本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する法令・基準の記載は、経済産業省・国土交通省・総務省消防庁・消費者庁・NITE・一般社団法人JBRC の公表資料にもとづきます。

事故の多くは、充電中に起きている

リチウムイオン電池の火災は「安い製品だから」「使い方が乱暴だから」と語られがちです。ところが公表されている数字を見ると、起きている場所と時間帯にはっきりした偏りがあります。NITE(製品評価技術基盤機構)と消費者庁の資料から、事実だけを並べます。

本ページは法令と公表資料の一般的な整理です。個々の製品がどの区分に当たるかは、その製品の仕様によって変わります。航空会社の取扱いは各社の規定によります。消防法にもとづく届出の要否は、お住まいの市区町村の火災予防条例によって異なります。実際の判断は、製造・輸入事業者、利用する航空会社、管轄の消防署にご確認ください。
このページの内容
  1. 何件起きているか
  2. 8月にピークが来る
  3. どの製品で起きているか
  4. 充電中の割合
  5. NITEが示す3つのC
  6. 消費者庁のアドバイス7項目
  7. ごみ収集車と処理施設での発火
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

何件起きているか

NITEは2026年7月に出した注意喚起で、件数を示しています。

2021年から2025年までの5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報では、「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は2140件あり

製品別ではモバイルバッテリーが最多とされています。5年で2140件は、単純に割ると年400件を超える数字です。

8月にピークが来る

事故発生件数は春から夏にかけて気温の上昇とともに増加する傾向を示しており、8月にピークを迎えます。

この一文が、対策の方向を決めます。温度が引き金になっているということです。

夏に危ない置き場所

NITEは「高温となる場所では使用・保管しない」としています。夏の車内は、この条件に最も当てはまります。

車の中

ダッシュボードの上、直射日光の当たる座席。短時間でも車内は非常に高温になります。夏場は車に置いたまま離れないでください。

窓際・カーテンの内側

日中に日が入る場所は、想像以上に温度が上がります。充電中に置く場所として最も避けたい場所です。

布団・ソファ・クッションの上

熱がこもります。充電は硬く平らな面の上で行ってください。

暖房器具・調理器具の近く

季節を問わず危険です。キッチンのコンロ近くでの充電は避けてください。

どの製品で起きているか

消費者庁は、身に着ける・持ち歩く製品に絞った注意喚起を出しています。

2020年度から2024年度までの5年間で計162件登録されている

リチウムイオン電池に起因すると考えられるものは5年間で計136件と84.0%を占め、近年増加傾向にあります

ワイヤレスイヤホンは64件、スマートウォッチは46件、携帯用扇風機は26件となっており、いずれも増加傾向が見られます

消費者庁の資料が挙げている製品と件数(5年間)

製品件数備考
ワイヤレスイヤホン64件増加傾向
スマートウォッチ46件増加傾向
携帯用扇風機26件増加傾向

出典:消費者庁「リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう」。モバイルバッテリーだけの問題ではありません。

ここは見落とされます。「バッテリーを気をつければよい」ではなく、電池が入っている身の回りの製品すべてが対象だということです。イヤホンも時計も扇風機も、中身はリチウムイオン電池です。

充電中の割合

消費者庁は、事故が起きたときの状況も数字で示しています。

事故が発生した時に充電中だった件数は、5年間でワイヤレスイヤホンでは37件(75.5%)、スマートウォッチでは9件(20.5%)、携帯用扇風機では16件(84.2%)

ワイヤレスイヤホンで75.5%、携帯用扇風機で84.2%が充電中。圧倒的に充電中です。

だから対策は1つに絞れます。充電しているところが見える状態にする。消費者庁のアドバイスにも「充電は、安全な場所で、なるべく起きている時に行いましょう」とあります。

充電のしかたで見直すところ

寝ている間に枕元で充電する

気づけない時間帯です。起きている間に、目の届く場所で充電してください。

外出中に充電しっぱなしにする

誰もいない家で発火すると、初期消火ができません。

充電したまま布団やソファの上に置く

熱がこもるうえ、燃えるものに囲まれています。

純正でない充電器を使い続ける

電圧・電流が合わない充電は、電池に負荷をかけます。

ケーブルの根元が傷んだまま使う

接触不良は発熱の原因になります。差し込み口がぐらつくものは替えてください。

NITEが示す3つのC

NITEは事故を防ぐ考え方を3つに整理しています。

3つのC

英語中身
賢く選ぶCool Choice購入前に販売事業者の情報とリコール情報を確認する
丁寧に使うCareful use「高温となる場所では使用・保管しない」「強い衝撃や圧力を加えない」
正しく捨てるCorrect disposal with better recycling廃棄方法を確認してから捨てる

出典:NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」。3つ目の「捨てる」まで含めているところが要点です。

3つ目は使い終わった電池の捨て方にまとめました。JBRCの回収には条件があり、膨らんだものは通常の回収ルートに乗りません。

消費者庁のアドバイス7項目

消費者庁は、消費者向けに7つを挙げています。原文のまま並べます。

消費者庁が挙げている7項目

5つ目に注意が要ります。「まず安全を確保し」が先に来ています。消そうとするより先に離れる、人を逃がす、という順序です。そのうえで可能なら大量の水、とされています。少量の水をかけるのは、かえって危険なことがあります。

7つ目は飛行機に持ち込めるワット時定格量にまとめました。2026年4月24日からルールが変わっています。

ごみ収集車と処理施設での発火

NITEは、ごみ収集車や処理施設での発火についても事例を公開しています。捨てたあとに起きる事故です。

これは家庭の中だけの問題ではありません。収集する人、処理施設で働く人が巻き込まれます。全国の自治体が繰り返し注意を出しているのはそのためです。

捨て方の条件はこちらにまとめました。端子を絶縁テープでふさぐ、分解しない、異常があるものは自治体に相談する。この3つを守るだけで、多くが防げます。

確認の順序

いま家でできること

PSEマークは何を保証しているか使い終わった電池の捨て方飛行機に持ち込めるワット時定格量蓄電池と消防法の届出発火はどこで起きているか買う前に見る5つの数字

事業者と型式がはっきりしている製品を選ぶ

販売事業者の情報が明確な製品は、リコールが出たときに情報が届きます。容量別のラインナップと仕様は公式サイトで確認できます。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。効果には個人差があります。広告(PR)を含みます。

確認に使った一次情報

よくある疑問

膨らんでいますが、まだ使えます。使い続けてよいですか。

消費者庁は「異常を感じたら使用を中止しましょう」としています。膨張は内部でガスが発生している状態です。使用と充電をやめてください。

発火したらどうすればよいですか。

消費者庁は「発火した時はまず安全を確保し、できれば大量の水で消火しましょう」としています。安全の確保が先です。人を離し、119番してください。

純正の充電器でないと危険ですか。

電圧・電流が製品の仕様に合っているかが要点です。仕様の合わない充電器は電池に負荷をかけます。

何年くらいで買い替えるべきですか。

使用回数と保管状態によります。膨らみ、発熱、充電がすぐ切れる、といった変化が出たら寿命のサインです。年数だけで判断しないでください。

リコール情報はどこで見られますか。

NITEと消費者庁が公表しています。NITEは事故の原因が製品起因である場合、事業者名と型式を公表しています。

子どもが使う製品でも同じ注意が要りますか。

同じです。ワイヤレスイヤホンや携帯用扇風機は子どもも使います。充電は大人が見える場所で行ってください。

リチウムイオン電池の法令ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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