種類が決まらないと、手続きが始まらない
捕獲許可の申請では「鳥獣の種類」を書きます。だから「何かいる」だけでは進みません。屋根裏に入る動物は限られているので、音の時間帯・フン・侵入口の3つで、かなり絞り込めます。
なぜ先に特定するのか
理由は3つあります。
種類で変わること
| 変わるもの | どう変わるか |
|---|---|
| 捕獲許可の要否 | ネズミは鳥獣保護管理法の対象外。他の哺乳類は原則として許可が必要 |
| 捕獲後の扱い | アライグマ・ヌートリアは特定外来生物で、生きたまま運べない |
| 申請書の記載 | 「鳥獣の種類」を書く必要がある。決まらないと申請できない |
「害獣」と一括りにできないのは、この3つが種類ごとに違うためです。
音の時間帯で分ける
屋根裏の動物は、活動する時間帯がある程度決まっています。いつ音がするかをメモしておくと、それだけで候補が絞れます。
音から絞り込む
| 音の特徴 | 考えられるもの |
|---|---|
| 夜、ドタドタと重い足音 | アライグマ、ハクビシン、タヌキなど体の大きい動物 |
| 夜、カサカサと軽い音が走り回る | ネズミ |
| 日中も音がする | ネズミ、あるいは巣に子がいる状態 |
| 夕方に外へ出て、明け方に戻る規則性 | 夜行性の動物。侵入口を塞ぐ時間帯の判断材料になる |
| 羽ばたきのような音 | コウモリ、鳥 |
体の大きさで足音がはっきり変わります。まず「重いか軽いか」を聞き分けます。
出入りの時間帯が分かると、侵入口を塞ぐタイミングが決まります。中にいるまま塞ぐと、内部で死んで別の被害になります。
フンで分ける
フンは種類を絞る手がかりですが、素手で触らないでください。感染症や寄生虫の risk があります。手袋・マスク・使い捨ての防護具を着けて扱います。
フンを確認するときの装備
- 使い捨て手袋
- マスク(粉じんを吸い込まないもの)
- 長袖・長ズボン、または使い捨ての作業着
- 作業後に手を洗える準備
- 写真を撮る(触らずに記録を残す)
フンの様子から絞り込む
| 様子 | 考えられるもの |
|---|---|
| 同じ場所にまとまって溜まっている | アライグマなど、決まった場所で排泄する習性のある動物 |
| 移動しながら散らばっている | ネズミなど |
| 果実の種が混ざっている | 果実を食べる動物(ハクビシン、アライグマなど) |
| 細かく黒い粒が多数 | コウモリ、ネズミ |
本表は絞り込みの目安です。確定には専門家の確認が要ります。断定はしないでください。
本サイトでは、フンの形状から種類を断定する情報は載せていません。誤った断定は申請の書き直しにつながります。写真を残して、自治体か業者に見てもらうのが確実です。
現地でフンと侵入口を見てもらう
種類の判別は現地の確認によります。対応範囲・費用は各社の公式サイトでご確認ください。
- 費用・対応エリア・保証内容は各社公式サイトでご確認ください
- 作業内容は建物の状況と動物の種類により異なります
- 捕獲の可否と手続きは自治体の判断によります
侵入口の大きさで分ける
動物は頭が通れば体も通ります。だから侵入口の大きさは、そのまま動物の大きさの上限になります。
→ 図は横にスクロールできます
- 数センチのすき間ネズミ、コウモリ。小さいので見落とされます。
- こぶし程度イタチなど、細長い体の動物。
- 頭が入る程度の開口ハクビシン、アライグマ、タヌキ。屋根の継ぎ目や換気口が多い。
「こんな小さい穴から入るはずがない」という思い込みが、侵入口の見落としにつながります。
侵入口を探す場所
- 屋根と壁の取り合い部分
- 換気口・通気口のカバーが外れていないか
- 軒下、破風板のすき間
- 床下の通気口
- 配管やケーブルが壁を貫通している部分
- 雨どいや庭木から屋根へ登れる経路がないか
アライグマとハクビシンの見分け
この2種は法律上の扱いが違うため、区別できるかどうかが手続きに直結します。アライグマは特定外来生物ですが、ハクビシンは環境省の一覧に掲載されていません。
見分けの手がかり
| 部位 | アライグマ | ハクビシン |
|---|---|---|
| 顔 | 目のまわりに黒い模様。鼻すじに白い線はない | 額から鼻すじにかけて白い線が通る |
| 尾 | しま模様がある | しま模様がない |
| 前足 | 指が長く、物をつかむ動きをする | アライグマほどではない |
見た目が似ているため、写真を残して自治体や業者に確認するのが確実です。本表は一般的な特徴の整理です。
扱いの違いは特定外来生物のページで詳しく整理しています。
記録の残し方
相談も申請も、記録があるかどうかで進み方が変わります。
残しておくとよい記録
- 音がした日時(できれば数日分)
- フンの写真(触らずに撮る)
- 侵入口と思われる場所の写真
- 被害の状況(天井のしみ、断熱材の乱れ、におい)
- いつから気づいたか
これらは捕獲許可の申請で「被害の状況」を説明するときにも使えます。環境省は、被害等が生じている場合に許可を受けて捕獲できるとしています。被害を説明できる材料を先に用意しておきます。
つまずくところ
フンを素手で片付ける
感染症や寄生虫のおそれがあります。防護具を着けます。
小さいすき間を無視する
頭が通れば体も通ります。数センチでも侵入口になります。
種類を決めずに相談する
種類が決まらないと申請の記載ができません。写真を残します。
見た目だけでアライグマと断定する
ハクビシンと似ています。法的な扱いが違うので、確認してから動きます。
記録を残さない
被害の説明ができないと、相談も申請も進みにくくなります。
よくある疑問
音だけで種類は分かりますか。
フンは片付けてよいですか。
アライグマかハクビシンか自分で判断できますか。
侵入口はどこを見ればよいですか。
種類が分からないまま業者に頼めますか。
家に入った害獣と捕獲許可のガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。