おくやみコーナーは、行けばやってくれる窓口ではない
おくやみコーナーは、亡くなった方に関する市区町村の手続きを1か所にまとめた窓口です。ただし多くの自治体が予約制で、予約の期限が自治体ごとにまったく違います。実測した5自治体では、武蔵村山市が来庁の3日前、川崎市が4営業日前の午後3時、中央区が4開庁日前、墨田区が5営業日前、千代田区が7開庁日前でした。千代田区はさらに「死亡届提出後、10日程度経過した後に行ってください」としています。
おくやみコーナーとは何か
亡くなった方に関する市区町村の手続きを、1か所で受けられるようにした窓口です。従来は保険・年金・税・介護・住民記録と窓口が分かれており、同じ書類を何度も書く必要がありました。おくやみコーナーは申請書の事前作成や、窓口の案内をまとめて行います。
千代田区は、おくやみコーナーでできることを「手続きの案内」「申請書類の事前準備および受付」「証書等の返納の受付」としています。手続きの代行ではありません。
おくやみコーナーで扱われることが多い手続き(実測5自治体の公表内容から)
- 世帯主変更届(川崎市が明記)
- 葬祭費の支給申請(川崎市・中央区・武蔵村山市が明記)
- 後期高齢者医療の資格喪失届(武蔵村山市が明記)
- 介護保険被保険者証の返還(川崎市が明記)
- マイナンバーカードの返納(川崎市が明記)
- 各種証の返還・証書等の返納(千代田区・中央区が明記)
- 戸籍謄本・住民票の申請受付および書類取得支援(中央区が明記)
- 相続人代表者届出/原付バイク等の廃車・名義変更(武蔵村山市が明記)
どの手続きを扱うかは自治体ごとに違います。同じ「おくやみコーナー」という名前でも、中身は同じではありません。
予約の条件が自治体で全部違う
実測した5自治体の予約条件(2026年9月11日確認)
| 自治体 | 予約の期限 | 予約の方法 | 受付日 |
|---|---|---|---|
| 千代田区 | 利用日の7開庁日前まで | 電話のみ | 毎週火曜日のみ(祝日除く) |
| 墨田区 | 来庁希望日の5営業日前まで | オンライン窓口・電話 | 平日(土日祝・年末年始除く) |
| 中央区 | 利用希望日の4開庁日前まで | 電話・申し込みフォーム | 来庁者サポートは火・木・金のみ |
| 川崎市 | 来庁希望日の4営業日前の午後3時まで | 電話のみ | 平日。各区1日4枠 |
| 武蔵村山市 | 来庁の3日前まで(土日祝・年末年始除く) | スマート申請(24時間)・電話 | 平日。各回1組 |
出典:千代田区・墨田区・中央区・川崎市・武蔵村山市の公表内容(2026年9月11日確認)。予約の期限・受付日・方法は市区町村ごとに異なり、また運用の見直しで変わります。
「開庁日前」と「営業日前」と「日前」が混ざっています。土日祝をはさむと、実際に何日前かは大きく変わります。川崎市はさらに「午後3時まで」という時刻の締切があります。
死亡届を出した日には予約が取れない自治体がある
予約の締切だけでなく、「いつから予約できるか」にも条件があります。
いつから予約できるか
| 自治体 | 公表されている条件 |
|---|---|
| 千代田区 | 「死亡届提出後、10日程度経過した後に行ってください」 |
| 武蔵村山市 | 「死亡届出から3日経過後に予約可能」 |
出典:千代田区・武蔵村山市の公表内容(2026年9月11日確認)。他の自治体では条件が異なります。
死亡届を出した窓口でそのまま予約しようとしても、受け付けてもらえない場合があります。住民記録のデータが各課に反映されるまで時間がかかるためと説明されています。練馬区も、届出から戸籍や住民票に反映されるまでおおむね3週間程度としています。
つまり「死亡届を出す日」と「おくやみコーナーに行く日」は、別の日になります。先に死亡届の期限を守り、そのあとで予約を取るという順番です。→ 死亡届の期限と時間外受付
案内型とワンストップ型がある
墨田区は、おくやみコーナーの利用形態を2つ公表しています。
墨田区が公表している2つの形
| 形 | やり方 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 案内型 | 各担当窓口を回る | 約30分 |
| ワンストップ型(職員直参型) | おくやみコーナー内で手続完結。担当の職員が来る | 約40分 |
出典:墨田区の公表内容(2026年9月11日確認)。形と所要時間は市区町村ごとに異なります。
「ワンストップ」という言葉が使われていても、実際には窓口を回る形の自治体があります。所要時間の見積もりが変わるので、予約のときに確認しておくと安全です。
状況ごとの入口
まだ死亡届を出していない
予約の電話をこれからかける
何を持っていけばいいか分からない
年金や相続登記のことも聞きたい
住んでいた市区町村と自分が住んでいる市区町村が違う
そもそも自分の市区町村におくやみコーナーが無い
よくある取りこぼし
死亡届を出したその日に予約しようとした
千代田区は「死亡届提出後、10日程度経過した後」、武蔵村山市は「死亡届出から3日経過後に予約可能」としています。
「4日前」と書いてあるので4日前に電話した
川崎市は「4営業日前の午後3時まで」です。土日祝は数えません。
平日ならいつでも行けると思っていた
千代田区は毎週火曜日のみ、中央区は来庁者サポートが火・木・金のみです。
通帳を持たずに行った
千代田区・墨田区・中央区とも預貯金通帳を持ち物に挙げています。
スタンプ印を持っていった
千代田区は「スタンプ印は不可」、中央区は「朱肉を使うもの」としています。
相続の相談をするつもりだった
千代田区は「お墓や相続、終活等の相談はお受けできません」としています。
役所の手続きが終わったあとに残るもの
ここから先は、役所の手続きではありません。おくやみコーナーで証書の返納まで終わっても、家の中のものは何も片付いていません。賃貸であれば明け渡しの期限があり、持ち家であっても相続人の間で話がつくまでは動かせない一方、話がついた途端に一気に片付ける必要が出てきます。
このとき、まとめて処分する前に値段がつくものを分けておくかどうかで、費用の出方が変わります。着物・切手・古銭・骨董・貴金属は、処分費用を払って捨てるものと、買い取ってもらえるものが混ざっています。先に査定だけ受けておくと、片付けの見積もりと比べられます。
家にあるもので値段がつくものを、処分する前に査定だけ受ける
ここから先は役所の手続きではなく、民間サービスの申し込みです。査定額・買取の可否は事業者の判断によります。遺品の処分は相続人の間で話がついてから進めてください。
- 査定額・買取の可否は事業者の判断によります
- 出張・宅配・店頭など査定方法は事業者ごとに異なります
- 遺品の処分は相続人の間で話がついてから進めてください
片付けの順序と、何から手をつけるかは別にまとめています。→ 実家の片付けと買取
→ おくやみコーナーとは/予約はいつから・いつまでか/持ち物と委任状/できること・できないこと/死亡届の期限と時間外受付/窓口が無い・枠が取れないとき
役所の手続きとは別に、家の中のものをどうするか:実家の片付けと買取/骨董品・古美術品の買取/切手・古銭の買取/着物・和装品の買取/思い出のデジタル化
確認に使った一次情報
- 千代田区「おくやみコーナー」千代田区 おくやみコーナー
- 墨田区「おくやみコーナー」墨田区 おくやみコーナー
- 川崎市「おくやみコーナー」川崎市 おくやみコーナー
- 中央区「おくやみコーナー」中央区 おくやみコーナー
- 武蔵村山市「おくやみコーナー」武蔵村山市 おくやみコーナー
- 港区「届出書を休日や夜間に提出したいのですが」港区 時間外の届出
- 中央区「死亡届」中央区 死亡届
いずれも2026年9月11日に確認した公表内容です。予約の期限・受付日・持ち物・扱える手続きは、市区町村ごとに異なり、また運用の見直しで変わります。本サイトでは葬祭費などの金額や、相続・相続税の取り扱いは扱いません。
よくある疑問
おくやみコーナーは予約なしで行けますか。
死亡届を出した日に、そのまま行けますか。
手続きを代行してくれますか。
相続の相談もできますか。
親が別の市に住んでいました。自分の市の窓口で手続きできますか。
おくやみコーナーの手引きの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。