最初に取るのはり災証明書
災害で家が被害を受けたあと、片付けもお金も解体も、ほぼ全部が「り災証明書」から始まります。内閣府は、被害認定調査で認定された被害の程度が「様々な被災者支援策の適用の判断材料となる罹災証明書の基礎資料に使われます」としています。つまり、判定の区分が決まらないと、どの制度が使えるかも決まりません。
なぜり災証明書が起点なのか
内閣府は被害認定調査をこう説明しています。
地震や風水害等の自然災害により被害のあった住宅について、内閣府の定める「災害の被害認定基準」等に基づき、全壊、半壊等の「被害の程度」を認定する調査
出典:内閣府「被害認定に関するQ&A」
この調査の結果がり災証明書に書かれ、その区分によって使える制度が変わります。支援金も、解体も、税の減免も、ほとんどが区分を見て決まります。だから最初に取ります。
被害認定の区分
住家の被害認定の区分(内閣府・損害基準判定)
| 区分 | 損害割合 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 準半壊に至らない(一部損壊) | 10%未満 |
出典:内閣府(防災担当)。判定は「住家の主要な構成要素の経済的被害の住家全体に占める損害割合」にもとづきます。この区分が、その後に使える制度をほぼ全部決めます。
「半壊」と「準半壊」の差は損害割合10ポイントですが、その後に使える制度は大きく変わります。判定に納得がいかない場合、再調査を依頼できます。→ 被害認定と再調査
制度の地図
災害後の制度は、5つのかたまりに分かれます。担当課がそれぞれ違うので、1か所で全部は終わりません。
災害のあとに関わる制度
| かたまり | 中身 | だいたいの窓口 |
|---|---|---|
| ①証明 | り災証明書/被災証明書 | 市区町村(防災・税務など) |
| ②片付け | 災害ごみの仮置場/処理手数料の減免 | 市区町村(ごみ担当) |
| ③建物 | 公費解体/自費解体の費用償還/住宅の応急修理 | 市区町村・都道府県 |
| ④お金 | 被災者生活再建支援金/災害弔慰金/災害障害見舞金/災害援護資金/生活福祉資金 | 市区町村・社会福祉協議会 |
| ⑤減免 | 地方税・国税の特別措置/医療保険等の減免 | 市区町村・税務署・各保険者 |
出典:内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)の区分から整理。どの制度がその災害に適用されるかは、災害ごとに決まります。
動く順番
順番を間違えないために
- 写真を撮る片付ける前に。これが最初です。被害の状況が分かる写真は、あとから撮り直せません。
- り災証明書を申請する被害認定調査を受けます。→ り災証明書と被災証明書
- ごみの減免を申請する期限があります。平塚市は「被害に遭われた日から90日以内に申請」。→ 災害ごみと手数料の減免
- 判定を確認する納得がいかなければ再調査を依頼できます。→ 被害認定と再調査
- 建物をどうするか決める解体か、修理か。→ 公費解体と自費解体
- お金の制度を申請する→ 使えるお金の制度
- 税と保険料の減免を申請する→ 税と保険料の減免
いちばん取り返しがつかないのは、写真を撮る前に片付けてしまうことです。片付けたい気持ちは自然ですが、先に撮ってください。
窓口が分かれている
同じ市区町村の中でも、担当課が全部違います。「災害の窓口」が1つにまとまっている自治体もありますが、そうでないことも多いです。
市区町村で聞くこと
- り災証明書の申請はどこか(防災課・税務課・市民課など市区町村で違う)
- 災害ごみの仮置場はどこに開設されているか
- ごみの処理手数料の減免はどこか(ごみ担当課)
- 公費解体の受付があるか(環境・廃棄物担当)
- 被災者生活再建支援金の窓口はどこか
- 税・保険料の減免の窓口はどこか(税務課・国保年金課・介護保険課)
- 災害時の総合相談窓口が開設されているか
状況ごとの入口
床上浸水した
屋根が飛んだ/壁が壊れた
家は無事だが、カーポートや車が壊れた
大量の家財を捨てなければならない
建物を解体するしかない
生活の目処が立たない
よくある取りこぼし
写真を撮る前に片付けた
これがいちばん多い取りこぼしです。被害の程度を示すものが無くなります。床上浸水は水の跡が消えると証明が難しくなります。
り災証明書を後回しにした
ほとんどの制度がり災証明書を前提にしています。先に取ってください。
ごみの減免の期限を過ぎた
平塚市は「被害に遭われた日から90日以内に申請」としています。災害の片付けをしているうちに過ぎます。
判定に納得できないまま受け取った
内閣府は「調査を行った市区町村に再調査を依頼することができます」としています。
窓口が1つだと思っていた
担当課が分かれています。証明・ごみ・解体・お金・税で、それぞれ別です。
→ り災証明書から始まる/り災証明書と被災証明書/被害認定と再調査/災害ごみと手数料の減免/公費解体と自費解体/使えるお金の制度/税と保険料の減免
確認に使った一次情報
- 内閣府(防災担当)「災害に係る住家の被害認定」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/r203kaitei.pdf
- 内閣府「被害認定に関するQ&A」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/higai_qa.pdf
- 内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)内閣府 被災者支援に関する各種制度の概要
- 内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」内閣府 被災者生活再建支援制度の概要
- 妙高市「罹災証明書と被災証明書について」妙高市 罹災証明書と被災証明書について
- 平塚市「火災や風水害等により家庭から生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について」平塚市 一般廃棄物の処理手数料の減免
- 石川県「被災建物の解体・撤去(公費解体)について」石川県 被災建物の解体・撤去(公費解体)
- 石川県「被災建物の自費解体(解体費用の立替えと払戻し)について」石川県 被災建物の自費解体
よくある疑問
り災証明書はいつまでに申請すればよいですか。
火災でもり災証明書は出ますか。
賃貸に住んでいますが対象になりますか。
どの制度が使えるかは誰が教えてくれますか。
会社や店舗の被害も同じ手続きですか。
災害のあとの手続きガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。