見積もりはよい。契約がだめ
耐震補助でいちばん多い取りこぼしは、条件に合わないことではありません。順番を逆にすることです。横須賀市は「補助金交付決定前に着手(施工業者と契約)した場合、補助対象外となります」と明記しています。見積もりを取るのは問題ありません。契約書に印を押す前に、交付決定を待つ必要があります。
なぜ順番が決まっているのか
補助金は「その補助が無ければ実行されなかった事業」に出すものだからです。すでに契約が済んでいるなら、補助が無くてもやるつもりだった、と扱われます。自治体の補助金に広くある考え方で、耐震に限りません。
だから要綱には、「交付決定前に着手した事業は補助対象としない」という趣旨の条文が置かれています。
横須賀市の記載
補助金交付決定前に着手(施工業者と契約)した場合、補助対象外となります
出典:横須賀市「木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業」
「着手」を「施工業者と契約」と書いているのが要点です。工事を始めた日ではなく、契約した日で見られます。着工前でも、契約済みなら対象外になります。
交付決定の前にやってよいこと
契約の前にできること
- 複数の業者から見積もりを取る
- 現地を見てもらう
- 補強設計を作る(補強設計の補助を受けている場合はその手順に従う)
- 工事の時期を業者と相談する(契約はしない)
- 家財の整理を始める(工事の範囲を空ける)
- 市区町村の窓口に相談する
- 資金計画を立てる
申請には見積書が必要になるのが通常です。つまり、見積もりを取ることは前提として組み込まれています。問題になるのは契約と着工です。
段階ごとに申請する
耐震補助は3段階に分かれているので、申請も段階ごとです。診断の補助を受けたからといって、工事の補助が自動で付くわけではありません。
横須賀市の3段階に沿った流れ
- ステップ1 耐震診断を申請する診断を受ける前に申請します。
- 診断を受ける評点が出ます。→ 耐震診断と上部構造評点
- ステップ2 補強図面の作成を申請する評点1未満が対象。
- 補強設計ができる→ 補強設計と補強工事
- 見積もりを取る契約はしない。
- ステップ3 補強工事を申請する見積書・補強図面を添えて。
- 交付決定を待つここまで契約しない。
- 契約・着工・工事監理・完了実績報告を出します。
年度の締切と予算枠
市区町村の補助は年度単位で、予算枠があります。条件を満たしていても、枠が埋まれば終わります。横浜市は木造住宅の無料耐震診断について、受付締切と診断実施の最終日を明示しています。
時期について確認すること
- 今年度の受付は始まっているか
- いつまでに申請すればよいか
- 予算枠が残っているか
- 工事の完了はいつまでか(年度内が条件のことがある)
- 実績報告の期限
- 年度をまたぐ工事はできるか
3段階を1年度で全部やるのは難しいことがあります。診断は今年度、設計と工事は来年度、という進め方になる場合があります。窓口で確認してください。
補助金は後払い
補助金は工事が終わって実績報告を出したあとに支払われるのが通常です。つまり、工事費はいったん自分で全額用意する必要があります。
市区町村によっては、業者が補助金を代わりに受け取る「代理受領」の仕組みを置いていることがあります。これがあると、自己負担分だけを業者に払えばよくなります。使えるかどうかは要綱で確認してください。
迷いやすい場面
業者から「先に契約すれば安くする」と言われた
口約束だけしている
先に診断だけ自費で受けた
リフォームと同時にやりたい
年度末が近い
急いで直したい理由がある
よくある取りこぼし
交付決定前に契約した
横須賀市は対象外としています。取り消せません。
着工していないから大丈夫だと思った
横須賀市は「着手(施工業者と契約)」と書いています。契約の時点で判断されます。
段階ごとの申請だと知らなかった
診断・設計・工事はそれぞれ別に申請します。
予算枠が埋まっていた
年度の前半に動くほうが確実です。
工事費を先に用意していなかった
補助金は後払いが通常です。代理受領の仕組みがあるか確認してください。
確認の順序
順番を間違えないために
- 市区町村の窓口に電話するいちばん先。受付状況と締切。
- 要綱を読む交付決定前の着手についてどう書いてあるか。
- 見積もりを取る契約はしない。
- 申請する書類の不足で戻されると締切に響きます。
- 交付決定を待つここまで契約しない。
- 契約・着工交付決定の後。
- 実績報告を出す期限があります。
→ 耐震の補助は要綱で決まる/2つの年で分かれる/耐震診断と上部構造評点/補強設計と補強工事/契約より先に申請する/床下の腐朽と蟻害/全部は直せないとき/改修後の固定資産税の減額
確認に使った一次情報
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」国土交通省 住宅・建築物の耐震化について
- 国土交通省 みんな安心住まいサポートセンター「<新耐震基準>を満たす住宅とはどういう意味ですか」https://renkei-sb.mlit.go.jp/
- 東京都耐震ポータルサイト「戸建住宅の耐震診断」東京都耐震ポータルサイト 戸建住宅の耐震診断
- 横須賀市「木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業」横須賀市 木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業
- 横浜市「木造住宅の無料耐震診断」横浜市 木造住宅の無料耐震診断
- 三鷹市「住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額制度」三鷹市 住宅の耐震改修に伴う固定資産税の減額制度
よくある疑問
見積もりを取ることも「着手」になりますか。
交付決定はどのくらいで出ますか。
契約を解除してやり直せば対象になりますか。
補助金はいつ振り込まれますか。
3段階を1年でやらないといけませんか。
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一次情報の確認先
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