代理店の話は、契約先の事業者に伝える
「代理店が言ったことだから、事業者は関係ない」——そうではありません。電気通信事業法の改正で、事業者には代理店に対する指導等の措置義務が課されています。だから代理店とのトラブルは、契約先の事業者に伝えるべき筋のある話です。
代理店に対する指導等の措置義務
国民生活センターは、改正で導入された事項として次を挙げています。
不実告知等の禁止、勧誘継続行為の禁止、代理店に対する指導等の措置義務が新たに導入されます
3つ目が、この話の土台です。代理店の行為について、契約先の事業者が指導する立場にあるという設計になっています。
だから、代理店の対応に問題があったとき、契約先の事業者に伝えることには意味があります。「代理店の話は代理店に」と言われても、事業者に伝えてください。
なぜ代理店で起きるのか
構造を知っておくと、対処が変わります。代理店は契約を取ることで収入を得ています。だから、契約に結びつく話は熱心に伝えられ、契約をためらわせる話は伝わりにくくなります。
伝わりやすい話と、伝わりにくい話
| 伝わりやすい | 伝わりにくい |
|---|---|
| 月額が安くなること | 契約期間と更新月 |
| キャッシュバックがあること | キャッシュバックの受け取り手続きと期限 |
| 工事費が実質無料になること | 途中解約したときの工事費残債 |
| 今だけの特典であること | 初期契約解除・確認措置があること |
| セットでさらに安くなること | オプションを外すと条件が変わること |
右の列が、あとで問題になる項目です。これらは説明されるはずの事項に含まれます。
右の列は説明義務と書面交付にまとめたリストと重なります。説明されていなければ、確認措置の「説明等が不十分な場合」に当たりうるという筋もあります。
キャッシュバックの条件
キャッシュバックは、金額そのものより受け取り方の条件で差が出ます。
受け取れなくなる典型的な条件
申請が数か月後で、案内が一度だけ来る
開通から半年〜1年後にメールが1通だけ、という形があります。見落とすと権利が消えます。案内がいつ、どこに来るかを聞いてください。
申請の窓口が代理店独自のメールアドレス
迷惑メールに入ることがあります。ドメインを聞いて受信できるようにしておいてください。
オプション加入が条件になっている
外すとキャッシュバックが無効になることがあります。オプションの月額を足すと、実質いくらになるかを計算してください。
一定期間の継続利用が条件
途中で解約すると受け取れません。契約期間と条件の期間が違うことがあります。
条件が書面に書かれていない
いちばん危ない状態です。口頭の条件は残りません。書かれた資料を求めてください。
これらは、契約前に紙かメールで条件をもらえば全部確かめられます。「あとで送ります」で進めないでください。
記録しておくこと
トラブルになったとき、記録があるかどうかで話の進み方が変わります。難しいことは要りません。
契約の場で残すもの
- 日付・時刻
- 代理店の会社名(契約先の事業者名とは別です)と担当者名
- 説明された月額・工事費・キャッシュバックの金額
- キャッシュバックの申請時期と方法
- 契約期間と更新月
- 受け取った紙・メール(写真を撮っておく)
- 電話なら、いつ・どの番号からかかってきたか
いちばん大事なのは「代理店の会社名」です。契約先の事業者名しか覚えていないと、どこの代理店だったのかを特定できません。名刺か、書面に書かれた会社名を控えてください。
誰に、何を伝えるか
問題が起きたときの順序
- まず契約先の事業者に連絡する代理店ではなく事業者です。事業者には代理店に対する指導等の措置義務があります。
- 事実を時系列で伝えるいつ・誰が・何と言ったか。感情ではなく事実を並べます。
- 書面と説明の食い違いを示す契約書面に書かれている内容と、説明された内容の差。
- 求めることをはっきり言う契約の解除なのか、条件どおりの履行なのか、返金なのか。
- 回答の期限を決める「いつまでに回答をもらえますか」と聞いて、その日付を記録します。
- 解決しなければ消費生活センターに相談する消費者ホットライン188。総務省にも相談窓口があります。詳しくはどこに相談するか。
契約する前に防ぐ
起きてから対処するより、契約の場で止めるほうが早く済みます。次の3つを言えば、たいていの問題は防げます。
契約の場で使える言い方
その場で決めない、というだけで大半は防げます。
「条件を書いたものをください」
「今日は決めません。持ち帰って読みます」
「初期契約解除の対象ですか、確認措置の対象ですか」
「工事費の分割は何回で、途中で解約したらどうなりますか」
確認の順序
契約の前後で確認すること
- 代理店の会社名と担当者名を控えたか
- 説明された条件を紙かメールでもらったか
- キャッシュバックの申請時期・方法・期限を聞いたか
- オプション加入が条件になっていないか
- 契約書面に、説明された条件が書かれているか
- 食い違いがあれば、契約先の事業者に伝えたか
→ 初期契約解除の8日間/確認措置との違い/説明義務と書面交付/代理店とキャッシュバック/工事費残債と解約金/どこに相談するか
公式の窓口で、条件を自分で確認する
料金、契約期間、特典の適用条件は公式サイトに記載があります。代理店の説明と照らし合わせられます。
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確認に使った一次情報
- 総務省「電気通信事業法改正に伴う電気通信事業の利用者保護に関する省令等の整備」000387100.pdf
- 総務省 電気通信消費者情報コーナー 消費者保護ルールsoumu.go.jp
- 国民生活センター「ご存じですか? 電気通信事業法が改正されました」kokusen.go.jp
- 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)tca.or.jp
よくある疑問
キャッシュバックが受け取れませんでした。
代理店の会社名が分かりません。
訪問販売で契約しました。クーリング・オフできますか。
電話勧誘を断ったのにまたかかってきます。
代理店が事業者の名前を名乗っていました。
説明と書面が違う場合、どちらが優先されますか。
通信契約の消費者保護ルール ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
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