工事のあとにもう一つ手続きがある
耐震改修が終わったら、それで完了ではありません。固定資産税の減額制度があり、申告すると税が軽くなります。ただし申告しないと適用されません。三鷹市は申告期限を改修完了後「原則3カ月以内」としています。補助金の実績報告とは別の手続きで、担当課も違います。
制度のしくみ
一定の要件を満たす耐震改修をした住宅は、家屋の固定資産税が一定期間、一定割合減額されます。国土交通省も耐震化の支援について「補助金受領後は固定資産税の減免も可能」としています。
ただし自動では適用されません。市区町村に申告する必要があります。
三鷹市の要件
住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額(三鷹市の記載)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象住宅 | 昭和57年1月1日以前に建てられた住宅であること |
| 工事の内容 | 国の現行耐震基準への適合 |
| 工事費 | 耐震改修に要した費用が50万円超であること |
| 改修時期 | 平成25年1月1日から令和13年3月31日までに実施 |
| 申告期限 | 改修完了後、原則3カ月以内 |
出典:三鷹市「住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額制度」(2026年9月10日確認)。これは三鷹市の記載です。運用と期限は市区町村ごとに確認してください。
「昭和57年1月1日以前」という書き方に注意してください。補助金の要綱が「昭和56年5月31日以前の建築確認」や「平成12年5月31日以前」で線を引くのに対し、税の制度は別の基準日を使っています。→ 2つの年で分かれる
減額の割合と期間
減額の内容(三鷹市の記載)
| 区分 | 割合 | 期間 |
|---|---|---|
| 通常の住宅 | 2分の1 | 1年度分 |
| 通行障害既存耐震不適格建築物 | 2分の1 | 2年度分 |
| 認定長期優良住宅 | 3分の2 | — |
出典:三鷹市の公表内容。減額されるのは家屋の固定資産税で、土地は対象外です。床面積に上限が設けられていることがあります。詳しくは市区町村の窓口へ。
「通行障害既存耐震不適格建築物」は、地震のときに道路をふさぐおそれがある建物です。補助金の「沿道住宅」と近い考え方で、こちらは期間が長くなっています。
申告と必要書類
三鷹市が挙げている提出書類は次のとおりです。
三鷹市の提出書類
- 住宅の耐震改修に伴う固定資産税減額申告書
- 増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書
「増改築等工事証明書」「住宅耐震改修証明書」は、工事をした建築士・指定確認検査機関などが発行する書類です。工事が終わってから頼むと時間がかかります。契約の段階で「証明書を出してもらえるか」を確認しておいてください。
そして申告期限は改修完了後「原則3カ月以内」です。工事の片付けをしているうちに過ぎます。
補助金の手続きとは別
2つの手続きの違い
| 補助金の実績報告 | 固定資産税の減額申告 | |
|---|---|---|
| 相手 | 建築・住宅担当課 | 資産税担当課 |
| 目的 | 補助金を受け取る | 税を軽くする |
| 期限 | 要綱による(年度内など) | 改修完了後、原則3カ月以内(三鷹市の例) |
| 書類 | 契約書・領収書・写真・完了検査 | 減額申告書+工事の証明書 |
| 自動で連携するか | しないと考えて動く | しないと考えて動く |
同じ市区町村でも担当課が違います。片方をやったからもう片方も済んでいる、ということにはなりません。
状況ごとの考え方
補助金を使って改修した
工事費が50万円以下だった
3か月を過ぎてしまった
証明書を出してもらえるか分からない
耐震改修と一緒にリフォームもした
バリアフリー改修や省エネ改修もした
よくある取りこぼし
申告を忘れた
自動では適用されません。三鷹市は「原則3カ月以内」としています。
補助金の手続きで済んだと思った
担当課が違います。別の手続きです。
証明書を用意していなかった
増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書が要ります。契約前に確認を。
工事費を分けていなかった
耐震改修に要した費用が50万円超という要件があります(三鷹市)。リフォームと混ざっていると示せません。
土地の税も減ると思っていた
減額されるのは家屋の固定資産税です。
確認の順序
工事のあとにやること
- 契約前に証明書の発行を確認するいちばん先。工事後では遅いことがあります。
- 工事を完了する工事監理・完了検査。
- 補助金の実績報告を出す建築・住宅担当課へ。
- 証明書を受け取る増改築等工事証明書または住宅耐震改修証明書。
- 資産税担当課に申告する改修完了後、原則3カ月以内(三鷹市の例)。
- 翌年度の課税明細を確認する減額されているか。
→ 耐震の補助は要綱で決まる/2つの年で分かれる/耐震診断と上部構造評点/補強設計と補強工事/契約より先に申請する/床下の腐朽と蟻害/全部は直せないとき/改修後の固定資産税の減額
確認に使った一次情報
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」国土交通省 住宅・建築物の耐震化について
- 国土交通省 みんな安心住まいサポートセンター「<新耐震基準>を満たす住宅とはどういう意味ですか」https://renkei-sb.mlit.go.jp/
- 東京都耐震ポータルサイト「戸建住宅の耐震診断」東京都耐震ポータルサイト 戸建住宅の耐震診断
- 横須賀市「木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業」横須賀市 木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業
- 横浜市「木造住宅の無料耐震診断」横浜市 木造住宅の無料耐震診断
- 三鷹市「住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額制度」三鷹市 住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額制度
よくある疑問
どのくらい税が安くなりますか。
補助金を使わずに自費で改修した場合も対象になりますか。
申告期限を過ぎたらどうなりますか。
増改築等工事証明書は誰が出しますか。
土地の固定資産税も安くなりますか。
木造住宅の耐震補助ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。