判定はやり直しを求められる
り災証明書に書かれる被害の程度は、住家被害認定調査で決まります。調査には第1次と第2次があり、見る範囲が違います。そして内閣府は、「納得がいかない点を明らかにした上で、調査を行った市区町村に再調査を依頼することができます」と明記しています。1回目の結果で終わりではありません。
損害割合で決まる
住家の被害認定の区分(内閣府・損害基準判定)
| 区分 | 損害割合 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 準半壊に至らない(一部損壊) | 10%未満 |
出典:内閣府(防災担当)。判定は「住家の主要な構成要素の経済的被害の住家全体に占める損害割合」にもとづきます。この区分が、その後に使える制度をほぼ全部決めます。
この区分が、その後に使える制度をほぼ全部決めます。被災者生活再建支援制度は全壊・解体・長期避難・大規模半壊・中規模半壊が対象で、公費解体は石川県の例では全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊が対象でした。「準半壊」と「半壊」の間に、大きな段差があります。
第1次調査
内閣府のQ&Aによれば、地震の第1次調査は次のとおりです。
第1次調査で見るもの(内閣府の記載)
- 外観の損傷把握(目視)
- 住宅の傾斜の計測
- 屋根・外壁・基礎の損傷把握
外から見て分かる範囲です。家の中に入りません。だから、外は無事でも中がひどい、という被害は第1次調査では拾いきれないことがあります。
第2次調査
第1次調査と同様の調査に加え、被災者の立会いの下、住宅内部に立ち入り、内壁、天井、床、柱、建具、設備の損傷の把握(目視)を行
出典:内閣府「被害認定に関するQ&A」
第1次調査と第2次調査の違い(内閣府の記載から)
| 第1次調査 | 第2次調査 | |
|---|---|---|
| 立会い | 不要のことがある | 被災者の立会いの下 |
| 住宅内部 | 入らない | 立ち入る |
| 見るもの | 外観の損傷、住宅の傾斜、屋根・外壁・基礎 | 左に加えて、内壁・天井・床・柱・建具・設備 |
| 向いている被害 | 外形的に分かる損傷 | 浸水・内部の損傷が中心の被害 |
出典:内閣府「被害認定に関するQ&A」。調査の呼び方や順序は市区町村の運用によって異なります。
浸水の被害は、外から見ても分かりにくいことがあります。床下・床上の状況、壁の内部、設備の被害は、中に入らないと分かりません。
再調査を依頼する
内閣府はこう書いています。
納得がいかない点を明らかにした上で、調査を行った市区町村に再調査を依頼することができます
出典:内閣府「被害認定に関するQ&A」
ここで大事なのは「納得がいかない点を明らかにした上で」の部分です。「納得できない」だけでは進みません。どこがどう見られていないと思うのか、を示す必要があります。
依頼するときに用意するもの
再調査の依頼で説明材料になるもの
- 被災直後の写真(片付ける前のもの。日付が分かるもの)
- 浸水の深さが分かる写真(壁の水の跡と、床からの高さが分かるように)
- 調査で見られなかった箇所(床下、天井裏、内壁、設備)
- 修理業者の見積書・所見
- 設備(給湯器・電気系統・水回り)の被害の記録
- 傾きを感じる箇所の記録
写真は、片付けたあとには撮れません。これが「片付ける前に撮る」と繰り返し言われる理由です。
判定が動きやすい場面
外観は無事だが、床上浸水していた
設備がほとんど使えなくなった
あとから傾きや不具合が分かった
自己判定方式で「一部損壊」にしてしまった
すでに修理してしまった
区分は変わらないと言われた
よくある取りこぼし
片付けてから再調査を依頼した
説明材料が無くなります。写真は片付ける前に。
「納得できない」とだけ伝えた
内閣府は「納得がいかない点を明らかにした上で」としています。どこが見られていないと思うのかを具体的に。
立会いをしなかった
第2次調査は「被災者の立会いの下」行われます。説明できる人が同席してください。
期限を確認しなかった
再調査の受付期間が設けられていることがあります。早めに窓口へ。
区分の意味を知らずに受け取った
区分でその後の制度が変わります。→ 使えるお金の制度
確認の順序
判定に向き合う
- 区分を確認する全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊のどれか。
- その区分で使える制度を確認する→ 使えるお金の制度
- 納得できるか考える調査で見られなかった箇所はないか。
- 材料を集める写真・見積書・業者の所見。
- 市区町村に再調査を依頼する納得がいかない点を明らかにして。
- 第2次調査には立ち会う内部の損傷を自分で説明できます。
→ り災証明書から始まる/り災証明書と被災証明書/被害認定と再調査/災害ごみと手数料の減免/公費解体と自費解体/使えるお金の制度/税と保険料の減免
確認に使った一次情報
- 内閣府(防災担当)「災害に係る住家の被害認定」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/r203kaitei.pdf
- 内閣府「被害認定に関するQ&A」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/higai_qa.pdf
- 内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)内閣府 被災者支援に関する各種制度の概要
- 内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」内閣府 被災者生活再建支援制度の概要
- 妙高市「罹災証明書と被災証明書について」妙高市 罹災証明書と被災証明書について
- 平塚市「火災や風水害等により家庭から生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について」平塚市 一般廃棄物の処理手数料の減免
- 石川県「被災建物の解体・撤去(公費解体)について」石川県 被災建物の解体・撤去(公費解体)
- 石川県「被災建物の自費解体(解体費用の立替えと払戻し)について」石川県 被災建物の自費解体
よくある疑問
再調査は必ず受けられますか。
再調査で区分が下がることはありますか。
損害割合はどうやって計算されますか。
浸水の深さで区分は決まりますか。
立会いには誰が行けばよいですか。
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一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。