本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する制度の記載は、内閣府(防災担当)および各市区町村の公表内容にもとづきます。

名簿はある。渡すには同意が要る

避難行動要支援者名簿の作成は、災害対策基本法で市町村の義務です。つまり、あなたが何もしなくても名簿そのものは作られている可能性があります。問題はその先で、平常時にその情報を消防・警察・民生委員・自治会などへ渡すには、原則として本人の同意が必要です。同意していなければ、いざというときに近所の人はあなたの家を知りません。

本ページは災害時の支援に関する制度についての一般的な整理です。制度の有無・名称・対象・金額・手続きは市区町村ごとに異なります。実際の登録や申請は、お住まいの市区町村の防災担当課・福祉担当課・保健所にご確認ください。
このページの内容
  1. 作成は市町村の義務
  2. 同意が要るのはどこか
  3. 対象になる人
  4. 名簿に載る情報
  5. 登録の仕方
  6. 迷いやすい場面
  7. よくある取りこぼし
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

作成は市町村の義務

内閣府は、平成25年の災害対策基本法改正についてこう書いています。

災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害者等の避難行動要支援者について、避難行動要支援者名簿を作成することが市町村の義務とされました。

出典:内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関すること」

背景は東日本大震災です。内閣府は「障害者、高齢者、外国人、妊産婦等の方々について、情報提供や避難生活での対応が不十分だった」ことを挙げています。

同意が要るのはどこか

ここが制度のいちばん大事なところです。内閣府の取組指針は、災対法第49条の11第2項についてこう整理しています。

条例に特別の定めがある場合を除き……本人の同意が得られない場合は、この限りではない

出典:内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」(令和3年5月改定)

同意の有無で何が変わるか

場面同意あり同意なし
市町村が名簿を作る作られる作られる(義務)
平常時に消防・民生委員・自治会へ渡す渡される原則として渡されない
災害が発生し、または発生するおそれがある場合渡される本人の同意がなくても提供できる(災対法の定め)
個別避難計画の作成進めやすい関係者と共有できず進みにくい

出典:内閣府の取組指針および災害対策基本法の規定から整理。条例に特別の定めを置いて、同意がなくても提供できるようにしている市区町村があります。運用は市区町村ごとに確認してください。

読み方はこうです。「いざというとき」には同意がなくても情報は動きます。けれど「いざ」の前に、近所の誰かがあなたを気にかけている状態を作るには、同意が要ります。そして避難は、たいてい「いざ」の前に始めないと間に合いません。

対象になる人

避難行動要支援者の要件例(内閣府の取組指針)

区分
介護要介護認定3〜5を受けている者
身体障害身体障害者手帳1・2級の第1種
知的障害重度以上と判定された知的障害者
精神障害精神障害者保健福祉手帳1・2級で単身世帯
子ども医療的ケア児/保護者のみでは避難行動が困難である障害児

出典:内閣府「取組指針」(令和3年5月改定)。要件は市町村が定めます。ここに当てはまらなくても、申し出により登録できる市区町村があります。

「精神障害者保健福祉手帳1・2級で単身世帯」のように、世帯の状況が条件に入っている例があります。同居家族がいても、その家族が日中いない、高齢である、といった事情は窓口で伝えてください。

名簿に載る情報

名簿に記載されるのが通常の項目

「避難支援等を必要とする理由」が入るのが、この名簿の特徴です。だから同意が問題になります。誰にどこまで伝わるのかを、登録の前に確認してください。

登録の仕方

登録までの流れ(一般的な形)

  1. 市区町村の窓口に連絡する防災担当課か福祉担当課。制度の名称は市区町村で違います。
  2. 対象になるか確認する要件に当てはまらなくても、申し出で登録できることがあります。
  3. 同意書に記入する誰に情報を渡すかを確認する。
  4. 連絡先を登録する離れて暮らす家族の連絡先も入れられるか聞く。
  5. 個別避難計画につなげる個別避難計画
  6. 避難先を確認する福祉避難所と直接避難

迷いやすい場面

近所に知られたくない

同意の範囲は選べることがあります。「消防と市には渡すが自治会には渡さない」といった選び方ができる市区町村があります。窓口で確認してください。

同居家族がいる

それでも対象になることがあります。家族が日中いない、高齢である、自分も支援が必要である、といった事情を伝えてください。

要件に当てはまらない

申し出により登録できる仕組みを置いている市区町村があります。「一人では階段を降りられない」など、具体的な状況を窓口で伝えてください。

引っ越した

登録は市区町村ごとです。転入先で改めて登録が必要です。

本人が判断できる状態にない

同意の取り方を窓口で確認してください。成年後見人や家族の関わり方は市区町村の運用によります。

登録したかどうか分からない

窓口で確認できます。数年前に手続きした記憶がある場合も、内容が古くなっていないか確認してください。

よくある取りこぼし

同意していなかった

平常時の情報提供には原則として本人の同意が必要です。

連絡先が古いままだった

電話番号や家族の連絡先が変わっていると意味がありません。

名簿だけで安心した

名簿は一覧です。誰がどう助けるかは個別避難計画で決めます。

引っ越し後に登録し直していない

市区町村ごとの制度です。

支援が必要な理由が古い内容のままだった

状態が変わったら更新してください。

確認の順序

名簿について確かめる

  1. 市区町村に制度の名称を聞く「災害時要援護者」など呼び方が違います。
  2. 登録済みかどうか確認する過去に手続きした可能性があります。
  3. 同意の範囲を確認する誰に渡るのか。
  4. 登録内容を更新する連絡先・状態・支援が必要な理由。
  5. 個別避難計画の順番を聞く個別避難計画

4つの制度の全体像避難行動要支援者名簿個別避難計画福祉避難所と直接避難電源が要るときの給付救急医療情報キット家族が先にやること

確認に使った一次情報

よくある疑問

同意しないと名簿に載りませんか。

名簿の作成自体は市町村の義務です。同意が関わるのは、平常時に消防・民生委員・自治会などの避難支援等関係者へ情報を提供する場面です。災害が発生し、または発生するおそれがある場合は、本人の同意がなくても提供できる定めがあります。

同意すると誰に情報が渡りますか。

市区町村が定める避難支援等関係者です。消防機関、警察、民生委員、社会福祉協議会、自治会・町内会、自主防災組織などが挙げられるのが通常です。範囲を選べる市区町村があります。窓口で確認してください。

名簿の情報は外に漏れませんか。

受け取る側には守秘義務が課されるのが通常です。具体的な取扱いは市区町村の条例・要綱で定められています。窓口で確認してください。

登録すると避難のときに必ず来てもらえますか。

約束されるものではありません。支援する人自身も被災します。内閣府の取組指針も、支援者の安全確保を前提としています。

要介護1でも登録できますか。

市区町村によります。内閣府が示しているのは要件の「例」です。申し出により登録できる仕組みがあるか、窓口で確認してください。

災害時に助けが要る人の制度ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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