本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する制度の記載は、国土交通省および各市区町村の公表内容にもとづきます。

建物を壊すと、土地の扱いが変わる

空き家を解体するときに、必ず考えることになるのが土地の固定資産税です。住宅が建っている土地には「住宅用地特例」があり、課税標準が小さくなっています。建物を壊すと、この特例が外れます。ただし、勧告を受けた特定空家等・管理不全空家等の敷地は、建物が建っていても特例から除外されます。ここが2015年以降の制度の要点です。

本ページは空き家の除却(解体)に関する補助制度についての一般的な整理です。補助金の有無・名称・対象・金額・申請期限は市区町村ごとに異なり、年度ごとに変わります。実際の手続きは、空き家がある市区町村の空き家担当課にご確認ください。
税額の計算は、土地の評価額・地域・年度・負担調整によって変わります。 本ページは制度の仕組みの整理であり、個別の税額を示すものではありません。 実際の税額は、土地がある市区町村の資産税担当課にご確認ください。
このページの内容
  1. 住宅用地特例のしくみ
  2. 勧告を受けると特例が外れる
  3. 1月1日という区切り
  4. 時期の組み立て
  5. 状況ごとの考え方
  6. よくある取りこぼし
  7. 確認の順序
  8. 確認に使った一次情報
  9. よくある疑問

住宅用地特例のしくみ

住宅が建っている土地は、課税標準が次のように軽くなります。

住宅用地の特例(国土交通省・東京都主税局の公表内容)

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(住宅1戸につき200㎡までの部分)価格 × 1/6価格 × 1/3
一般住宅用地(小規模住宅用地以外)価格 × 1/3価格 × 2/3

出典:国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する措置」および東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」。都市計画税が課されない地域もあります。

建物を壊すと、この土地は住宅用地ではなくなります。つまり課税標準が価格そのものに戻ります。その一方で、建物にかかっていた固定資産税は無くなります。合計でどうなるかは、土地と建物の評価額の比によります。

勧告を受けると特例が外れる

2015年の空家法と地方税法の改正で、建物が建っていても特例から外される仕組みができました。

住宅用地特例から除外される場合(国土交通省の公表内容)

状態住宅用地特例
普通に住宅が建っている適用される
市区町村長から勧告を受けた特定空家等の敷地適用対象から除外
市区町村長から勧告を受けた管理不全空家等の敷地適用対象から除外
建物を解体した住宅用地ではなくなる

出典:国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する措置」。管理不全空家等は令和5年の空家法改正で加わった枠組みです。

読み方はこうです。「壊さずに置いておけば税が安いまま」という状態は、勧告を受けた時点で終わります。勧告は、助言・指導の次の段階です。

国土交通省の施行状況(令和7年3月31日時点)では、管理不全空家等への勧告が378件、特定空家等への勧告が600件と公表されています。

1月1日という区切り

固定資産税は、その年の1月1日(賦課期日)の状態で決まります。

固定資産税は、賦課期日(その年の1月1日)現在の状況により課税されますので、たとえ、年の途中で家屋を取り壊しても、今年度分の税は納めていただくことになります

出典:千葉市「よくある質問」

東京都主税局も「毎年1月1日(賦課期日)現在、固定資産課税台帳に登録されている方に課税」としています。

つまり、いつ壊しても、その年度の税は1月1日の状態で決まります。年の途中で壊しても、その年度の建物分の税は戻ってきません。

時期の組み立て

解体の時期と、次の年度の課税の関係

解体した時期その年度の課税次の年度の課税
前年の12月末までに完了1月1日に建物が無い状態で決まる
1月2日〜3月1月1日に建物があったので、その年度は建物にも課税翌年度から建物が無い状態
年の途中(4月〜12月)1月1日の状態で決まっているので変わらない翌年度から建物が無い状態

これは仕組みの整理です。実際の税額は評価額・負担調整・地域によって変わります。税額の見込みは、土地がある市区町村の資産税担当課にご確認ください。

ただし、補助金の日程と噛み合わないことがあります。相模原市は「交付決定日の属する年度の1月末日までに」工事完了を求めています。制度の締切と税の区切りは別のものです。どちらも見て組み立ててください。

状況ごとの考え方

解体すると税が上がると聞いて迷っている

土地の課税標準は上がりますが、建物分の税は無くなります。合計でどう変わるかは土地と建物の評価額によります。市区町村の資産税担当課で試算を相談できることがあります。

すでに勧告を受けている

その敷地は住宅用地特例から除外されます。建物を残しても税の面での利点は失われます。同時に、相模原市のように「勧告を受けていない」ことを補助の条件にしている市区町村があります。→ 対象になる空き家の条件

解体した後の土地をどうするか決まっていない

更地にしたあとの管理が必要になります。草が伸びる、不法投棄される、といったことが起きます。空き地の管理を条例で定めている市区町村があります。

跡地を市に使ってもらう制度があると聞いた

国の空き家対策総合支援事業には「空き家を除却した後の土地の整備」が補助対象として入っています。跡地をポケットパークなどに活用する制度を持つ市区町村があります。窓口で確認してください。

売却するつもりでいる

建物を残すか壊すかで買い手が変わります。これは税だけでなく市場の話です。解体の前に、不動産の扱いについても情報を集めてください。

よくある取りこぼし

年の途中に壊せばその年の税が減ると思っていた

減りません。賦課期日は1月1日です。千葉市は「年の途中で家屋を取り壊しても、今年度分の税は納めていただく」と明記しています。

勧告を受けても税は変わらないと思っていた

勧告を受けた特定空家等・管理不全空家等の敷地は、住宅用地特例から除外されます。

解体後の届出をしなかった

課税台帳に建物が残ったままだと、翌年度も建物に課税されることがあります。取り壊した後の届出

更地にした後の管理を考えていなかった

草刈りや不法投棄への対応が必要になります。遠方に住んでいる場合は特に。

補助金の締切と税の区切りを混同した

別のものです。補助金は年度の締切、税は1月1日。両方を見て時期を決めてください。

確認の順序

税について確かめること

  1. 今の課税明細を見る土地と建物、それぞれいくら課されているか。
  2. 住宅用地特例が適用されているか確認する課税明細に記載があります。
  3. 勧告を受けていないか確認する受けていれば、すでに特例は外れています。
  4. 市区町村の資産税担当課に相談する解体後の見込みを聞ける場合があります。
  5. 補助金の締切と合わせて時期を決める契約より先に申請する
  6. 解体後に届出をする取り壊した後の届出

補助金は市区町村の要綱で決まる対象になる空き家の条件契約より先に申請する家財の処分費は対象外共有と相続の同意解体した後の土地の税取り壊した後の届出

確認に使った一次情報

よくある疑問

空き家を壊すと固定資産税は6倍になりますか。

「6倍になる」という言い方は正確ではありません。小規模住宅用地の課税標準が価格の1/6になっているため、特例が外れると課税標準は6倍の水準に戻ります。ただし実際の税額は負担調整措置や評価額によって変わり、同時に建物分の税は無くなります。合計でどうなるかは個別に異なります。土地がある市区町村の資産税担当課にご確認ください。

勧告と命令は違いますか。

違います。空家法では助言・指導、勧告、命令という段階があります。住宅用地特例から除外されるのは勧告を受けた段階です。国土交通省の施行状況(令和7年3月31日時点)では、特定空家等への勧告600件、命令101件と公表されています。

管理不全空家等とは何ですか。

令和5年の空家法改正で加わった枠組みです。特定空家等になるおそれのある状態の空き家について、市区町村長が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると住宅用地特例から除外されます。

いつ壊すのが得ですか。

個別の事情によるため、一般的な答えはありません。賦課期日が1月1日であること、補助金には年度の締切があること、この2つを見て組み立ててください。税額の見込みは市区町村の資産税担当課に相談できます。

解体後の土地を市に寄付できますか。

市区町村によって扱いが違います。受け付けていない場合が多いですが、跡地の活用について制度を持つ市区町村もあります。窓口で確認してください。

空き家の除却補助金ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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