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「引いていいですか」と聞くと断られやすい

管理会社にとって、判断できない質問はいちばん困る質問です。「光回線を引いていいですか」は、工事の内容が分からないので即答できません。分からないものは、断るのが安全側の対応になります。聞き方を変えるだけで結果が変わります。

このページの内容
  1. 許可を出せるのは誰か
  2. 何をどう聞くか
  3. 記録の残し方
  4. 断られたときに確認すること
  5. 分譲を借りている場合
  6. 図面や現地調査を求められたとき
  7. 管理会社が反対する理由
  8. よくある失敗
  9. よくある疑問

許可を出せるのは誰か

最終的に許可を出せるのは建物の所有者です。ただし窓口は違います。

窓口と、その人が決められる範囲

窓口決められること決められないこと
管理会社所有者から委任された範囲の可否。多くは室内工事の可否まで委任の範囲を超える工事(外壁への穴あけなど)は所有者に確認が要る
大家(所有者)すべて分譲マンションでは、共用部については管理組合の管轄
管理組合共用部(外壁・パイプスペース・MDF室)の使用可否室内の工事は所有者・入居者の話
工事業者技術的にどうやるか許可の可否は判断できない。業者が「大丈夫です」と言っても許可にはならない

「業者が大丈夫と言った」は許可ではありません。ここを取り違えると、当日に作業が止まります。

何をどう聞くか

可否ではなく、条件を聞きます。相手が判断しやすい形にするのが目的です。

管理会社への聞き方

  1. ① 名乗って、部屋を特定する物件名・部屋番号・契約者名。これがないと調べようがありません。
  2. ② 目的を言う「インターネット回線を利用したい」。事業者名から入ると、話が広告の話になります。
  3. ③ 建物の現状を聞く「この建物に光回線は導入されていますか」「室内に光コンセントはありますか」。導入済みなら工事が要らないこともあります。
  4. ④ 可否ではなく条件を聞く「どのような工事であれば可能でしょうか」。穴あけ不可・ビス止め不可・共用部の作業不可、という条件が返ってきます。
  5. ⑤ 退去時の扱いを同時に聞く「退去のときは撤去が必要でしょうか、残置でよろしいでしょうか」。ここを後回しにすると退去時に揉めます。
  6. ⑥ 書面かメールで残す電話で聞いた内容を、メールで「以下の理解で相違ないでしょうか」と送って返信をもらいます。

④が要点です。「可か不可か」で聞くと不可になりやすく、「どの条件なら可か」で聞くと条件が返ってきます。返ってきた条件を工事業者に伝えれば、その範囲で工事が組めます。

記録の残し方

口頭の許可は、担当者が変わると消えます。退去は数年後です。

残しておくもの

メールで送って返信をもらう形なら、それだけで足ります。特別な書式は必要ありません。

建物名と住所で、工事の要否と提供状況を確認する

提供可否と工事内容は事業者の判定によります。許可の確認は契約前に行ってください。

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断られたときに確認すること

断られた理由によって、次の手が変わります。理由を聞かずに引き下がらないでください。

断られた理由別の、次の一手

「建物に設備がないので不可」

共用部への導入から必要な状態です。所有者の投資判断になるため、入居者からは動かせません。工事不要の回線に切り替えます。

「穴あけ・ビス止めは不可」

工事そのものは可能です。穴あけをしない工法があるかを業者に確認してください。エアコンダクトや既存配管を通せることがあります。

「他の入居者の前例がない」

判断材料がないだけです。工事の内容(どこに何をするか)を具体的に示すと、判断できるようになります。

「共用部の作業は管理組合の承認が要る」

分譲を借りている場合に起きます。所有者(貸主)経由で管理組合に諮ってもらう必要があり、時間がかかります。

理由を言わずに不可

委任の範囲外で、管理会社自身が判断できない可能性があります。所有者に確認してもらえるかを聞いてみてください。

分譲を借りている場合

分譲マンションの一室を借りている場合、許可が二段階になります。

①貸主(区分所有者)の許可:室内の工事について。
②管理組合の承認:共用部(外壁・パイプスペース・MDF室・配線ラック)に触る工事について。

管理組合は理事会や総会で決めることがあるため、返答まで1か月以上かかることがあります。引っ越しの日程から逆算すると間に合わないことが多く、入居直後は工事不要の回線でつなぎ、承認が下りてから光回線に移るという順序が現実的です。

図面や現地調査を求められたとき

管理会社から「工事の図面を出してください」「現地を見せてください」と言われることがあります。これは断られたのではなく、判断するための材料を求められている状態です。

求められるものと、誰が用意するか

求められるもの誰が用意するか入居者がすること
工事の内容がわかる資料回線事業者・工事業者事業者に「管理会社に提出する資料が要る」と伝えて取り寄せる
建物の図面管理会社・所有者が持っている入居者が用意するものではない。事業者に渡してよいか確認する
現地調査の立会い工事業者調査の日程を管理会社と工事業者の間で合わせる
書面での申請入居者管理会社の書式があるか先に確認する

「図面を出せ」と言われて止まってしまう人が多いのですが、建物の図面は建物側が持っています。まず何の図面かを聞いてください。

現地調査は、工事が可能かどうかを技術的に確かめる作業です。調査だけなら建物に手を加えません。管理会社に「まず現地を見てもらうだけでもよいでしょうか」と聞くと、話が前に進むことがあります。

管理会社が反対する典型的な理由

反対の背景が分かると、対応が変わります。管理会社が心配しているのは、ほとんどの場合「建物が元に戻らないこと」と「次の入居者に影響が出ること」の2つです。回線が引かれること自体を嫌っているわけではありません。

ですから、その2つが起きないと示せれば通ります。逆に「どうしても使いたいので」と必要性だけを訴えても、相手の心配は解消しないため動きません。以下は、実際に返ってくることの多い理由と、それぞれに対してこちらができることです。

反対の背景と、こちらができること

外観が変わることを嫌っている

外壁にケーブルが這うことを気にしています。配線の色や経路を選べないかを業者に確認し、目立たない案を示してください。

次の入居者のために原状に戻したい

退去時の扱いが決まっていないことが不安の中身です。「退去時に撤去します」と先に伝えると通ることがあります。

過去にトラブルがあった

以前の工事で不具合が起きた、原状回復で揉めた、といった経験がある場合です。今回の工事内容を具体的に示すしかありません。

建物として一括で契約している

すでに「インターネット無料」などの契約がある建物では、個別契約を認めないことがあります。この場合は建物の契約が優先されます。

判断できる人が不在

所有者の確認待ちです。いつごろ返答をもらえるかだけ聞いて、待ちます。催促より、期限の確認が有効です。

よくある失敗

工事日を先に決めてしまう

管理会社の確認に日数がかかると、当日に作業できません。工事日の変更やキャンセルには事業者ごとの規定があります。

業者の「大丈夫です」を許可と受け取る

工事業者は技術的な可否しか判断できません。建物への許可は建物側が出すものです。

口頭で済ませる

退去は数年後で、担当者は変わります。メール1通で残せます。

退去時の扱いを聞かない

退去のときに「撤去してください」と言われ、費用の話になります。入居中に聞けば数十秒です。

「引いていいですか」と可否で聞く

判断材料がない質問は、断るのが安全側の対応になります。条件を聞いてください。

よくある疑問

許可なく工事してしまいました。どうすればよいですか。

早い段階で管理会社に伝えてください。契約書に工作物の設置に関する定めがある場合、無断の工事は契約違反になりうるほか、退去時の原状回復の負担が重くなることがあります。後で発覚するほど不利になります。

管理会社に電話がつながりません。

賃貸借契約書に緊急連絡先や、管理を委託している会社の記載があります。それでもつながらない場合は、仲介した不動産会社に窓口を確認してください。

許可が下りるまで、どのくらいかかりますか。

管理会社の裁量で決まる範囲なら数日、所有者への確認が入ると1〜2週間、分譲の管理組合の承認が要るとさらに長くなります。一律の目安はありません。まず「どのくらいかかりますか」と聞いてください。

大家さんが個人で、高齢のため話が進みません。

仲介した不動産会社に間に入ってもらえないか相談してください。工事の内容を紙1枚にまとめて渡すと、判断してもらいやすくなります。

退去時に撤去を求められたら、費用は誰が払いますか。

契約と、入居時に交わした内容によります。国土交通省のガイドラインでは経年変化・通常損耗は賃借人負担ではないとされていますが、入居者が自ら設置した設備の扱いは別に判断されます。入居中に取り決めておくのが確実です。

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一次情報の確認先

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