初期契約解除が使えない。それでも解除できる道がある
「うちは初期契約解除の対象外です」と言われることがあります。多くの場合、その事業者は確認措置という別の仕組みを用意しています。総務省の資料でも、対象外として「確認措置を講じている役務」が明記されています。そして確認措置のほうが有利な場面もあります。
なぜ2つあるのか
初期契約解除は「書面を受け取ってから8日」で数えます。ところが携帯電話のように実際に使ってみないと分からないサービスでは、この数え方が合いません。電波が入るかどうかは、その場所で使ってみて初めて分かります。
そこで「サービスを使い始めてから確かめられる」仕組みとして確認措置が用意されました。総務省の資料は、確認措置を講じている役務を初期契約解除の対象外としています。2つが並び立つのではなく、どちらか一方が適用されます。
確認措置の中身
国民生活センターは、確認措置をこう説明しています。
電波のつながり具合が不十分な場合と、事業者による説明等が不十分な場合は、消費者の申し出により、携帯電話等の端末も含めて電気通信サービスが違約金なしで契約解除できます
読み取れることが3つあります。
確認措置で押さえるところ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解除できる場面 | ①電波のつながり具合が不十分/②事業者による説明等が不十分 |
| 解除できる範囲 | 携帯電話等の端末も含めて |
| 違約金 | 違約金なし |
| 申し出期間 | 最低8日(国民生活センターの記載) |
「端末も含めて」「違約金なし」がこの制度の要点です。個別の取扱いは契約先の事業者に確認してください。
②の「説明等が不十分な場合」は見落とされます。電波の問題だけでなく、説明されるはずのことが説明されていなかった場合も対象だということです。何が説明されるはずだったかは説明義務と書面交付にまとめました。
満たすべき5つの要件
確認措置は、事業者が勝手に名乗れるものではありません。総務省の資料は要件を挙げています。
確認措置の要件(総務省の資料)
- サービス開始日から8日間、確認できること
- 利用場所の状況が不十分な場合に、関連契約も解除できること
- 遵守基準に適合しない場合に、解除できること
- 解除したときの支払額が、提供された対価と遅延損害金を超えないこと
- 説明義務のなかで、その内容が説明されていること
4つ目が重要です。解除したときに払う額に上限が設けられています。「提供された対価と遅延損害金を超えない」——つまり使った分は払うが、それ以上は取られないという設計です。
5つ目も効きます。確認措置があること自体が、説明されるはずのことに含まれています。説明されていなければ、②の「説明等が不十分な場合」に当たりうるという構造になっています。
初期契約解除との違い
2つの制度を並べる
| 初期契約解除 | 確認措置 | |
|---|---|---|
| 起算日 | 契約書面を受け取った日 | サービス開始日 |
| 期間 | 8日 | 最低8日 |
| 解除できる理由 | 理由を問わない | 電波が不十分/説明が不十分 |
| 端末 | 関連契約として解除しうる | 端末も含めて解除できる |
| 違約金 | 請求されない | 違約金なし |
| 工事費 | 請求されうる | 支払額は対価と遅延損害金を超えない |
| 適用 | 確認措置を講じている役務は対象外 | 事業者が講じている場合 |
どちらが適用されるかは、契約先の事業者とサービスによって決まります。自分で選べるものではありません。
どちらが有利か
どちらが適用されるかは自分で選べません。事業者とサービスによって決まります。それでもどちらに当たっているかを知っておくと、申し出るときの言い方が変わります。理由を説明する必要があるのか、それとも理由を問われないのか。ここが実務でいちばん効く違いです。
おおまかには、「気が変わった」なら初期契約解除、「使ってみたら期待と違った」なら確認措置が噛み合います。場面ごとに見ていきます。
状況ごとに見る
「どちらの制度が適用されるサービスですか」と事業者に直接聞いてください。これは説明義務の範囲に含まれる事項です。
理由を説明したくない/単に気が変わった
電波が入らない/通信が遅すぎる
端末を分割で買っている
光回線で工事が終わってしまった
説明されていないことがあった
使うときの手順
確認措置で解除するとき
- サービス開始日を確認する起算日はここです。契約書面の受領日ではありません。
- 理由を具体的にする「電波が入らない」なら、いつ・どこで・どういう状態か。「説明が不十分」なら、何を説明されなかったか。
- 契約先の事業者に申し出る確認措置の手続きは事業者ごとに決まっています。契約書面に書かれた連絡先へ。
- 端末も含めて解除したい旨を伝える「端末も含めて」と明示してください。
- 支払額の内訳を確認する対価と遅延損害金を超えない範囲とされています。それ以外の請求があれば根拠を聞いてください。
- 納得できなければ消費生活センターに相談する消費者ホットライン188。
確認の順序
契約直後に確認すること
- そのサービスは初期契約解除の対象か、確認措置の対象か
- 確認措置なら、申し出の期限はいつまでか
- サービス開始日はいつか
- 解除する場合、端末はどう扱われるか
- 解除したときに支払う額はいくらか
- 申し出の窓口はどこか(代理店ではなく事業者)
→ 初期契約解除の8日間/確認措置との違い/説明義務と書面交付/代理店とキャッシュバック/工事費残債と解約金/どこに相談するか
契約前に、条件と手続きをまとめて確認する
契約期間、解約時の扱い、セット割の適用条件は公式サイトで確認できます。契約後に調べるより先に見ておくほうが確実です。
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確認に使った一次情報
- 総務省「電気通信事業法改正に伴う電気通信事業の利用者保護に関する省令等の整備」000387100.pdf
- 総務省 電気通信消費者情報コーナー 消費者保護ルールsoumu.go.jp
- 国民生活センター「ご存じですか? 電気通信事業法が改正されました」kokusen.go.jp
- 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)tca.or.jp
よくある疑問
自分の契約がどちらの制度か分かりません。
確認措置は光回線にもありますか。
電波が悪いことをどう証明しますか。
説明が不十分だったと言えば解除できますか。
端末の分割払いはどうなりますか。
解除の申し出をしたのに応じてもらえません。
通信契約の消費者保護ルール ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。