本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する法令・基準の記載は、経済産業省・国土交通省・総務省消防庁・消費者庁・NITE・一般社団法人JBRC の公表資料にもとづきます。

数字の意味が分かると、比べる相手が変わる

ポータブル電源のカタログには、容量・出力・波形・サイクル数といった数字が並びます。どれが自分に関係する数字なのかが分からないと、値段でしか比べられません。ここまで見てきた法令の区分と合わせて、実際に見るべき5つを整理します。

本ページは法令と公表資料の一般的な整理です。個々の製品がどの区分に当たるかは、その製品の仕様によって変わります。航空会社の取扱いは各社の規定によります。消防法にもとづく届出の要否は、お住まいの市区町村の火災予防条例によって異なります。実際の判断は、製造・輸入事業者、利用する航空会社、管轄の消防署にご確認ください。
このページの内容
  1. 見るべき5つの数字
  2. 1. 容量(Wh)
  3. 2. 出力(W)と波形
  4. 3. 規格と表示
  5. 4. 重さと持ち運び
  6. 5. サイクル数と保証
  7. 法令の区分と合わせて見る
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

見るべき5つの数字

カタログのどこを見るか

見るもの単位これで決まること
容量Wh(ワット時)何をどれだけ動かせるか。飛行機に持ち込めるかも
出力W(ワット)動かせる機器の種類。定格と瞬間最大は別
波形正弦波/矩形波精密機器・モーター製品が使えるか
重さkg誰が運ぶか。持ち出す前提なら最重要
サイクル数何回充放電できるか。寿命の目安

mAh(ミリアンペア時)だけで比べないでください。電圧が違うと、同じmAhでも実際に使えるエネルギーが違います。

1. 容量(Wh)

容量はWh(ワット時)で見ます。Wh=定格電圧(V)×容量(Ah)です。mAh表示しかない場合は換算します。

容量の目安の考え方

やりたいこと考え方
スマートフォンを充電する端末の電池容量(Wh)× 回数 ÷ 変換ロス
ノートパソコンを使う本体の消費電力(W)× 使いたい時間(h)
扇風機を一晩回す消費電力(W)× 時間(h)
冷蔵庫を動かす定格だけでなく起動時の突入電流も見る

カタログの容量がそのまま使えるわけではありません。変換のロスがあるため、実際に取り出せる量は表示より小さくなります。

そして160Whが1つの分かれ目です。国土交通省の資料は、機内持込みについて「機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで」としています。飛行機で運ぶ可能性があるなら、この線を超えるかどうかが選択を決めます。詳しくは飛行機に持ち込めるワット時定格量に整理しました。

2. 出力(W)と波形

容量が足りていても、出力が足りないと動きません。ここが分かれます。

見るのは2つ。定格出力(continuous、continuously と書かれることも)と、瞬間最大出力(surge、peak)です。モーターやコンプレッサーを使う機器は、動き始めに定格の何倍もの電力を必要とします。

波形も確かめてください。正弦波(純正弦波)矩形波(修正正弦波)があり、精密機器やモーター製品は正弦波でないと正常に動かない、または故障することがあります。

出力で失敗するところ

定格出力だけ見て買う

起動時に落ちます。動かしたい機器の起動電力を調べてください。

波形を見ていない

医療機器、オーディオ、モーター製品は正弦波が要ることがあります。取扱説明書に指定があるか確認してください。

同時に何台つなぐか考えていない

合計が定格を超えると止まります。使う場面を具体的に想定してください。

USB出力の規格を見ていない

急速充電に対応しているか、PD対応かで充電時間が変わります。

3. 規格と表示

ここで、法令の区分が効いてきます。経済産業省のFAQは、交流100Vを出力するポータブル電源について次のように整理しています。

蓄電池の出力は原理上直流に限られており、交流が出力できるポータブル電源は蓄電池に該当しないため、モバイルバッテリーとして扱わず、非対象。

つまりコンセントの付いたポータブル電源には、モバイルバッテリーとしての丸形PSEが付いていないことがあります。これは異常ではありません。詳しくはPSEマークは何を保証しているかにまとめました。

そのうえで、表示として確認できることがあります。

実物とパッケージで確認できること

4. 重さと持ち運び

容量が大きいほど重くなります。誰が運ぶかで、選べる上限が決まります。

防災用として家に置くだけなら重さは問題になりません。ところが「いざというとき持って避難する」前提なら、話がまったく変わります。大容量のものは10kgを超えることがあり、高齢の家族が運べる重さではありません。

使う場面で変わる選び方

設置して常用する場合の法令上の線は蓄電池と消防法の届出にまとめました。

家に置いて停電に備える

重さより容量を優先できます。ただし置き場所は高温にならない場所にしてください。

避難時に持ち出す

運ぶ人の体力が上限を決めます。中容量のものを2台に分ける考え方もあります。

車中泊・キャンプで使う

車に積める大きさか、車内の温度対策ができるかを見てください。

仕事の現場で使う

使う工具の起動電力と、1日に必要な総量から逆算します。事業所に常設するなら容量によって消防への確認が要ります。

5. サイクル数と保証

サイクル数は「充放電を何回繰り返せるか」の目安です。数字の横に「容量の◯%を維持」という条件が付いていることが多いので、条件まで読んでください。

保証は年数だけでなく、「どこに連絡するか」が実務では重要です。NITEは事故が製品起因の場合に事業者名と型式を公表しています。逆に言えば、事業者がはっきりしない製品は、何かあったときの連絡先も、リコールの通知先もありません。

そして捨てるときにも効きます。JBRCの回収は「JBRC会員企業製であること (会員企業外品やメーカー不明品は回収対象外)」を条件にしています。メーカーがはっきりしていることは、買うときだけでなく捨てるときの条件でもあります。

法令の区分と合わせて見る

このサイトで扱った4つの区分と、選ぶときの関係

法令関係する数字選ぶときに効くこと
電気用品安全法400Wh/L(対象の線)丸形PSEの有無。交流出力があれば対象外
航空法・危険物160Wh飛行機で運べるか。2個まで
火災予防条例10kWh/20kWh常設するとき、届出が要るか
資源有効利用促進法捨てるとき、JBRCの回収対象か

買う前にこの4つを通しで見ると、あとで困りません。とくに「運ぶ」「常設する」「捨てる」の3つは、買ってから変えられません。

確認の順序

買う前の順序

PSEマークは何を保証しているか使い終わった電池の捨て方飛行機に持ち込めるワット時定格量蓄電池と消防法の届出発火はどこで起きているか買う前に見る5つの数字

容量と出力から、用途に合うものを絞り込む

容量別のラインナップ、定格出力、波形、重さの仕様は公式サイトで確認できます。用途が決まっていれば絞り込めます。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

確認に使った一次情報

よくある疑問

mAhとWhはどちらで比べるべきですか。

Whです。mAhは電圧が違うと比較になりません。Wh=定格電圧(V)×容量(Ah)で換算できます。

容量が大きいほうが得ですか。

重さと価格が上がり、飛行機で運べなくなります。用途から必要量を出して、そこから選んでください。

正弦波と矩形波の違いが分かりません。

動かしたい機器の取扱説明書に指定があるかを見てください。精密機器やモーター製品は正弦波が要ることがあります。指定が無ければ正弦波を選んでおくと確実です。

PSEマークが付いていないポータブル電源は避けるべきですか。

交流を出力するものはモバイルバッテリーとしての対象外なので、丸形PSEが無いこと自体は異常ではありません。事業者名と問い合わせ先がはっきりしているかを見てください。

安いものと高いものの違いはどこに出ますか。

セルの品質、保護回路、サイクル数、保証と問い合わせ体制です。カタログの容量が同じでも、これらは同じではありません。

防災用に買うなら何を優先しますか。

動かしたいもの(照明・スマートフォン・小型家電)から必要量を出し、置き場所が高温にならないことと、運ぶ人が運べる重さであることを優先してください。

リチウムイオン電池の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

関連する情報サイト