65歳からの保険料は、年金から引かれていても減免できる
65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料は、多くの場合、年金から天引きされます。だから「手続きのしようがない」と思われがちです。けれども減免の制度はあります。目黒区は災害等による減額・免除と、所得段階1〜3段階の方向けの減額の2つを案内しています。ただし要件が細かく、預貯金の額まで見られます。
2つの減免
目黒区が案内している2つ
| 内容 | |
|---|---|
| 災害等特別な事情による減額・免除 | 災害・死亡・重大な障害・長期入院・失業・事業の廃止など |
| 所得段階1〜3段階の方向けの減額 | 生活困窮世帯(生活保護世帯を除く)が対象 |
出典:目黒区「介護保険料の減額・免除」(2026年9月10日確認)。制度の有無と要件は市区町村ごとに異なります。
2つ目に注意してください。「生活保護世帯を除く」と書かれています。生活保護を受けている方は、保険料の扱い自体が別になるためです。
災害等による減額・免除
目黒区が挙げている事情はこうです。
災害等特別な事情(目黒区の記載から)
- 「風水害・火災等の災害により、住宅・家財等に著しい損害を受けた場合」
- 「死亡または身体に重大な障害を受けた場合や長期入院したことにより、収入が著しく減少した場合」
- 「失業・事業の廃止等により、著しく減少した場合」
出典:目黒区「介護保険料の減額・免除」(2026年9月10日確認)。
「長期入院したことにより、収入が著しく減少した場合」が入っています。本人ではなく、生計を支えている方が入院した場合も想定されます。65歳以上でも働いている方、家族に支えられている方は、当てはまることがあります。
災害の場合は、り災証明書などの書類が必要になります。→ 被災したときの税と保険料の減免
所得段階1〜3段階の減額
介護保険料は、所得に応じた段階で決まります。そのいちばん低い1〜3段階の方について、さらに減額する仕組みです。目黒区の要件はこうです。
所得段階1〜3段階の減額要件(目黒区)
- 「生計を共にしている世帯員全員のひと月の平均収入額が生活保護基準月額の1.15倍以下」
- 「住民税が課税されている者に扶養されていないこと」
- 「本人及び同一生計世帯員に居住用以外の不動産がないこと」
- 「合計預貯金額が300万円以下」(ただし基準額の12か月分が300万円を超える場合はその額以下)
出典:目黒区「介護保険料の減額・免除」(2026年9月10日確認)。金額と倍率は市区町村ごとに異なります。
「1.15倍以下」という具体的な数字が公表されています。生活保護を受けていなくても、その水準に近ければ対象になりうる、という設計です。
預貯金と不動産の要件
ここが、住民税や国保料の減免と違うところです。
収入以外に見られるもの(目黒区の所得段階1〜3の減額)
| 要件 | |
|---|---|
| 預貯金 | 「合計預貯金額が300万円以下」 |
| 不動産 | 「本人及び同一生計世帯員に居住用以外の不動産がないこと」 |
| 扶養 | 「住民税が課税されている者に扶養されていないこと」 |
| 世帯の範囲 | 「生計を共にしている世帯員全員」 |
出典:目黒区「介護保険料の減額・免除」(2026年9月10日確認)。
「居住用以外の不動産」という書き方に注目してください。いま住んでいる家は、この要件で引っかかりません。対象になるのは、相続した実家や、貸している土地などです。
「住民税が課税されている者に扶養されていないこと」も要件です。子の扶養に入っている場合は、この要件で外れます。扶養に入るかどうかは、税の負担と保険料の減免の両方に影響します。
利用者負担の減免とは別
よく混同される2つ
| 介護保険料の減免 | 利用者負担の減免 | |
|---|---|---|
| 減るもの | 毎月納める(年金から引かれる)保険料 | サービスを使ったときに払う自己負担・食費・居住費 |
| 窓口 | 介護保険課の資格・保険料の係 | 介護保険課の給付の係 |
| 代表的な制度 | 災害等減免/所得段階の減額 | 負担限度額認定/社会福祉法人等による軽減 |
出典:目黒区・港区の公表内容(2026年9月10日確認)。同じ課でも係が分かれていることがあります。→ 高額なサービス費の仕組み
「介護保険料の減免」で検索すると、利用者負担の軽減のページが出てくることがあります。実際、目黒区にも港区にも、名前のよく似たページが両方あります。窓口で「保険料のほうです」と言えるようにしておくと早いです。
申請の進め方
目黒区の記載から整理した流れ
- 介護保険料の決定通知書を用意する所得段階が書かれています。
- 介護保険課の資格・保険料の係に電話する利用者負担の係とは別です。
- どちらの減免かを伝える災害等か、所得段階1〜3の減額か。
- 世帯全員の収入がわかるものを用意する「世帯員全員」で判定されます。
- 預貯金がわかるものを用意する所得段階の減額では300万円以下が要件です。
- 申請する様式と提出方法は窓口で確認してください。
状況ごとの考え方
年金から天引きされている
子の扶養に入っている
相続した実家がある
生計を支えていた家族が長期入院した
施設の食費・居住費が厳しい
生活保護を受けている
よくある取りこぼし
天引きだから手続きできないと思った
年金から引かれていても、減免の申請はできます。
利用者負担の軽減と混同した
係が別です。「保険料のほうです」と伝えてください。
本人の収入だけで判断した
「生計を共にしている世帯員全員」で判定されます。
預貯金の要件を知らなかった
目黒区は「合計預貯金額が300万円以下」を要件にしています。
扶養に入ったまま申請した
「住民税が課税されている者に扶養されていないこと」が要件です。
国保料の減免と同じ要件だと思った
介護保険料は預貯金・不動産まで見られます。制度ごとに要件が違います。
→ 「軽減」と「減免」は別のもの/住民税の減免/国民健康保険料の軽減と減免/窓口で払う医療費の減免/介護保険料の減免/水道・下水道料金の減免
ほかのクラスタで扱っているもの:自動車税・軽自動車税の減免/耐震改修後の固定資産税の減額/被災したときの税と保険料の減免/就学援助
確認に使った一次情報
- 目黒区「住民税の減免」目黒区 住民税の減免
- 渋谷区「国民健康保険料の軽減・減免」渋谷区 国民健康保険料の軽減・減免
- 世田谷区「国民健康保険 一部負担金の減免・徴収猶予」世田谷区 一部負担金の減免
- 目黒区「介護保険料の減額・免除」目黒区 介護保険料の減額・免除
- 東京都主税局「自動車税種別割の減免」東京都主税局 自動車税種別割の減免
- 東京都主税局「耐震化のための固定資産税・都市計画税の減免」東京都主税局 耐震化のための減免
- 東京都水道局「水道料金・下水道料金の減免」東京都水道局 料金の減免
よくある疑問
年金から天引きされていますが、減免できますか。
どのくらいの収入なら対象ですか。
貯金があると対象外ですか。
家を持っていると対象外ですか。
施設の食費が高くて払えません。
減免・免除の申請ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。