同じ制度なのに、名前も補助の期間も自治体で違う
住宅セーフティネット制度は、高齢・障害・ひとり親・低額所得などを理由に入居を断られやすい人のために、「拒まない賃貸住宅」を公的に登録する仕組みです。国土交通省は「賃貸人が都道府県・政令市・中核市に賃貸住宅を登録することができ」、都道府県等が「登録された住宅の情報を、住宅確保要配慮者の方々等に広く提供」すると説明しています。ところが、東京都では「東京ささエール住宅」という愛称で呼ばれ、家賃の補助は品川区が20年間を上限、北区が原則10年間と、期間が2倍違います。
仕組みは3層になっている
住宅セーフティネット制度の3つの層(国土交通省の説明から)
| 層 | 中身 |
|---|---|
| ①登録住宅 | 賃貸人が都道府県・政令市・中核市に登録する。登録された住宅の情報を都道府県等が広く提供する |
| ②専用住宅と経済的支援 | 要配慮者専用として登録した住宅に、家賃の一部を補助する事業がある。実施の有無・額・期間は市区町村ごとに違う |
| ③居住支援 | 居住支援法人が「情報提供・相談、見守りなどの生活支援、登録住宅の入居者への家賃債務保証等の業務」を行う。居住支援協議会は地方公共団体・関係業者・居住支援団体等が連携する組織 |
出典:国土交通省の公表内容(2026年9月11日確認)。
探すときに見るのは①、お金の話は②、相談先は③です。この3つはそれぞれ別の窓口・別の一覧になっています。
呼び名が自治体で違う
品川区は「セーフティネット住宅とは、高齢者、障害者、子育て世帯など住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない賃貸住宅」とし、東京都では「東京ささエール住宅」という愛称と説明しています。
「セーフティネット住宅」で自分の住む地域のページを探して出てこないときは、愛称で探します。都道府県が独自の名前をつけている場合があります。
杉並区は案内そのものを「賃貸人向け」と「賃借人向け」に分けています。借りたい側と貸したい側でページが違うので、貸す側の説明を読んで「自分は対象外だ」と誤解しないようにします。
誰が「住宅確保要配慮者」か
国土交通省は、法律で定められた対象を「低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯」とし、省令により外国人等も追加、さらに地方公共団体が計画を定めることで「新婚世帯など」さらに拡大できるとしています。
つまり、対象の範囲そのものが自治体で違います。
品川区が公表している家賃低廉化補助の入居対象者
| 区分 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 高齢者 | 「65歳以上の単身世帯または構成員が全員65歳以上である世帯の者」 |
| 障害者 | 「単身世帯の障害者(身体障害者手帳1級から4級まで、精神障害者保健福祉手帳1級から3級まで、愛の手帳1度から4度の者)」 |
| ひとり親世帯 | 「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子と母または父のみの世帯」の者 |
| 所得 | 「入居世帯の所得が15万8千円以下であること」 |
| 居住年数 | 「区内に継続して2年以上居住していること」 |
出典:品川区の公表内容(2026年9月11日確認)。これは品川区の家賃低廉化補助の要件です。他の市区町村では異なります。本サイトが対象かどうかを判定するものではありません。
「区内に継続して2年以上居住していること」のような、その自治体独自の要件が入ることがあります。引っ越してすぐには使えない、という意味になります。
令和7年に2つ変わった
改正住宅セーフティネット法で新しくなったもの
| 何が | いつから | 内容 |
|---|---|---|
| 居住サポート住宅の認定制度 | 令和7年10月1日 | 居住支援法人等が大家と連携し、日常の安否確認・訪問等による見守り・福祉サービスへのつなぎを行う住宅 |
| 残置物処理等業務の認可制度 | 準備行為は令和7年7月1日 | 「孤独死や死亡時の残置物処理、家賃滞納等に対する懸念」への対応 |
| 認定家賃債務保証業者制度 | 準備行為は令和7年7月1日 | 同上 |
出典:国土交通省の報道発表および公表内容(2026年9月11日確認)。
この3つは、少し前に書かれた賃貸の解説には載っていません。「高齢だと借りられない」という前提が、制度の側から動いています。→ 居住サポート住宅/残置物処理と家賃債務保証
状況ごとの入口
いま住むところを探している
家賃の負担を下げたい
保証人がいない
一人暮らしの親が借りられるか不安
大家として空き室を活用したい
公営住宅も検討している
よくある取りこぼし
「セーフティネット住宅」で検索して見つからず、無い制度だと思った
東京都では「東京ささエール住宅」という愛称です。
賃貸人向けのページを読んで、自分には関係ないと思った
杉並区は賃貸人向けと賃借人向けで案内を分けています。
登録住宅なら必ず家賃補助があると思った
補助の対象は「専用住宅」として登録された住宅です(北区)。
引っ越してすぐに補助を申し込もうとした
品川区は「区内に継続して2年以上居住していること」を要件にしています。
補助の期間はどこも同じだと思った
品川区は20年間を上限、北区は原則10年間としています。
自分は対象外だと決めつけた
国土交通省は地方公共団体が計画を定めて対象を拡大できるとしています。
住むところが決まったあとに、期限が走るもの
ここから先は公的な制度の話ではありません。住むところが決まってから動かすと間に合わないのが、インターネット回線です。回線の開通工事は申し込みから数週間かかることがあり、引越しが集中する時期はさらに延びます。入居日に間に合わせるには、契約が決まった時点で提供状況を確かめておく必要があります。
賃貸の場合は、建物にすでに設備が入っているかどうかで工事の要否が変わります。入居前に管理会社に確認しておくと、開通までの日数が読めます。
住所と建物名で、回線の提供状況と工事の要否を確認する
ここから先は公的な制度ではなく、民間サービスの申し込みです。提供可否と工事内容は事業者の判定によります。賃貸の場合は契約前に管理会社・所有者の許可をご確認ください。
- 料金・工事費・提供エリアは各社公式サイトの最新情報をご確認ください
- 工事の可否は建物の設備状況により異なります
- 賃貸の場合は契約前に管理会社・所有者の許可をご確認ください
工事の段取りと、賃貸で断られたときの進め方は別にまとめています。→ 賃貸の回線工事と手続き
→ 断らない賃貸を公的に登録する仕組み/探し方と専用住宅の違い/専用住宅と家賃低廉化補助/居住支援法人と協議会/居住サポート住宅(令和7年10月〜)/残置物処理と家賃債務保証
住むところが決まったら必要になるもの:光回線・ホームルーター選び/引越し・新生活の初期費用/賃貸の回線工事と手続き/カーリース・車のサブスク比較
関連する公的手続き:転入届の日の窓口/公営住宅の収入申告/減免・免除の申請
確認に使った一次情報
- 国土交通省「住宅セーフティネット制度」国土交通省 住宅セーフティネット制度
- 国土交通省 報道発表「施行期日を定める政令を閣議決定」国土交通省 施行期日の政令
- 品川区「セーフティネット住宅・居住支援」品川区 居住支援
- 北区「セーフティネット住宅家賃低廉化補助事業」北区 家賃低廉化補助
- 東京都「居住支援法人」東京都 居住支援法人
- 杉並区「セーフティネット住宅」杉並区 セーフティネット住宅
いずれも2026年9月11日に確認した公表内容です。対象者の要件・所得の基準・補助の額と期間は、市区町村ごとに異なり、また制度の改正で変わります。本サイトでは不動産業者や家賃債務保証会社の比較は扱いません。
よくある疑問
セーフティネット住宅は誰でも借りられますか。
家賃はどれくらい安くなりますか。
どこで探せますか。
保証人がいなくても借りられますか。
居住サポート住宅とは何ですか。
住宅セーフティネット制度の手引きの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。