片付けの費用には減免の制度がある
被災した家から出る家財は、量が多く、自分では運べません。市区町村は災害ごみの仮置場を開設し、処理手数料の減免制度を用意しています。ただし期限があります。平塚市は「被害に遭われた日から90日以内に申請」としたうえで、搬入も「減免の決定日から90日以内」に限るとしています。
仮置場と減免は別のもの
災害ごみをめぐる2つの仕組み
| 災害廃棄物の仮置場 | 処理手数料の減免 | |
|---|---|---|
| いつ開くか | その災害のときに市区町村が開設する | 制度として置かれている |
| 何をするか | 被災した家財をまとめて受け入れる場所 | 処理施設に搬入したときの手数料を免除する |
| 必要なもの | り災証明書などを求められることがある | り災証明書+減免申請書(平塚市) |
| 期限 | 開設期間が決まっている | 申請にも搬入にも期限がある |
| 担当 | 市区町村のごみ担当課 | 市区町村のごみ担当課 |
出典:平塚市の記載および各市区町村の公表内容から整理。仮置場が開設されるかどうかは、災害の規模と市区町村の判断によります。
大きな災害では仮置場が開き、小さな被害では減免だけ、という組み合わせになることがあります。どちらがあるかを、市区町村のごみ担当課に確認してください。
減免の中身
平塚市の制度を例に見ます。
処理手数料の減免(平塚市の記載)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 市内の一般家庭で、火災・風水害などに遭われた場合 |
| 含まれるもの | 店舗併用住宅は住宅部分のり災ごみ、賃貸アパートは居住者が排出するり災ごみ |
| 対象外 | 店舗や事業所 |
| 減免の内容 | 施設へ搬入した際のごみ処理手数料を免除 |
| 必要書類 | り(罹)災証明書(消防署または固定資産税課発行)/一般廃棄物処理手数料等減免申請書/本人確認書類/認め印(自署の場合は不要) |
| 決定まで | 審査後10日程度で決定通知書が郵送 |
出典:平塚市「火災や風水害等により家庭から生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について」。これは平塚市の例です。制度の有無・内容・期限は市区町村ごとに異なります。
ここで見落とされやすいのは、「免除されるのは施設に搬入したときの手数料」だという点です。運ぶ手段は自分で用意することになります。
2つの90日
平塚市の制度には、期限が2つあります。
平塚市の場合の時間の流れ
- 被害に遭うここが起点。
- 90日以内に申請する「被害に遭われた日から90日以内に申請」。り災証明書が要ります。
- 審査(10日程度)決定通知書が郵送されます。
- 決定日から90日以内に搬入する「決定通知書が届いた日以降で、減免の決定日から90日以内に施設に搬入した場合に限」る。
- 搬入する決定通知書を持参します。
「決定通知書が届いた日以降」という条件があるので、決定より前に運び込むと免除されません。先に片付けて搬入してしまうと、手数料を払うことになります。
対象外になるもの
平塚市は、次のものを受け入れの対象外としています。
平塚市が対象外に挙げているもの
- 産業廃棄物
- 家電リサイクル品(焼損していないものは受け入れ不可)
- 薬品・塗料
- ピアノ
- 消火器
- パソコン(焼損していないもの)
家電リサイクル品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は、災害でも別扱いになることが多い品目です。被災したかどうかで扱いが分かれます。仮置場では品目ごとに置き場が分かれているので、事前に何を持ち込めるかを確認してください。
運び出せないとき
減免があっても、家から施設まで運ぶ手段は別の問題です。浸水した家財は水を吸って重く、量も多くなります。高齢の世帯や、車を持っていない世帯では、そもそも運び出せません。
市区町村によっては戸別収集を行うことがありますが、災害の規模と時期によります。まず市区町村に「持ち出しに困っている」と伝えてください。そのうえで、民間の回収を使う場合は、減免の対象になるのは施設に搬入したときの手数料なので、運搬の費用とは別だという点に注意してください。
家から運び出す手段が無いとき
浸水した家財は重く量も多くなります。運び出しから対応する不用品回収があります。市区町村の減免制度と併せて検討してください。
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状況ごとの考え方
すぐに片付けたいが、証明書がまだ出ていない
賃貸に住んでいる
店舗併用住宅だった
家電リサイクル品を出したい
仮置場が開設されていない
量が多くて期限に間に合いそうにない
よくある取りこぼし
決定前に搬入した
平塚市は「決定通知書が届いた日以降」を条件にしています。免除されません。
90日を過ぎた
申請にも搬入にも期限があります。片付けに追われているうちに過ぎます。
運搬費も免除されると思っていた
免除されるのは施設に搬入したときの処理手数料です。運ぶ手段は別です。
写真を撮らずに捨てた
被害の程度を示す材料が無くなります。→ 被害認定と再調査
り災証明書の発行元を間違えた
平塚市は「消防署または固定資産税課発行」と書いています。火災と自然災害で発行元が違うことがあります。
確認の順序
片付けの前にやること
- 写真を撮るいちばん先。片付けたら撮れません。
- 市区町村のごみ担当課に電話する仮置場はあるか、減免はあるか、期限はいつか。
- り災証明書を申請する→ り災証明書と被災証明書
- 減免を申請する被害から90日以内(平塚市の例)。
- 決定通知書を待つ届く前に搬入しない。
- 運ぶ手段を決める自分で運ぶか、頼むか。
- 期限内に搬入する決定日から90日以内(平塚市の例)。
→ り災証明書から始まる/り災証明書と被災証明書/被害認定と再調査/災害ごみと手数料の減免/公費解体と自費解体/使えるお金の制度/税と保険料の減免
確認に使った一次情報
- 内閣府(防災担当)「災害に係る住家の被害認定」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/r203kaitei.pdf
- 内閣府「被害認定に関するQ&A」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/higai_qa.pdf
- 内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)内閣府 被災者支援に関する各種制度の概要
- 内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」内閣府 被災者生活再建支援制度の概要
- 妙高市「罹災証明書と被災証明書について」妙高市 罹災証明書と被災証明書について
- 平塚市「火災や風水害等により家庭から生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について」平塚市 一般廃棄物の処理手数料の減免
- 石川県「被災建物の解体・撤去(公費解体)について」石川県 被災建物の解体・撤去(公費解体)
- 石川県「被災建物の自費解体(解体費用の立替えと払戻し)について」石川県 被災建物の自費解体
よくある疑問
災害ごみは無料で処分できますか。
仮置場には誰でも持ち込めますか。
業者に頼んだ費用は減免されますか。
期限を過ぎたらどうなりますか。
災害ごみと普通の粗大ごみは分けるのですか。
災害のあとの手続きガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。