頼めても、収集日に来てもらえるとは限らない
「ヘルパーさんに頼めばいい」と思われがちですが、ごみの収集日は自治体が決めています。訪問介護の曜日と合わなければ、ごみは家に残ります。国立環境研究所も、この疑問を正面から取り上げています。制度の違いと、使い分けを整理します。
国立環境研究所が挙げた疑問
ガイドブックの特徴を説明する文に、この疑問がそのまま書かれています。
「介護保険制度を利用していれば、ごみ出し支援は必要ないのでは?」「支援がないとどうなってしまうの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。本書では、高齢者のごみ出しを巡る課題を詳しく解説し、なぜ支援が必要なのかを理解できるようにしています
研究機関がわざわざこの疑問を挙げるということは、実務でずれが起きている、ということです。
訪問介護の生活援助
介護保険の訪問介護には、身体介護と生活援助があります。ごみ出しは生活援助にあたる場合があります。
ただし生活援助には制約があります。ここは介護保険の制度の話なので、実際にどこまで頼めるかはケアマネジャーと保険者(市区町村)の判断になります。
訪問介護でごみ出しを頼むときに関わること
| 内容 | |
|---|---|
| ケアプラン | ケアプランに位置づけられている必要があります |
| 区分支給限度基準額 | 要介護度ごとの上限の中でやりくりします |
| 訪問の曜日・時間 | 事業所の体制で決まります |
| 同居家族がいる場合 | 生活援助の可否について取り扱いがあります |
この表は、頼めるかどうかを判断するものではありません。実際の可否はケアマネジャーと保険者にご確認ください。→ 介護保険で頼めないこと
ずれるところ
いちばん大きいのは曜日です。
収集日と訪問日がずれると何が起きるか
| 内容 | |
|---|---|
| 燃やすごみが週2回 | 訪問が週1回なら、片方の収集日は自分で出すことになる |
| 資源・不燃が月1〜2回 | その日に訪問が入っていなければ出せない |
| 収集は朝 | 訪問が午後なら、その日の収集には間に合わない |
| 前夜に出せない地域 | カラス対策で前夜の排出を禁じている地域があります |
この整理は制度の仕組みから導いたものです。実際の収集日・排出ルールはお住まいの市区町村によります。
自治体の収集制度(ふれあい収集)は、収集日に合わせて職員が来ます。そこが決定的に違います。横浜市は「週に1回、市職員が収集に伺います」と書いています。
2つの制度の使い分け
訪問介護の生活援助と、自治体のごみ出し支援
| 訪問介護(生活援助) | 自治体のごみ出し支援 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法 | 市区町村の要綱(廃棄物処理法の枠組み) |
| 申込み先 | ケアマネジャー | ごみ担当課・清掃事務所 |
| 費用 | 介護保険の自己負担 | 確認した自治体の案内に収集費用の記載なし |
| 日程 | 事業所の体制で決まる | 収集日に合わせて来る |
| 限度額 | 区分支給限度基準額の中 | 限度額とは無関係 |
| 安否確認 | 訪問時に把握 | 声かけを行う自治体がある |
費用の有無は市区町村によって異なる可能性があります。窓口で確認してください。
限度額の外で使える、というのが大きい。訪問介護でごみ出しに時間を使うと、その分ほかの支援に使える時間が減ります。自治体の収集制度はその枠の外です。
片付けの過程で出てきたものを、捨てる前に見てもらう
着物・骨董・切手などは買い取りの対象になることがあります。出張査定に対応しています。
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ケアマネジャーに何を伝えるか
相談するときの順序
- ごみ出しのどこができないかを具体的に言う「持てない」のか「歩けない」のか「朝起きられない」のか。手立てが変わります。
- 収集日と曜日を伝える燃やすごみ・資源・不燃、それぞれの曜日。訪問日と重なるかが分かります。
- 自治体の収集制度を調べたかを伝えるケアマネジャーが知らないことがあります。市区町村の制度は介護保険の外だからです。
- 限度額の使い方として妥当かを相談する自治体の制度が使えるなら、その分ほかの支援に回せます。
- 両方を組み合わせられるか聞く→ 両方使えることがある
両方使えることがある
どちらか一方に決める必要はありません。自治体のごみ出し支援は介護保険の区分支給限度基準額の外にあるので、訪問介護の時間を減らさずに使えます。
逆に、自治体の収集が週1回なら、資源や不燃の収集日はカバーされません。その日をヘルパーの訪問に合わせる、という組み方ができます。収集日の曜日を書き出して、埋まっていない日を探すところから始めてください。
組み合わせの例
組み合わせの可否は、ケアマネジャーと市区町村の窓口の判断になります。
燃やすごみは自治体、それ以外はヘルパー
自治体の収集が週1回なら、資源や不燃の日はヘルパーの訪問に合わせるという形がありえます。
ふれあい収集の対象外だが、生活援助は使える
同居者がいるなどで自治体の制度に当てはまらない場合。ケアプランで対応できるかを相談してください。
生活援助が限度額で足りない
自治体の制度が使えれば、その分の時間をほかに回せます。先に自治体に問い合わせてください。
どちらも使えない
社会福祉協議会・シルバー人材センター・地域の助け合いという道があります。→ 自分の市区町村に無いとき
確認の順序
ごみ出しをどう頼むか決める
- 収集日と曜日を書き出す(燃やすごみ・資源・不燃)
- 訪問介護の訪問日と時間を並べる
- 重なっていない日があるかを見る
- 自治体のごみ出し支援制度を先に調べる(限度額の外)
- ケアマネジャーに自治体の制度も含めて相談する
- 対象外なら生活援助で対応できるか相談する
→ 4分の3の自治体にはまだ無い/対象になるかどうか/介護保険のヘルパーに頼めるか/声かけと安否確認/粗大ごみの持ち出しと手数料の免除/自分の市区町村に無いとき
確認に使った一次情報
- 国立研究開発法人国立環境研究所「『高齢者ごみ出し支援ガイドブック』を発表」(2017年6月1日)https://www.nies.go.jp/pr/news-and-updates/2017/20170601/20170601.html
- 環境省「高齢化社会に対応した廃棄物処理体制の検討」https://www.env.go.jp/recycle/waste/koureika/index.html
- 横浜市「家庭ごみを自宅からごみ集積場所まで持ち出すことができない方(ふれあい収集)」https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/shien/hureai.html
- 杉並区「ごみ出しが困難な高齢者・障害者の方に「ふれあい収集」」https://www.city.suginami.tokyo.jp/s105/724.html
- 横浜市「粗大ごみ処理手数料の免除について知りたい」横浜市 粗大ごみ処理手数料の免除
よくある疑問
ヘルパーにごみ出しを頼めますか。
同居家族がいると生活援助は使えませんか。
収集日の朝に来てもらえますか。
自治体の制度とヘルパー、どちらが先ですか。
ケアマネジャーがごみ出し支援を知りませんでした。
要介護認定を受けていません。
ごみ出し支援の制度ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。