額は同じでも、期間と要件が違う
家賃低廉化補助は、専用住宅として登録された民間賃貸住宅の賃貸人に対して、家賃の一部を補助する事業です(北区)。実測した2区はどちらも限度額が月4万円でしたが、期間は北区が原則10年間、品川区が20年間を上限と2倍違いました。そして入居者側の要件も、品川区は所得と居住年数の両方を置いています。
補助を受けるのは誰か
北区は「『専用住宅』として登録された民間賃貸住宅の賃貸人に対し、当該住宅の家賃の一部を補助します」としています。
お金を受け取るのは大家です。入居者が申請して振り込まれる制度ではありません。そのぶん家賃が下がるという形になります。
つまり、入居希望者が自分で申請して使う制度ではなく、「補助を受けている物件を探す」制度です。→ 探し方と専用住宅の違い
2区の比較
実測した2区の家賃低廉化補助(2026年9月11日確認)
| 北区 | 品川区 | |
|---|---|---|
| 限度額 | 「一住戸当たりの限度額4万円/月」 | 「補助限度額:1戸あたり最大4万円/月」 |
| 期間 | 「原則10年間」 | 「補助期間:20年間を上限」 |
| 対象 | 専用住宅として登録された民間賃貸住宅の賃貸人 | 同様。入居者側に所得・居住年数の要件あり |
出典:北区・品川区の公表内容(2026年9月11日確認)。実施の有無・額・期間・要件は市区町村ごとに異なります。本サイトが対象かどうかを判定するものではありません。
額が同じでも期間が違うということは、物件が制度から外れるまでの年数が違うということです。長く住むつもりなら、ここは見ておく価値があります。
入居者側の要件
品川区は、入居対象者と所得・居住年数の要件を公表しています。
品川区が公表している要件
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 高齢者 | 「65歳以上の単身世帯または構成員が全員65歳以上である世帯の者」 |
| 障害者 | 「単身世帯の障害者(身体障害者手帳1級から4級まで、精神障害者保健福祉手帳1級から3級まで、愛の手帳1度から4度の者)」 |
| ひとり親世帯 | 「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子と母または父のみの世帯」の者 |
| 所得 | 「入居世帯の所得が15万8千円以下であること」 |
| 居住実績 | 「区内に継続して2年以上居住していること」 |
出典:品川区の公表内容(2026年9月11日確認)。これは品川区の要件です。他の市区町村では異なります。
「区内に継続して2年以上居住していること」は、その自治体独自の要件です。他の市区町村から移ってすぐには使えない、という意味になります。
障害者について「単身世帯の障害者」としている点も、区ごとの定め方の一例です。本サイトは対象かどうかを判定しません。お住まいの市区町村にご確認ください。
貸す側から見た場合
杉並区は案内を「空き家・空き室をセーフティネット住宅に活用してくださる方へ(賃貸人向け)」と「家賃低廉化補助制度を活用した住まいをお探しの方へ(賃借人向け)」に分けています。
空き室を抱えている側にとっては、専用住宅として登録することで補助を受けられる仕組みです。ただし専用住宅にすると、入居できる人が要配慮者に限られます。
相続などで賃貸物件を持つことになった場合も、この制度が選択肢に入ります。→ 空き家の除却補助金
よくある取りこぼし
入居者が補助を申請すると思っていた
北区は「賃貸人に対し」補助すると明記しています。
どの自治体も同じ条件だと思った
北区は原則10年間、品川区は20年間を上限です。
引っ越してすぐに申し込もうとした
品川区は「区内に継続して2年以上居住していること」を要件にしています。
登録住宅なら補助があると思った
補助の対象は専用住宅です(北区)。
自分の市区町村に制度があるか確かめなかった
実施の有無そのものが市区町村ごとに違います。
所得の基準を他の制度と同じだと思った
品川区は「15万8千円以下」としています。基準は制度ごと・自治体ごとに違います。
→ 断らない賃貸を公的に登録する仕組み/探し方と専用住宅の違い/専用住宅と家賃低廉化補助/居住支援法人と協議会/居住サポート住宅(令和7年10月〜)/残置物処理と家賃債務保証
住むところが決まったら必要になるもの:光回線・ホームルーター選び/引越し・新生活の初期費用/賃貸の回線工事と手続き/カーリース・車のサブスク比較
関連する公的手続き:転入届の日の窓口/公営住宅の収入申告/減免・免除の申請
確認に使った一次情報
- 国土交通省「住宅セーフティネット制度」国土交通省 住宅セーフティネット制度
- 国土交通省 報道発表「施行期日を定める政令を閣議決定」国土交通省 施行期日の政令
- 品川区「セーフティネット住宅・居住支援」品川区 居住支援
- 北区「セーフティネット住宅家賃低廉化補助事業」北区 家賃低廉化補助
- 東京都「居住支援法人」東京都 居住支援法人
- 杉並区「セーフティネット住宅」杉並区 セーフティネット住宅
いずれも2026年9月11日に確認した公表内容です。対象者の要件・所得の基準・補助の額と期間は、市区町村ごとに異なり、また制度の改正で変わります。本サイトでは不動産業者や家賃債務保証会社の比較は扱いません。
よくある疑問
補助はいくらですか。
自分は対象になりますか。
補助が終わったら家賃は上がりますか。
大家として登録するにはどうしますか。
専用住宅にすると誰でも入居させられなくなりますか。
住宅セーフティネット制度の手引きの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。