。

PSEマークは、第三者が検査した証ではない

モバイルバッテリーには丸形のPSEマークが付いています。多くの人が「国か検査機関が調べて合格した印」だと受け取ります。ところが経済産業省のFAQを読むと、技術基準への適合確認は事業者が自分で行うのが原則と書かれています。さらに、交流100Vを出力するポータブル電源は、そもそもこの規制の対象ではありません。ここを取り違えると、選び方も捨て方も間違えます。

本ページは法令と公表資料の一般的な整理です。個々の製品がどの区分に当たるかは、その製品の仕様によって変わります。航空会社の取扱いは各社の規定によります。消防法にもとづく届出の要否は、お住まいの市区町村の火災予防条例によって異なります。実際の判断は、製造・輸入事業者、利用する航空会社、管轄の消防署にご確認ください。
このページの内容
  1. 何が規制の対象か
  2. 交流を出せるポータブル電源は対象外
  3. 「PSEマーク=第三者検査」ではない
  4. 事業者に課されている義務
  5. 丸形と菱形
  6. どこに、何が表示されているか
  7. レンタル・ノベルティの扱い
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

何が規制の対象か

経済産業省のFAQは、対象になる範囲をエネルギー密度で線引きしています。

内蔵する単電池1個当たりの体積エネルギー密度が、400Wh/L(ワット時毎リットル)以上のものが対象となる。

そのうえで、「これは対象か」という具体的な質問に一つずつ答えています。並べると、判断の軸が「主たる機能が外部機器への給電かどうか」だと分かります。

経済産業省のFAQが示している、対象・非対象

もの扱い理由(FAQの答えの要旨)
モバイルバッテリー対象主たる機能が外付け電源
リチウムポリマー電池を使ったもの対象リチウムイオン蓄電池として従来から扱っている
LED照明やカイロの機能が付いたもの対象付加的な機能があっても主たる機能は給電
電子タバコ・ワイヤレスイヤホンの充電ケース対象主たる機能が外部機器への給電
交流100Vを出せるポータブル電源非対象「蓄電池に該当しない」
UPS(無停電電源装置)非対象単純な電源供給以外の機能が重要
モバイルバッテリー機能付きWi-Fiルーター非対象主たる機能はWi-Fiルーター
スマートフォン・タブレット・ノートPC非対象主たる機能は給電ではない
ジャンプスターター場合による保護装置が本体側なら非対象、クリップコード側なら対象

出典:経済産業省「モバイルバッテリーに関するFAQ」。個々の製品がどれに当たるかは仕様によります。製造・輸入事業者に確認してください。

交流を出せるポータブル電源は対象外

いちばん誤解されているのがここです。FAQの答えを、そのまま引きます。

蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象。

つまり、コンセント(交流100V)が付いた防災用・車中泊用のポータブル電源は、モバイルバッテリーとしての丸形PSEの対象ではありません。

これは「安全でない」という意味ではありません。別の規制がかかることも、何もかからないこともある、という意味です。製品によっては直流電源装置として菱形のPSEが付いていることもあります。

だから商品ページに「PSE取得済み」と書かれていても、それが何としてのPSEなのかは書かれていないことがほとんどです。気になる場合は、事業者に「何の電気用品として届け出ていますか」と聞いてください。

「PSEマーク=第三者検査」ではない

もう一つの誤解が、検査の主体です。FAQにはこう書かれています。

モバイルバッテリーは電気用品安全法上「特定電気用品以外の電気用品」として扱われるため、法9条に基づく登録検査機関による検査は義務付けられていない。 なお、法8条1項に基づく技術基準適合確認は、事業者自ら行うことが原則であるが、第三者の検査機関(法9条の登録の有無は問わない)に依頼することも可。

登録検査機関の検査は、義務ではありません。事業者が自分で適合を確認し、自分でマークを付けるのが原則の形です。

特定電気用品と、それ以外

特定電気用品(菱形)それ以外の電気用品(丸形)
登録検査機関の検査義務義務ではない
適合確認の主体登録検査機関事業者自身が原則
マークの形菱形丸形
モバイルバッテリーこちら

丸形のPSEマークが付いていることは、「事業者が届出をして、自ら適合を確認した」という表明にあたります。

これを知っておくと、選ぶときの見方が変わります。マークの有無は最低条件であって、それだけで安全が保証されるわけではありません。第三者機関の試験を受けているかどうかは、事業者が自分で公表している場合にだけ分かります。

事業者に課されている義務

FAQは、製造・輸入事業者の義務を次のように整理しています。

モバイルバッテリーの製造・輸入事業を行う者が電気用品安全法第3条の届出義務を負う。また、電気用品安全法第8条に基づき、技術基準への適合性を確認することや、外観及び出力電圧について全数検査を行って検査記録を作成し、検査の日から3年間保存することが義務付けられる。

さらに、電気用品安全法第27条に基づき、PSEマークの表示及び届出事業者名の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。

「外観及び出力電圧について全数検査」という部分が実務では重要です。抜き取りではなく、1個ずつ見ることが求められています。

そして販売の側にも制限があります。マークと事業者名が無いものは、売ることも、売るために並べることもできません。個人が自分で使う分には規制されませんが、フリマアプリなどで反復して売る形は「販売の事業」に当たりうるため、注意が要ります。

いつからかも明示されています。

平成30年2月1日以降、製造、輸入又は販売の事業を行う者は、PSEマーク表示の無いモバイルバッテリーを販売することはできない(流通在庫を含む)。

丸形と菱形

マークの見え方で分かること

マークの形は、「何として届け出られたか」を示すものであって、品質の等級ではありません。

丸形のPSEマークだけが付いている

モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)として届け出られています。登録検査機関の検査は義務ではありません。

菱形と丸形の両方が付いている

FAQは、直流電源装置とモバイルバッテリーが複合した製品について「『直流電源装置』として菱形のPSEマークに加え、『リチウムイオン蓄電池』として丸形のPSEマークも表示する必要がある」としています。充電しながら給電できるタイプに多い形です。

菱形だけが付いている

その製品は特定電気用品として届け出られている部分があるということです。何としての届出かは事業者に確認してください。

どちらも付いていない

モバイルバッテリーとして対象なら、販売できないものです。交流を出力するポータブル電源であれば、モバイルバッテリーとしての対象外なので、付いていないこと自体はありえます。

どこに、何が表示されているか

FAQは、表示の場所と内容についても答えています。

PSEマークはモバイルバッテリーの外側に付すことになる。

パッケージへの表示で代えられるのは、「バッテリーが小さくて表示が困難である場合」に限られるとされています。だから通常は本体に付いています。

本体を見て確認できること

最後の1行は覚えておくと役に立ちます。FAQは、内蔵電池が3.7Vで出力が5Vの場合、表示すべき電圧は5Vとしています。本体に3.7Vとだけ書かれているものは、表示の作り方を確かめたほうがよいということです。

レンタル・ノベルティの扱い

街中のモバイルバッテリーのレンタルや、キャンペーンの景品でもらったものについても、FAQに答えがあります。

レンタル業者に賃料を支払い、レンタル業者が有する電気用品を使用させるレンタル事業又は利用者が希望する電気用品をリース業者が購入した上で利用者に貸し付けるリース事業(所有権の移転を伴わないものに限る。)は、いずれも民法601条の規定に基づく賃貸借契約の一種である。すなわち、これらの事業者は、消費者に電気用品を販売していないので、PSEマークを表示する必要はない

ただし続きがあります。その電気用品を自分で製造・輸入せず国内で調達する場合は、PSEマークが表示されたものでなければならないとされています。ノベルティについても同じ構造の答えが書かれています。

つまり、「レンタル品だからマークが無くてよい」のは、事業者が自分で作った・輸入した場合に限られるということです。

確認の順序

買う前・使う前に見る順序

PSEマークは何を保証しているか使い終わった電池の捨て方飛行機に持ち込めるワット時定格量蓄電池と消防法の届出発火はどこで起きているか買う前に見る5つの数字

容量と出力の表示を、実物で確かめる

容量(Wh)、出力の種類、定格の表示は公式サイトで確認できます。用途に必要な容量から絞り込めます。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

確認に使った一次情報

よくある疑問

PSEマークが無いモバイルバッテリーを持っています。使ってはいけませんか。

電気用品安全法が規制しているのは製造・輸入・販売です。個人が自分で使うことを禁じる規定ではありません。ただし平成30年2月以降に販売できないものなので、安全性の確認が取れていない可能性があります。使い続けるかは、状態と入手経路を踏まえて判断してください。

フリマアプリで売ってもよいですか。

反復・継続して売る形は「販売の事業」に当たりうるため、PSEマークと届出事業者名の表示が求められます。不用品を1回売るのと、繰り返し売るのでは扱いが変わりえます。判断に迷う場合は経済産業省の窓口に確認してください。

海外で買ったものは使えますか。

個人が自分で使う目的で持ち込むこと自体を禁じる規定ではありませんが、日本の技術基準への適合は確認されていません。飛行機での輸送のルールは別にかかります。

PSEマークが本物かどうか確かめられますか。

マークの近くにある届出事業者名を手がかりに、その事業者が届出をしているかを確認する方法があります。経済産業省の窓口に問い合わせてください。

ポータブル電源にPSEマークが無いのは違法ですか。

交流を出力するポータブル電源は、モバイルバッテリー(リチウムイオン蓄電池)としての対象外です。付いていないこと自体が直ちに違法とは言えません。ただし内部に直流電源装置などの対象部分があれば、その表示が必要になります。

事故を起こした製品を調べられますか。

FAQは、NITE(製品評価技術基盤機構)が事故の概要を公開しており、原因が製品起因である場合は事業者名と型式が公表されていると案内しています。

リチウムイオン電池の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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