本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する制度の記載は、内閣府(防災担当)および各市区町村の公表内容にもとづきます。

名簿の次に作るのが計画

名簿は「誰が支援を必要としているか」の一覧です。個別避難計画は「その人を、誰が、どうやって、どこへ連れて行くか」を決めるものです。令和3年の災害対策基本法改正で市町村の努力義務になりました。ただし努力義務なので、全員分がすぐにできるわけではありません。内閣府は「おおむね5年程度で優先度が高い方の計画作成を完了」としています。

本ページは災害時の支援に関する制度についての一般的な整理です。制度の有無・名称・対象・金額・手続きは市区町村ごとに異なります。実際の登録や申請は、お住まいの市区町村の防災担当課・福祉担当課・保健所にご確認ください。
このページの内容
  1. 努力義務という意味
  2. 優先度の決め方
  3. 誰が作るのか
  4. 計画に書くこと
  5. 自分から進める
  6. 状況ごとの考え方
  7. よくある取りこぼし
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

努力義務という意味

避難行動要支援者について、個別避難計画を作成することが市町村の努力義務とされました。

出典:内閣府(令和3年の災害対策基本法改正について)

内閣府は改正の背景として、「令和元年台風19号等の近年の災害において、多くの高齢者や障害者が被害に遭われた」ことと、「災害時の避難支援等を実効性のあるものとするためには個別避難計画の作成が有効」とされたことを挙げています。

名簿と計画の違い

避難行動要支援者名簿個別避難計画
市町村の位置づけ義務(平成25年改正)努力義務(令和3年改正)
中身誰が支援を必要としているかの一覧その人ごとの避難の段取り
作る単位市町村全体で1つ1人につき1つ
関わる人市町村本人・家族・福祉専門職・地域の支援者・市町村
進み方作られている優先度の高い人から順に

出典:内閣府の公表内容から整理。名簿に載っているからといって、計画があるとは限りません。

優先度の決め方

内閣府の取組指針は、優先度の判断に3つのポイントを挙げています。

優先度判断の3つのポイント(内閣府の取組指針)

「どこに住んでいるか」が最初に来ているのが要点です。ハザードマップ上で危険な場所に住んでいる人ほど、計画が先に作られる方針です。自分の家がどの区域にあるかを知っておくと、窓口での話が具体的になります。

そして「おおむね5年程度で優先度が高い方の計画作成を完了」という目安が示されています。逆に言えば、優先度が高くないと判断された場合は、待つことになります。

誰が作るのか

内閣府の取組指針は、福祉専門職の関与についてこう述べています。

福祉専門職や社会福祉協議会が参画した取組が行われ……福祉専門職が当事者と避難について対話・意見交換する

出典:内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(令和3年5月改定)

計画づくりに関わる人

立場役割
本人・家族どういう支援が必要かを伝える
ケアマネジャー・相談支援専門員本人の状況をいちばんよく知っている。福祉専門職として参画
市区町村計画の作成主体
社会福祉協議会地域とのつなぎ
自治会・自主防災組織・民生委員実際に声をかけ、連れて行く役

出典:内閣府の取組指針から整理。誰が関わるかは市区町村の体制によって異なります。

介護保険や障害福祉のサービスを使っているなら、ケアマネジャー・相談支援専門員に相談するのがいちばん早い入口です。本人の状態を知っている人が計画に関わると、中身が具体的になります。

計画に書くこと

個別避難計画に書かれるのが通常の内容

「どの情報が出たら動くか」を決めておくのが、実務では大きいところです。自力で歩けない人は、避難情報が出てから動くのでは間に合わないことがあります。1段階早く動く、という取り決めを書ける場合があります。

自分から進める

努力義務であり、順番待ちがある制度です。待っているだけでは順番が回ってこないことがあります。

自分から動く方法

  1. ハザードマップで自宅の位置を確認する浸水想定・土砂災害警戒区域に入っているか。優先度の判断材料です。
  2. ケアマネジャー・相談支援専門員に相談する福祉専門職の参画が想定されています。
  3. 市区町村の窓口に申し出る「個別避難計画を作りたい」と伝える。
  4. 支援してくれる人の心当たりを挙げる近所の人、親族。計画には支援者を書きます。
  5. 避難先を決める福祉避難所と直接避難
  6. できたら家族で共有する離れて暮らす家族にも渡しておく。

状況ごとの考え方

順番待ちだと言われた

ハザードの状況が優先度に効きます。自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域にあるなら、その旨を伝えてください。

支援してくれる人が見つからない

それも含めて相談する内容です。内閣府の取組指針は社会福祉協議会や自主防災組織の参画を想定しています。「支援者がいない」と伝えてください。

ケアマネジャーがいない

地域包括支援センターが入口になります。介護保険を使っていない場合も相談できます。

親が計画づくりに乗り気でない

「近所に迷惑をかけたくない」という気持ちがあることが多いです。計画は迷惑をかけないための段取りだ、という説明の仕方があります。

計画はあるが古い

状態が変われば内容も変わります。ケアプランの見直しと合わせて相談してください。

医療的ケアが必要な子どもがいる

内閣府の要件例に「医療的ケア児」が挙げられています。電源が必要な機器を使っている場合は給付事業も確認してください。→ 電源が要るときの給付

よくある取りこぼし

名簿に載っていれば計画もあると思っていた

別です。名簿は義務、計画は努力義務で順番待ちがあります。

待っているだけだった

自分から申し出ることができます。

ハザードマップを見ていなかった

優先度の判断で最初に来る項目です。

支援者の欄を空けたまま作った

誰が来るかが決まっていないと、計画の意味が薄くなります。

家族に共有していなかった

離れて暮らす家族も、計画の内容を知っておく必要があります。家族が先にやること

確認の順序

計画づくりを進める

  1. 名簿に登録されているか確認する避難行動要支援者名簿
  2. ハザードマップを見る自宅がどの区域か。
  3. ケアマネジャー等に相談する福祉専門職の参画が想定されています。
  4. 市区町村に申し出る順番と見込みを聞く。
  5. 支援者と避難先を決めるここが計画の中身です。
  6. 家族で共有するコピーを持っておく。

4つの制度の全体像避難行動要支援者名簿個別避難計画福祉避難所と直接避難電源が要るときの給付救急医療情報キット家族が先にやること

確認に使った一次情報

よくある疑問

個別避難計画は必ず作ってもらえますか。

努力義務なので、必ずとは言えません。内閣府は「おおむね5年程度で優先度が高い方の計画作成を完了」という目安を示しています。自分から申し出ることで進むことがあります。

計画づくりに費用はかかりますか。

市区町村が作成する計画なので、本人負担は生じないのが通常です。窓口で確認してください。

誰が支援者になるのですか。

近所の人、自主防災組織、民生委員、親族などが想定されます。支援者は義務を負うわけではなく、災害時には自身の安全確保が優先されます。

ケアマネジャーに頼めばいいのですか。

入口としては有効です。内閣府の取組指針は福祉専門職の参画を想定しています。ただし計画の作成主体は市町村です。

計画があれば福祉避難所に行けますか。

事前の調整が要ります。内閣府のガイドラインは、個別避難計画等の作成プロセスを通じて「事前に指定福祉避難所ごとに受入対象者の調整等を行う」としています。→ 福祉避難所と直接避難

災害時に助けが要る人の制度ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

関連する情報サイト