本ページはアフィリエイト広告を利用しています。掲載する制度の記載は、国土交通省および各市区町村の公表内容にもとづきます。

壊す前に調べる工程がある

空き家を解体するとき、いきなり壊し始めることはできません。建物に石綿(アスベスト)が使われていないかを、工事の前に調べる必要があります。環境省は、一定規模以上の工事について「当該調査の結果を都道府県または大防法政令市に報告する必要があります」としています。そして、分析調査の費用を助成する市区町村があります。除却補助金とは別の制度です。

本ページは空き家の除却(解体)に関する補助制度についての一般的な整理です。補助金の有無・名称・対象・金額・申請期限は市区町村ごとに異なり、年度ごとに変わります。実際の手続きは、空き家がある市区町村の空き家担当課にご確認ください。
このページの内容
  1. 調べるのは元請業者
  2. 報告が必要になる規模
  3. 分析調査の助成
  4. 県が一覧を出している例
  5. 除却補助金とは別の制度
  6. 状況ごとの考え方
  7. よくある取りこぼし
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

調べるのは元請業者

環境省はこう書いています。

元請業者又は自主施工者は当該建築物等に石綿含有建材の使用の有無について調査する必要があります

出典:環境省「石綿事前調査結果の報告について」

調査の義務を負うのは、所有者ではなく元請業者(自分で工事する場合は自主施工者)です。ただし費用は工事費に含まれる形で所有者が負担することになります。だから「見積書に調査費が入っているか」を確認する意味があります。

報告が必要になる規模

事前調査結果の報告が必要な工事(環境省)

工事規模の要件
建築物の解体工事床面積の合計が80㎡以上であるもの
建築物の改造・補修工事請負代金の合計額が100万円以上であるもの
工作物の工事請負代金の合計金が100万円以上であるもの

出典:環境省「石綿事前調査結果の報告について」。報告先は都道府県または大防法政令市です。なお、報告の要否にかかわらず、事前調査そのものは行う必要があります。

「80㎡以上」は、一般的な戸建住宅なら超えることが多い規模です。報告が必要な工事かどうかを、業者に確認してください。

分析調査の助成

調査には、目で見て判断する部分と、試料を採って分析する部分があります。分析にかかる費用を助成する市区町村があります。

豊島区のアスベスト分析調査助成事業(公表内容から)

項目内容
対象建築物区内に所在する建築物のうち、平成18年8月31日以前に建てられたもの
対象者区内に建築物を所有する個人又は法人/分譲集合住宅の管理組合の代表者/その他区長が必要と認める者
対象の調査建築物の解体・改修工事の際に行う吹付け材(塗装材を除く)の分析調査
限度額分析調査に要した費用の2分の1相当【上限10万円】
申請の時期事後申請。調査完了後1年以内のもの。申請期間は毎年度2月15日(土日祝日の場合は翌開庁日)まで

出典:豊島区「アスベスト分析調査助成事業」(2026年9月10日確認)。これは豊島区の例です。制度の有無・対象・限度額は市区町村ごとに異なります。

ここで注意したいのは、豊島区が「事後申請」だという点です。空き家の除却補助金は交付決定前に契約すると対象外になりますが(→ 契約より先に申請する)、アスベストの分析調査助成は調査が終わってから申請する形になっています。制度ごとに順序が違うので、どちらも窓口で確認してください。

県が一覧を出している例

神奈川県は、県内でアスベスト含有調査の補助制度がある市町村の一覧を公表しています。

神奈川県の補助制度(県の公表内容から)

項目内容
対象建築物平成元年以前に建築確認を得て着工されたもの
用途・規模①不特定多数の者が利用する建築物で延べ面積300㎡以上1000㎡未満(集会場、ホテル・旅館、飲食店・店舗など)
用途・規模②エレベーターがある建築物(エレベーターの昇降路及び機械室の部分に限る)
その他アスベスト含有調査を実施していない民間建築物
限度額一棟当たり25万円。ただし含有調査を一検体のみ行う場合の限度額は16万円

出典:神奈川県「アスベスト含有調査に対する補助制度」。実施しているのは県内の一部市町村です。この例は用途と規模が限られており、一般の戸建住宅は対象外です。

市区町村によって、対象になる建物の範囲が大きく違います。「戸建住宅も対象」の市区町村と、「不特定多数が使う建物だけ」の市区町村があります。都道府県が一覧を出していることがあるので、まずそこを見ると早いです。

除却補助金とは別の制度

2つの制度の違い

空き家の除却補助金アスベスト分析調査の助成
目的危険な建物をなくす石綿の飛散を防ぐ
担当空き家担当・住宅担当環境担当・建築担当
対象経費除却工事費分析調査の費用
申請の時期交付決定前に契約しない豊島区は事後申請(調査完了後1年以内)
併用市区町村により異なる。窓口で確認

担当課が違うので、片方の窓口では両方の案内が出てこないことがあります。解体の相談をするときに、両方あるかを聞いてください。

状況ごとの考え方

解体の見積もりに調査費が入っていなかった

あとから追加になることがあります。事前調査は元請業者の義務です。見積もりの段階で、調査費と分析費がどう扱われているかを確認してください。

築年数が新しい

石綿含有建材の使用は平成18年(2006年)9月以降に原則禁止されています。豊島区の助成も「平成18年8月31日以前に建てられたもの」を対象にしています。ただし事前調査そのものは、築年にかかわらず必要とされる場合があります。業者に確認してください。

戸建住宅で、助成の対象外だった

神奈川県の例のように、対象を大きな建物に限っている制度があります。市区町村ごとに範囲が違うので、住んでいる(空き家がある)市区町村で確認してください。

調査で石綿が見つかった

除去の方法と費用が変わります。除去工事にも別の補助制度を置いている市区町村があります。窓口で確認してください。

自分で解体しようとしている

自主施工者にも調査の義務があります。環境省は「元請業者又は自主施工者」としています。

解体費の補助と両方使いたい

担当課が違います。併用できるかは市区町村によります。両方の窓口で確認してください。

よくある取りこぼし

調査費を見込んでいなかった

解体費とは別にかかります。見積もりの内訳を確認してください。

助成の申請期間を過ぎた

豊島区は「調査完了後1年以内」かつ「毎年度2月15日まで」としています。

除却補助金の窓口だけで聞いた

アスベストの助成は環境担当・建築担当のことがあります。

報告が必要な規模かを確認しなかった

解体は床面積80㎡以上、改造・補修は請負代金100万円以上が報告の目安です。

助成の対象が建物の用途で限られていた

神奈川県の例では、一般の戸建住宅は対象外です。

確認の順序

解体の前にやること

  1. 建物の建築時期を確認する平成18年8月31日以前かどうかが一つの目安。
  2. 市区町村に助成があるか聞く環境担当・建築担当。都道府県が一覧を出していることも。
  3. 業者に事前調査の説明を求める調査費と分析費が見積もりのどこにあるか。
  4. 報告が必要な規模か確認する床面積80㎡以上/請負代金100万円以上。
  5. 助成の申請時期を確認する事後申請か、事前申請か。制度によって違います。
  6. 除却補助金の手続きと並行して進める契約より先に申請する

補助金は市区町村の要綱で決まる対象になる空き家の条件契約より先に申請する家財の処分費は対象外共有と相続の同意解体した後の土地の税取り壊した後の届出

確認に使った一次情報

よくある疑問

アスベストの調査は必ず必要ですか。

環境省は「元請業者又は自主施工者は当該建築物等に石綿含有建材の使用の有無について調査する必要があります」としています。報告が必要になるのは一定規模以上の工事です。詳しくは工事を依頼する業者と、都道府県・政令市の窓口にご確認ください。

調査費用はいくらかかりますか。

建物の規模と、採る試料の数によって変わります。相場を示すことはできません。見積もりを取って確認してください。神奈川県の補助は「一検体のみ行う場合の限度額は16万円」としており、検体数で費用が変わることが分かります。

助成はどの市区町村にもありますか。

ありません。また対象になる建物の範囲も市区町村ごとに大きく違います。都道府県が実施市町村の一覧を公表していることがあります。

空き家の除却補助金と一緒に使えますか。

市区町村によります。担当課が違うため、両方の窓口で確認してください。

石綿が見つかったらどうなりますか。

除去の方法と工事の進め方が変わり、費用も変わります。除去工事に対する補助制度を置いている市区町村があります。窓口で確認してください。

空き家の除却補助金ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

本ページの前提となる制度・統計は、以下の公的機関等の公表情報で確認できます。最新の内容は必ず各機関の公式ページでご確認ください。

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