減免は自分で申請しないと動かない
災害で被害を受けたとき、税や保険料が減免される仕組みがあります。ただし、ほとんどが申請しないと適用されません。市区町村は「災害被害者に対する固定資産税の減免に関する要綱」といった名前の文書でこれを定めています。役所が被害を把握していても、税の減免が自動で付くわけではありません。
何が減免の対象になるか
内閣府の「被災者支援に関する各種制度の概要」は、税・保険料についてこう整理しています。
税・保険料の減免(内閣府の記載)
| 区分 | 対象 | 窓口 |
|---|---|---|
| 地方税の特別措置 | 被害を受けた納税者 | 市町村 |
| 国税の特別措置 | 被害を受けた納税者 | 税務署 |
| 医療保険等の減免 | 保険料支払困難な方 | 各保険者 |
出典:内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)。金額は「災害内容に応じて個別対応」とされています。
市区町村で相談できることが多いもの
- 固定資産税・都市計画税(家屋・償却資産・土地)
- 個人住民税
- 国民健康保険料(税)
- 介護保険料
- 後期高齢者医療保険料
- 国民年金保険料(免除・納付猶予)
- 保育料・上下水道料金(市区町村により)
担当課がそれぞれ違います。1か所で全部は終わりません。
要綱で決まっている
市区町村は、災害時の減免を要綱や規則で定めています。実際に確認できる名称の例としては、「災害被害者等に対する市税に対する減免措置要綱」「災害による固定資産税の減免に関する要綱」「市税災害減免要綱」といったものがあります。
要綱には、被害の程度と減免の割合の対応が書かれているのが通常です。「全壊なら全部、半壊なら何割」という形で、り災証明書の区分に対応させている自治体が多くあります。だからここでも、判定の区分が効いてきます。→ 被害認定と再調査
市区町村名+「災害 減免 要綱」で探すと、要綱そのものが出てきます。案内ページより条件が細かく書かれています。
申請が要る
これがいちばん見落とされます。役所が被害認定調査に来ていても、税の減免は別の手続きです。担当課が違うので、情報が自動で回るとは限りません。
減免を受けるまで
- り災証明書を取る→ り災証明書と被災証明書
- 担当課ごとに窓口を回る税務課/国保年金課/介護保険課など。
- 減免の申請書を出すり災証明書の写しを添えるのが通常。
- 決定を待つ審査があります。
- 納期限に注意する申請中でも納期限は来ます。窓口で扱いを確認してください。
- 翌年度の課税も確認する建物を解体した場合は届出が要ります。
り災証明書との関係
減免の申請には、り災証明書が求められるのが通常です。先にり災証明書を取ってから、各担当課を回る、という順番になります。
証明書は提出先の数だけ必要になることがあります。税務課、国保年金課、介護保険課、支援金の窓口、保険会社。最初に多めに取っておくと、窓口に行く回数が減ります。
国税の特別措置
内閣府の資料は、国税の特別措置の窓口を税務署としています。市区町村ではありません。
所得税には、災害による損失を扱う仕組みがあります。どの方法が有利かは、被害の額と所得によって変わります。本サイトでは個別の税額計算には踏み込みません。税務署または税理士にご相談ください。
状況ごとの考え方
建物を解体した
賃貸に住んでいて家財だけ被害を受けた
収入が減ってしまった
納期限が近い
被害が一部損壊だった
複数の税・保険料がある
よくある取りこぼし
自動で減免されると思っていた
申請が要ります。被害認定調査に来たことと、税の減免は別の手続きです。
担当課を1つしか回らなかった
税務課・国保年金課・介護保険課などで別々です。
り災証明書を1通しか取らなかった
提出先の数だけ必要になることがあります。
納期限を過ぎた
申請中でも納期限は来ます。扱いを窓口で確認してください。
解体後の届出をしなかった
課税台帳に建物が残ったままだと、翌年度も課税されることがあります。
確認の順序
減免を取りこぼさない
- り災証明書を複数通取る提出先の数だけ。
- 市区町村の総合案内で担当課を聞く税・国保・介護・年金・水道など。
- 要綱を探す市区町村名+「災害 減免 要綱」。
- 担当課ごとに申請する1か所では終わりません。
- 納期限の扱いを確認する徴収の猶予があることもあります。
- 税務署にも相談する国税は税務署です。
- 翌年度の課税明細を確認する解体した場合は建物が消えているか。
→ り災証明書から始まる/り災証明書と被災証明書/被害認定と再調査/災害ごみと手数料の減免/公費解体と自費解体/使えるお金の制度/税と保険料の減免
確認に使った一次情報
- 内閣府(防災担当)「災害に係る住家の被害認定」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/r203kaitei.pdf
- 内閣府「被害認定に関するQ&A」https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/higai_qa.pdf
- 内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」(令和8年6月1日現在)内閣府 被災者支援に関する各種制度の概要
- 内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」内閣府 被災者生活再建支援制度の概要
- 妙高市「罹災証明書と被災証明書について」妙高市 罹災証明書と被災証明書について
- 平塚市「火災や風水害等により家庭から生じた一般廃棄物の処理手数料の減免について」平塚市 一般廃棄物の処理手数料の減免
- 石川県「被災建物の解体・撤去(公費解体)について」石川県 被災建物の解体・撤去(公費解体)
- 石川県「被災建物の自費解体(解体費用の立替えと払戻し)について」石川県 被災建物の自費解体
よくある疑問
減免はどのくらいの割合ですか。
申請しなくても減免されますか。
いつまでに申請すればよいですか。
国民健康保険料も減免されますか。
所得税はどうなりますか。
災害のあとの手続きガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。