金額の申告ではなく、猶予を受けたい金額で決まる
猶予の申請で最初につまずくのが書類です。そして書類は、猶予を受けようとする金額が100万円を超えるかどうかで変わります。100万円以下なら「財産収支状況書」1つ。100万円を超えると「財産目録」と「収支の明細書」の2つ。この区切りは、国税庁も横浜市も同じです。
100万円の分かれ目
猶予を受けようとする金額で変わる
| 100万円以下 | 100万円を超える | |
|---|---|---|
| 財産と収支の書類 | 「財産収支状況書」 | 「財産目録」及び「収支の明細書」 |
| 担保 | 不要 | 原則として必要(猶予期間が3か月未満なら不要) |
| 国税庁の記載 | 「財産収支状況書」1部 | 「猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は、「財産目録」及び「収支の明細書」各1部」 |
| 横浜市の記載 | 「猶予を受けようとする金額が100万円以下の場合 「財産収支状況書」」 | 「猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合 「財産目録」及び「収支の明細書」」 |
出典:国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」・横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」(2026年9月10日確認)。国税でも市税でも同じ区切りです。
基準は「滞納している総額」ではなく「猶予を受けようとする金額」です。いくら猶予してもらうかは、自分で決めて申請します。そのため、この金額の決め方が、そのまま書類の量と担保の要否に効いてきます。→ 担保が要るとき・要らないとき
何を書くか
横浜市は、どちらの場合も書く内容をこう書いています。
どちらの場合も資産、負債、収支状況、納付計画などを記載してください。
出典:横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」(2026年9月10日確認)。
書く内容(横浜市の記載から)
- 資産
- 負債
- 収支状況
- 納付計画
「納付計画」が入っている点が重要です。猶予は、いつまでにどう払うかを自分で示す制度です。「払えません」だけでは足りません。
国税庁の「猶予の申請の手引」には、「換価の猶予申請書」の書き方/「財産収支状況書」の書き方/「財産目録」の書き方/「収支の明細書」の書き方が、それぞれ節として用意されています。書き方に迷ったら、この手引が一次情報です。
徴収猶予だけ追加になる書類
提出書類の比較(横浜市の記載から)
| 徴収猶予 | 換価の猶予 | |
|---|---|---|
| 申請書 | 「徴収猶予申請書」 | 「換価猶予申請書」 |
| 財産と収支 | 財産収支状況書(100万円以下)/財産目録+収支の明細書(100万円超) | 同じ |
| 担保 | 担保の提供に関する書類 | 担保の提供に関する書類 |
| 理由を示すもの | 「災害などの事実を証する書類」(例:罹災証明書、医療費の領収書、廃業届、決算書など) | 一覧に挙げられていない |
出典:横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」(2026年9月10日確認)。→ 徴収猶予
徴収猶予は理由が5つに限定されているので、その理由を示す書類が追加になります。
様式はどこにあるか
様式の入手先
| 入手先 | |
|---|---|
| 国税 | 国税庁のページから「換価の猶予申請書」「財産収支状況書」をExcel・PDFでダウンロードできる |
| 地方税 | 都道府県・市区町村の「猶予制度の申請書類」のページ |
| 書き方 | 国税庁「猶予の申請の手引」/自治体の「猶予の申請の手引き」 |
出典:国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」「猶予の申請の手引」・横浜市の公表内容(2026年9月10日確認)。様式は国税・地方税・自治体ごとに異なります。
様式を探す前に、どちらの猶予かを決めてください。申請書の名前が「徴収猶予申請書」と「換価猶予申請書」で分かれています。
提出の方法
出し方
| 方法 | |
|---|---|
| 国税 | e-Tax/書面で作成して持参または送付 |
| 地方税(横浜市の例) | 「窓口、郵送、eLTAX での提出」 |
出典:国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」・横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」(2026年9月10日確認)。→ 国税の場合
横浜市は「提出された書類に不備があった場合には、補正をお願いすることがあります。」としています。期限が迫っているときは、不備で戻ってくる時間も見込んでください。
許可されたあと
横浜市の記載はこうです。
猶予が許可された場合は、区役所税務課又は総務局納税管理課から送付される「猶予許可通知書」に記載された分割納付計画のとおりに納付する必要があります。
出典:横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」
猶予は「払わなくてよい」ではなく「この計画で払う」という約束です。横浜市は猶予期間を「1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く市税を完納することができると認められる期間に限られます。」としています。延長を含めて最長2年です。
状況ごとの考え方
猶予してほしい額が100万円ちょうど
滞納の総額は200万円だが、一部だけ猶予したい
財産目録の書き方がわからない
納付計画が立てられない
書類に不備があると言われた
災害が理由である
よくある取りこぼし
滞納の総額で書類を決めた
基準は「猶予を受けようとする金額」です。
納付計画を書かなかった
資産・負債・収支状況とあわせて納付計画を書く、とされています。
徴収猶予なのに理由の書類を出さなかった
徴収猶予には「災害などの事実を証する書類」が要ります。
申請書の名前を取り違えた
「徴収猶予申請書」と「換価猶予申請書」は別の様式です。
担保の書類を忘れた
100万円以下または3か月未満でなければ、原則として必要です。
許可されたら払わなくてよいと思った
猶予許可通知書の分割納付計画のとおりに納めます。
→ 徴収猶予と換価の猶予は別のもの/換価の猶予(納期限から6か月以内)/徴収猶予(申請の期限がないものがある)/100万円で出す書類が変わる/担保が要るとき・要らないとき/国税の場合(税務署・e-Tax)
ほかのクラスタで扱っているもの:減免・免除の申請/住民税の減免/被災したときの税と保険料の減免
確認に使った一次情報
- 国税庁「G-9 換価の猶予の申請手続」国税庁 換価の猶予の申請手続
- 国税庁「猶予の申請の手引」国税庁 猶予の申請の手引
- 横浜市「換価の猶予制度」横浜市 換価の猶予制度
- 横浜市「市税の徴収猶予制度」横浜市 市税の徴収猶予制度
- 横浜市「徴収猶予・換価の猶予の申請方法」横浜市 猶予の申請方法
よくある疑問
100万円の基準は何の金額ですか。
何を書けばよいですか。
様式はどこで手に入りますか。
書き方がわからないときは。
郵送でも出せますか。
税の猶予の申請ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。