書面が来ないと、8日が始まらない
初期契約解除の8日は契約書面を受け取った日から数えます。裏を返すと、書面が届かなければ、期間が始まりません。そして書面の交付は事業者の義務です。国民生活センターと総務省の資料から、何が渡されるはずなのかを確かめます。
書面交付は義務
国民生活センターは、書面交付義務をこう説明しています。
電気通信事業者は、電気通信サービスの契約が成立したときには遅滞なく、消費者に個別の契約内容を明らかにした書面を交付しなければなりません。
3つのことが読み取れます。
書面交付義務の中身
| 項目 | 内容 | 実務で効くところ |
|---|---|---|
| いつ | 契約が成立したときには遅滞なく | 何週間も届かないのは通常の状態ではない |
| 何を | 個別の契約内容を明らかにした書面 | 一般的なパンフレットでは足りない |
| 誰が | 電気通信事業者 | 代理店ではなく事業者の義務 |
「個別の」がポイントです。自分の契約内容が書かれているかを見てください。
説明義務
契約の前には、提供条件の説明が行われることになっています。国民生活センターは改正で導入された事項として「不実告知等の禁止、勧誘継続行為の禁止、代理店に対する指導等の措置義務」を挙げています。
説明されるはずのことには、次のようなものが含まれます。身に覚えがないものがあれば、説明が不十分だった可能性があります。
契約前に説明されるはずのこと(確認に使うリスト)
- 月額料金と、それがいつから発生するか
- 契約期間と、期間内に解約した場合の扱い
- 初期契約解除制度、または確認措置の対象かどうか
- 工事費と、解約した場合の残債の扱い
- キャンペーン・キャッシュバックの適用条件と受け取り時期
- オプションが自動で付いていないか。付いている場合の料金と外し方
- 提供エリアと、使えなかった場合の扱い
- 解約の申し出先と方法
3つ目は確認措置の要件にも入っています。確認措置があることを説明することが、確認措置の要件の1つという構造です。説明されていなければ、そこ自体が問題になりえます。
書面が来ない場合
まず落ち着いて考えます。書面が来ないと初期契約解除の8日が始まらないので、時間切れにはなりません。ただし放置してよいわけではありません。
書面が届かないときの順序
- 契約先の事業者に連絡する「契約書面が届いていない。交付してほしい」と伝えます。代理店ではなく事業者です。
- 交付の形式を聞く郵送か、電子交付か。電子交付ならどこで見られるかを確認します。
- いつ交付されたことになるのかを聞く起算日が決まります。この日付は控えておいてください。
- 受け取った日を記録する封筒の消印、メールの受信日時、マイページの表示日。
- それでも届かなければ相談する消費生活センター(消費者ホットライン188)と、総務省の相談窓口があります。
書面で確認すること
届いたら、その日のうちに読んでください。8日はすぐ過ぎます。
書面を見て気づくことが多いところ
契約したつもりのないオプションが入っている
ひかり電話、テレビ、セキュリティ、機器レンタル。月額の合計が説明と違っていないかを見てください。
契約期間が思っていたより長い
2年・3年の自動更新になっていないか。更新月がいつかも確認してください。
工事費の分割回数が契約期間より長い
途中で解約すると残債が残ります。工事費残債と解約金を見てください。
キャッシュバックの条件が書面に無い
口頭で言われた条件が書面に無い場合、あとで受け取れないことがあります。条件が書かれた資料を求めてください。
名義が自分でない
家族名義、法人名義になっていると、手続きできる人が変わります。法人契約は初期契約解除の対象外です。
不実告知等の禁止
改正で不実告知等の禁止が導入されました。事実と違うことを告げて契約させることが禁じられています。
実務で問題になりやすいのは、「いまだけ」「必ず安くなる」「工事費は無料」といった説明が、書面の内容と食い違っている場合です。書面と説明が違ったら、その差をそのまま記録してください。いつ・誰が・何と言ったか。
勧誘継続行為の禁止
同じく勧誘継続行為の禁止も導入されています。断ったのに勧誘を続けることが禁じられています。
電話や訪問で契約を勧められて断ったのに、繰り返しかかってくる。この場合、「契約しません。今後の勧誘をやめてください」とはっきり伝えて、その日付を記録してください。それでも続く場合は相談の対象になります。
代理店の行為についても、事業者に指導等の措置義務があります。代理店の対応が問題なら、契約先の事業者に伝えてください。詳しくは代理店とキャッシュバックにまとめました。
確認の順序
契約したらすぐやること
- 契約書面を受け取ったか。受け取った日を記録する
- 書面に自分の契約内容が個別に書かれているか
- 月額の合計が、説明されたとおりか
- 覚えのないオプションが入っていないか
- 契約期間と更新月はいつか
- 工事費の分割回数と、解約時の扱い
- キャッシュバックの条件が書面にあるか
- 初期契約解除か確認措置か、どちらの対象か
→ 初期契約解除の8日間/確認措置との違い/説明義務と書面交付/代理店とキャッシュバック/工事費残債と解約金/どこに相談するか
申し込み前に、条件を書面で確認できる形にしておく
月額、契約期間、工事費、特典の適用条件は公式サイトに記載があります。申し込む前に読んでおけば、書面と照らし合わせられます。
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確認に使った一次情報
- 総務省「電気通信事業法改正に伴う電気通信事業の利用者保護に関する省令等の整備」000387100.pdf
- 総務省 電気通信消費者情報コーナー 消費者保護ルールsoumu.go.jp
- 国民生活センター「ご存じですか? 電気通信事業法が改正されました」kokusen.go.jp
- 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)tca.or.jp
よくある疑問
書面が電子交付でも義務を果たしたことになりますか。
代理店から説明を受けました。事業者の義務は果たされていますか。
口頭の説明と書面が違います。
断ったのに何度も電話がきます。
書面が届く前に工事をすると言われました。
契約内容を後から確認する方法はありますか。
通信契約の消費者保護ルール ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。