同じ「安くなる」でも、申請が要るものと要らないものがある
収入が減ったとき、税や保険料が安くなる仕組みがあります。ただし「軽減」と「減免」は別のものです。軽減は所得の情報から自動で適用されることがあり、減免は自分から申請しないと適用されません。渋谷区は義務教育就学前の均等割額減額について「申請は必要ありません。」と書いています。いっぽう目黒区の住民税の減免は「納期限(必着)までに」申請が要ります。そして窓口が全部別々です。
「軽減」と「減免」の違い
同じ「安くなる」でも仕組みが違う
| 軽減 | 減免 | |
|---|---|---|
| きっかけ | 所得の情報などから自動で判定されることがある | 自分から申請する |
| 申請 | 要らないものがある(渋谷区「申請は必要ありません。」) | 必ず要る |
| 前提 | 申告をしていること(確定申告・住民税申告) | 事由に当てはまること(災害・失業・生活保護など) |
| 期限 | 年度単位で自動 | 納期限まで、など短い期限がある |
| 審査 | 基準額との比較 | 収入・預貯金を見る個別審査 |
出典:渋谷区・目黒区・世田谷区の公表内容(2026年9月10日確認)。取り扱いは市区町村ごとに異なります。
ここを取り違えると、待っていても何も起きません。「そのうち安くなるはず」と思っていた分が、じつは申請しないと適用されない減免だった、という取りこぼしが起きます。
ただし、軽減にも前提があります。所得の情報が役所に無いと判定できないため、収入が無くても申告は必要です。渋谷区は均等割額軽減の必要書類として「確定申告または住民税申告」を挙げています。
窓口が全部別々
どこに行くのか(東京都内の例)
| 制度 | 窓口 | 申請 |
|---|---|---|
| 住民税の減免 | 市区町村の税務課 | 要る |
| 国民健康保険料 | 市区町村の国保年金課 | 軽減は不要なものあり/減免は要る |
| 窓口で払う医療費(一部負担金) | 市区町村の国保年金課(保険給付の係) | 要る |
| 介護保険料 | 市区町村の介護保険課 | 要る |
| 自動車税・軽自動車税 | 都道府県税事務所(軽自動車は市区町村) | 要る |
| 水道・下水道料金 | 水道局の営業所 | 要る |
出典:目黒区・渋谷区・世田谷区・東京都主税局・東京都水道局の公表内容(2026年9月10日確認)。東京23区は水道と都税が都の所管で、区役所ではありません。
ひとつの窓口でまとめて手続きすることはできません。同じ事由(失業、災害)で複数の制度に当てはまることが多いのに、申請先はそれぞれ別です。ひとつ通ったからといって、他が自動で通るわけではありません。
期限がいちばん危ない
期限(公表されている例)
| 制度 | 期限 |
|---|---|
| 住民税の減免(目黒区) | 「納期限(必着)までに」 |
| 住民税の減免・災害(目黒区) | 「当該災害があった日の翌日から起算して3か月以内」 |
| 自動車税の減免・既に持っている車(東京都) | 「4月1日から5月31日まで」 |
| 自動車税の減免・新規登録(東京都) | 「登録(取得)の日から1か月以内」 |
| 産前産後期間の保険料免除(渋谷区) | 「出産予定日の6か月前から届出ができます。出産後の届出も可能」 |
| 一部負担金の減免(世田谷区) | 原則は治療前。徴収猶予は「緊急やむを得ない特別の理由があれば受けた後でも申請できます」 |
出典:目黒区・渋谷区・世田谷区・東京都主税局の公表内容(2026年9月10日確認)。期限は市区町村ごとに異なります。
納期限を過ぎてから相談しても、その分は減免できないことがあります。納付書が届いて「払えない」と思った時点が、いちばん早い相談の機会です。
共通する進め方
どの制度でも共通する順番
- 納付書・通知書を手元に置く何の税・保険料か、納期限はいつかを確認します。
- その制度の担当課に電話する目黒区は「事前にお電話にて必ずご相談ください。」としています。
- 事由を伝える災害・失業・廃業・生活保護・障害など。事由で書類が変わります。
- 様式をもらう減免申請書の様式は、窓口または自治体サイトで配布されています。
- 収入と預貯金の資料をそろえる世帯全員分を求められることがあります。
- 納期限までに出す郵送の場合は必着かどうかを確認してください。
目黒区は住民税の減免についてこう書いています。
事前にお電話にて必ずご相談ください。状況をお伺いしながら、減免対象見込みの方に減免申請書等の必要書類をご案内いたします
出典:目黒区「住民税の減免」
様式を先に取りに行くより、電話が早いことがあります。事由によって出す書類が変わるためです。
状況ごとの入口
医療費の窓口負担が払えない
災害で家が壊れた
障害者手帳を持っていて車を使う
古い家を建て替えた・耐震改修をした
災害で被害を受けた
生活保護や児童扶養手当を受けている
出産する/した
よくある取りこぼし
「軽減」と「減免」を同じものだと思った
軽減は申請が要らないことがあり、減免は必ず申請が要ります。待っていても減免は始まりません。
収入が無いので申告をしなかった
所得の情報が無いと軽減の判定ができません。渋谷区は均等割額軽減の必要書類に「確定申告または住民税申告」を挙げています。
ひとつの窓口で全部できると思った
税務課・国保年金課・介護保険課・都税事務所・水道局とすべて別です。
納期限を過ぎてから相談した
目黒区は「納期限(必着)までに」としています。
保険料の減免と、医療費の減免を混同した
別の制度です。窓口で払う一部負担金には、それ専用の減免があります。
世帯のうち本人の分だけ資料を出した
世帯全員の収入・預貯金を見る制度があります。目黒区の介護保険料の減額は「生計を共にしている世帯員全員」を要件にしています。
→ 「軽減」と「減免」は別のもの/住民税の減免/国民健康保険料の軽減と減免/窓口で払う医療費の減免/介護保険料の減免/水道・下水道料金の減免
ほかのクラスタで扱っているもの:自動車税・軽自動車税の減免/耐震改修後の固定資産税の減額/被災したときの税と保険料の減免/就学援助
確認に使った一次情報
- 目黒区「住民税の減免」目黒区 住民税の減免
- 渋谷区「国民健康保険料の軽減・減免」渋谷区 国民健康保険料の軽減・減免
- 世田谷区「国民健康保険 一部負担金の減免・徴収猶予」世田谷区 一部負担金の減免
- 目黒区「介護保険料の減額・免除」目黒区 介護保険料の減額・免除
- 東京都主税局「自動車税種別割の減免」東京都主税局 自動車税種別割の減免
- 東京都主税局「耐震化のための固定資産税・都市計画税の減免」東京都主税局 耐震化のための減免
- 東京都水道局「水道料金・下水道料金の減免」東京都水道局 料金の減免
よくある疑問
申請しないと安くなりませんか。
いつまでに申請すればよいですか。
ひとつの窓口でまとめて申請できますか。
収入がありませんが、申告は必要ですか。
私は減免の対象になりますか。
減免・免除の申請ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。